週末の過ごし方

ニューヨークワインのトップ生産者が手がけた
「ハーマン・J・ウィーマー カベルネ・フラン」
【今週の家飲みワイン】

2019.02.22

写真・図版 小松宏子

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インターナショナルに活躍するソムリエの梁 世柱さんによる、ワイン指南。自宅で気軽に飲める、お手頃でいて本格派な一本を紹介する。

ニューヨークワインの3本目は、同じくセネカ湖畔に位置するハーマン・J・ウィーマーの醸すカベルネ・フランだ。ドイツのモーゼル地方で300年以上ワインを造ってきた家系出身のハーマン・J・ウィーマーは、1979年にこの地にワイナリーを創設以来、ニューヨーク州のワインをリードしつづけている。

「まちがいなく、現時点でのニューヨーク州のワインの頂点にいる造り手のひとつです。ニューヨークのなかでも歴史の長いワイナリーですが、オスカーという若い造り手が経営者になって、2014年からはさらにビオディナミへ舵を切り、より素晴らしいワインが造られるようになりました。2011年にこの畑を訪れたときには、完全なオーガニックながら、人の手がきちんと入った、手入れの行き届いた素晴らしい畑に感激しました。現在の、農薬・除草剤・殺虫剤などを一切使用しないぶどう栽培、イーストを添加しない、自然酵母のみの伝統的な醸造法、無調整、無濾過で仕上げるワインは、まさにビオディナミの匠と言えるほどです」と梁さんも絶賛する。

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ハーマン・J・ウィーマーがカベルネ・フランを赤ワインのなかでも誇りにしているのは、カベルネ・ソーヴィニョンとメルローに比べて、寒さに耐性がある品種というのもひとつの理由だ。時にカベルネ・フランには青臭さが残ることがあるが、この一本はそれをまったく感じさせない。その理由を梁さんは「長い成熟期間をかけてぶどうを熟させているので、フェノールが熟して青臭さが出にくい。さらに、フィンガーレイクという冷涼な環境のなかで糖度もそこまで上がらないから」と言う。結果、アルコール度が低い、いまの時代に合った軽やかなワインに仕上るのだ。エレガントに香る、ブラックチェリーなどの熟した果実味のなかにほのかな土っぽさが混じり、ベルベットのようななめらかなテクスチャーがなんとも魅力的だ。

ぶどう栽培にとって圧倒的にすぐれた土地であるカリフォルニアには、時代時代に素晴らしい造り手が登場してきた歴史があるが、ニューヨーク州においては、まさにハーマン・J・ウィーマーがエポックメイキングなひとりだ。「朴訥(ぼくとつ)としたなかに厳格さも持ち、厚みも深みもある味わいは、ニューヨーク州フィンガーレイクのワインであるという理由がしっかりとそこにあるのです」とも。

若干価格は張るが、「イレブンマジソンパーク」「ブルーヒル」「ベルナルダン」など、ニューヨークのトップレストランのワインリストには必ずオンリストされているほどの一本だ。しっかりとしたしたステーキや、手をかけたシチューなどの煮込み料理、また、ちょっと張り込んだ牛肉でのすき焼き。こんな料理を楽しみたい日に、ぜひ登場させたい。

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Photograph:Makiko Doi

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