旅と暮らし

今ゲストに求められているラグジュアリーな旅とは?
マリオット・インターナショナルのトップにインタビュー

2018.11.16

現在、130の国と地域に6700軒以上ものホテルを展開する、マリオット・インターナショナル。今後、日本にマリオットのラグジュアリーホテルブランドが続々と上陸予定だ。ラグジュアリーブランドホテルにとって、日本はどのような場所なのか、また、今大人が求めるラグジュアリーなホテルステイとは。

来日中のブルース・ライド氏(マリオット・インターナショナル アジア太平洋 ラグジュアリーブランド&マーケティング担当 ヴァイス・プレジデント)と、リサ・ホラデイ氏(マリオット・インターナショナル ザ・リッツ・カールトン、リッツ・カールトン・リザーブ、セントレジス・ホテル&リゾート、ブルガリ・ホテル&リゾート担当 ヴァイス・プレジデント兼グローバル・ブランド・リーダー)に伺った。

──これから「JWマリオット」「ザ・リッツ・カールトン」「リッツ・カールトン・リザーブ」「ラグジュアリーコレクション」「エディション」「W」が沖縄や奈良、日光、ニセコ、虎ノ門や銀座など日本のさまざまな場所に開業しますが、マリオット・インターナショナルでは日本の市場をどのように見ていますか?

ライド氏:ラグジュアリーブランドにとってジャパンマーケットは、常に魅力的であり強い市場です。ホテルが地元の人たちから愛されているのはもちろん、今、日本へのインバウンドの数にも大きな伸びがあることも魅力のひとつです。現在、インバウンドの数は2600万人と言われていますが、今後4000万人まで上昇するだろうと私たちは確信しています。そこで、さまざまな趣のラグジュアリーホテルを開業し、彼らの需要に応える準備をしています。

ホラデイ氏:加えて、私たちは日本から出て行く旅行者、アウトバウンドとして、日本の旅行者が世界に何を求めているのかを知る事も大事なことだと思い、そのトレンドパフォーマンスを常に追っています。

写真・図版
ブルース・ライド氏

──ラグジュアリーホテルに滞在するゲストは、今どのような気分や体験をホテルに求めていると感じますか?

ホラデイ氏:キーワードのひとつは「パーソナル化(パーソナライズ)」にあると思っています。日本やアメリカ、ヨーロッパといったラグジュアリーホテルの市場が成熟した国々では、「これがラグジュアリーなサービス」とひとくくりにできるわけではなく、滞在中の時間がいかにパーソナライズされているか。それが求められているのだと思います。

滞在中のサービスはもちろん、訪れる前や滞在後のやりとりの際、あらゆる場面でその人ならではのサービスが提供されているかがとても重要です。私たちがゲストにコンタクトするすべてのシーンにおいていかにパーソナライズできるかが、それがラグジュアリー旅の鍵です。

また、ラグジュアリーな旅をする人々のタイプも今、多様化してきていると感じますね。以前なら家族というひと単位で考えると、ご両親とその子供たちで宿泊することが多かったのですが、現代は、複数世代が一緒に旅をすることも多くなっています。祖父や祖母、両親、子供という組み合わせも増えていますし、家族以外でも、女性同士の複数人でラグジュアリーな旅をするタイプも増加しています。

この傾向を踏まえて、新たにオープンするホテルではスイートルームの準備をより充実させたり、複数の部屋同士が相互につながっているような設計の客室を増やしたり、ホテルの設計を現代の傾向に合わせて変えています。

ライド氏:具体的に言うと、奈良にオープンする「JWマリオット」は、複数世代の旅を意識しており、彼らが滞在しやすい設計ですね。

写真・図版
リサ・ホラデイ氏

── ゲストが求める高いサービスを提供するために、どのようなことを大切にしていますか。

ライド氏:まずはその方が、どのような人として認識されたいかを把握すること。その像に合うサービスを提供することが大事だと思っています。また、成熟した大人が求めるスタイリッシュさやホテルのデザイン性、最先端のフィットネス、バーのモダンな雰囲気なども都心のラグジュアリー旅には欠かせない要素です。大阪に開業する「W」は、遊び心のある成熟した大人が楽しめるホテルとしてどうあるべきかを徹底的に追求しています。

ホラデイ氏:もう1点、成熟した大人へラグジュアリーなサービスを提供するには、私たちサービスする側も紳士であり淑女として自分を磨くことも大事だと考えています。ゲストとのやり取りを通じて、彼らの微細な感情を読み取り、わざわざ言わなくても求めていたサービスが受けられること、それがゲストにとっての居心地のよさだと思います。

── 最後に、おふたりが個人的にお気に入りやおすすめのホテルを教えてください。

ライド氏:私自身がスキーヤーでもあるので、日本の有名なスキーリゾート地であるニセコに「リッツ・カールトン・リザーブ」がオープンすることはとても嬉しいことですね。また、日本初の「EDITION」が、東京や虎ノ門にオープン予定ですが、ライフスタイルをつくったと言われる、設計者イアン・シュレーガー氏のアーバンな世界観にぜひ身を浸していただきたいです。もうひとつ、来月には「イラフ SUI ラグジュアリーコレクションホテル 沖縄宮古」が開業することも大きなニュースです。こぢんまりとした部屋数にプール付のスイートルームとほかでは体験できないラグジュアリーな滞在が叶う場所です。ぜひ、訪れていただきたいリゾートです。

ホラデイ氏:私は、全世界のザ・リッツ・カールトンの責任者でもあるので、やはりザ・リッツ・カールトンでのすばらしいサービスをぜひ体験していただきたいと思っています。東京、大阪、京都、沖縄とどれも雰囲気が異なりそれぞれすばらしいホテルですが、個人的には京都のザ・リッツ・カールトンがお気に入り。これからオープンする日光でも、多くの人が「ザ・リッツ・カールトン」に出会い、知って頂けることがとても嬉しく、今からわくわくしています。

<今後の開業予定>
イラフ SUI ラグジュアリーコレクションホテル 沖縄宮古(2018年11月)
JWマリオット奈良(2020)
ザ・リッツ・カールトン日光(2020)
リッツ・カールトン・リザーブ・ニセコ(2020)
エディション(虎ノ門、銀座/2020)
W大阪(2021)

<プロフィル>
ブルース・ライド
マリオット・インターナショナル アジア太平洋 ラグジュアリーブランド&ブランドマーケティング ヴァイス・プレジデント。『ザ・リッツ・カールトンR』、『リッツ・カールトン・リザーブR』、『セントレジスR』、『エディションR』、『JWマリオットR』、『WホテルR』、『ラグジュアリーコレクションR』、『ブルガリ』からなるマリオット・インターナショナルのラグジュアリーブランドに対し、アジア太平洋地域におけるラグジュアリーブランド戦略を担う。

リサ・ホラデイ
マリオット・インターナショナル、ザ・リッツ・カールトン、リッツ・カールトン・リザーブ、セントレジス・ホテル&リゾート、 ブルガリ・ホテル&リゾート担当 ヴァイス・プレジデント兼グローバル・ブランド・リーダー 。ザ・リッツ・カールトン、リッツ・カールトン・リザーブ、セントレジス・ホテル&リゾート、ブルガリ・ホテル&リゾートを担当するヴァイス・プレジデントとグローバル・ブランド・リーダーを兼任。現役職では、現在進行中のグローバルブランド戦略の推進など、ラグジュアリーブランドの世界における展開を統括している。

Text : Noriko Ooba

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