旅と暮らし

ニューヨークのデイリーワインはカジュアルさがいい
「アンソニー・ロード デヴォニアン・ホワイト」
【今週の家飲みワイン】

2019.02.15

写真・図版 小松宏子

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インターナショナルに活躍するソムリエの梁 世柱さんによる、ワイン指南。自宅で気軽に飲める、お手頃でいて本格派な一本を紹介する。

2本目は、フィンガーレイクス近郊におけるパイオニア的存在の「アンソニー・ロード」のデヴォニアンシリーズだ。セネカ湖畔で1973年にぶどうの栽培者としてスタートし、1990年には満を持してワイン醸造を始めた、家族経営のワイナリーのカジュアルラインだ。地質学上の時代である「デヴォン紀」に由来するこのシリーズは、しっかりとした果実味と親しみやすさを感じさせるブレンデッドワイン

セパージュは、リースリング40%、シャルドネ30%、ピノグリ30%のアッサンブラージュで、高いクオリティーをキープしながらも、価格を抑えることに成功している。というのも、ピノグリは単体では高い値段がつきにくいぶどうで、そうした品種を上手に混ぜることで、価格を安くすることができるのだ。しかも、単一品種にはない、奥行きのある味わいが実現できるのだから一石二鳥だ。

また、アンソニー・ロードは、環境保全にもしっかりと目を向けて、早い段階から、すべてのぶどうを、NYサステイナブル・プログラムに基づいたオーガニックな手法で栽培している。そうした土への敬意がラベルにデュボン紀の地層を描かせたのだろう。スクリューキャップへの取り組みやラベルのデザインのモダンなセンスと、畑仕事に重きを置くバランス感覚のよさが、センスあるワイン造りの根底に流れている。

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マンハッタンのユニオンスクウェアで開催されているファーマーズ・マーケットに出店するため、毎週末、車で5〜6時間の道のりを、20年間ほど欠かさず通いつめている。だから、顔の見える造り手として、ニューヨーカーの間でちょっとした有名人、人気のワイナリーだ。地産地消の目指すべき姿と言えよう。

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香りは、洋梨、白桃などの甘やかな香りと柑橘香が混じり合い、味わいには、グレープフルーツのホロ苦みと爽快感、グースベリー、青りんご、パイナップルやレモンなどの豊かな酸が感じられる。きりっとして飲みやすい、バランスのよい酸味はシーフード全般にOKだが、特に日本料理との相性がよく、すしにも合う。冷涼な気候ゆえ、アルコール度数が上がることなく、ミネラルの凝縮感が感じられるのも、フィンガーレイクスという産地の利点だ。まさに、デイリーユースのワインとしてケース買いしたい、そんな一本だ。

<<レヴィーンズ・ドライ・リースリング 2013

  ハーマン・J・ウィーマー カベルネ・フラン>>

「今週の家飲みワインまとめ」はこちら

Photograph:Makiko Doi

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