お酒

これぞボージョレの本質、土の香りとエレガンスが楽しめる
ACモルゴン・コート・ド・ピィ2016
[今週の家飲みワイン]

2019.01.10

小松宏子 小松宏子

これぞボージョレの本質、土の香りとエレガンスが楽しめる<br>ACモルゴン・コート・ド・ピィ2016<br>[今週の家飲みワイン]

最後の一本は父親世代を代表する造り手であり、マルセル・ラピエールなどの自然派に強く影響を受けた、ジャン・フォワヤールの作だ。
「ボージョレワインのいまの世代の成功や輝きは、混迷期を駆け抜けてきた父親世代の努力なくしては決してなかったはずです。大企業が大量のぶどうを買いたたいていた時代に、志の高い造り手が本物を頑張って守りつづけてきたからこそ、いまがあるのです」と梁さんは話す。

ジャン・フォワヤールは、もとはワインの瓶詰め会社で働いていて、瓶詰め設備のなかった小さなワイナリーを回るうちに、マルセル・ラピエール、イヴォン・メトラ、ギィ・ブルトンなどの自然派ワインの造り手に傾倒。足繁く彼らのワイナリーに通いながら、独学でワイン造りを学んだのだという。その後、1981年に叔父の畑を譲り受け、本格的にワイン造りを始めた。

「モルゴンのあるコート・ド・ピィは、グランクリュのひとつと言っても過言ではないほどのポテンシャルのあるテロワールを有しています。ボージョレのなかでも、最も力強いワインを生むと言われています。若手世代がフレッシュでエレガントな飲み口を大切にしているのに対し、ジャン・フォワヤールはボージョレの本質でもある、土っぽさ、ワイルドさなどを大切にしています。彼が造るワインはグランヴァンと呼ぶにふさわしい品格や威厳を備えているのです」とも。

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飲んでみると、果実味は上品でエレガントであるけれど、締まりのあるミネラル感が際立つ。また、酸の出方がほどよくチャーミングで、全体の印象をフレッシュに仕上げている。こうした魅力的なワインを生み出す陰には、地道な畑仕事における努力があってこそ。樹齢は約30年~70年と古く、畑には硫黄とボルドー液(殺菌剤として使われる硫酸銅と消石灰の混合溶液)の散布のみで、完全なビオロジック。とにかくブドウの質にこだわり、収穫時の選果は房ではなく、粒レベルで、傷んだ実は一切入れないというほどのこだわりようだ。さらに、低温でじっくり発酵させることで、これだけの品格とセンスを兼ね備えたワインができ上がる。ボージョレの本質を知るためにも、味わってみたい一本だ。

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<<ジュール・メトラ ヴァン・ド・フランス・ルージュ・シルブル 2016

  ドッグ・ポイント・ヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン セクション94>>

Photograph:Makiko Doi

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