腕時計
SIHH2019 ジュネーブサロン・リポート
ジャガー・ルクルト
2019.02.22
![SIHH2019 ジュネーブサロン・リポート<br>ジャガー・ルクルト](http://p.potaufeu.asahi.com/d05a-p/picture/15158050/67767d0949396ea4b3859b857f1979d0.jpg)
高級時計の新作がいち早く出そろう、毎年恒例の国際展示会・SIHH(ジュネーブサロン)がスイスで1月14日から17日まで開催された。ラグジュアリー感あふれる落ち着いた雰囲気の会場に、約2万3000人が来訪したという(主催者発表)。このSIHH2019から、主要ブランドの動向と、魅力的な新作をピックアップして紹介する。
丸形「マスター」からエナメル、角形「レベルソ」は拡充
ジャガー・ルクルトは、超の付く複雑機構を小型化してきたマニュファクチュールとして知られる。高度な時計技術だけでなく、エングレービングやジェムセッティングなど装飾技法の分野でも卓越した実績を積み重ねてきた。今年のSIHHでは、これらを集約したテーマ「精度という名の芸術」(アート・オブ・プレシジョン)を設定。丸形の「マスター」では超絶的な複雑時計とエナメルモデル、レディースの「ランデヴー」ではダイヤモンドセッティングを増加。メゾンを代表する角形のロングセラー「レベルソ」でもラインアップが拡充された。
このうち最もハイエンドな新作「マスター・グランド・トラディション・ジャイロトゥールビヨン・ウェストミンスター・パーペチュアル」は、多軸トゥールビヨンに4つの音階を持つミニッツリピーター、永久カレンダーを搭載。驚異的なグランドコンプリケーション。ちなみに予価は80万ユーロ(約1億円)。
丸形ケースの極薄コレクション「マスター・ウルトラスリム」では、放射状のギョーシェ彫りダイヤルにブルーエナメルを施した新作が登場した。トゥールビヨン、永久カレンダー、ムーンフェイズの3タイプがあり、すべて限定。「マスター・ウルトラスリム・ムーン エナメル」は、ムーンフェイズのサブダイヤルにも線条の彫りがあるほか、ポリッシュ仕上げのホワイトの月を備えた夜空が印象的。周囲の日付リングも立体的に仕上げられており、メゾンの熟練した職人技を象徴するモデルと言えるだろう。
![400_MASTER_Q13635E1](http://p.potaufeu.asahi.com/4613-p/picture/15157342/43b0371a0aeffdb15c581f6d21816561.jpg)
レギュラーコレクションの「マスター・ウルトラスリム」では、現行の直径40㎜を39㎜にサイズダウンした2モデルを追加。6時位置に日付表示を持つ「マスター・ウルトラスリム・デイト」は、バーインデックスを細く長くすることで、放射状に光を反射するダイヤルのサンレイ仕上げをさらに際立たせている。ビジネススーツに似合う現代的なセンター3針モデルだが、6時位置に小秒針を備えたクラシカルなスタイルの「マスター・ウルトラスリム・スモールセコンド」も併せてラインアップしている。
![400_FRONT_1815349](http://p.potaufeu.asahi.com/9eb0-p/picture/15157341/5cb4f7c30de7cb725246b6382b452ecb.jpg)
Ladies' Watch Information for Gentlemen
●紳士も知っておきたい淑女の時計
気品ある角形「レベルソ」をリニューアル
腕に着けたままでケースを反転できる「レベルソ」は、ジャガー・ルクルトが1931年に製品化した代表的なロングセラー・コレクション。メンズ、レディースともに幅広いバリエーションがあり、腕もとに上質の気品を加える角形モデルとして人気が高い。今年はレディースの「レベルソ・クラシック」に限ってデザインなどが改定された。ダイヤル中心部の仕上げを、クオーツモデルはフラットなオパーリン、手巻きムーブメントの搭載モデルはサンレイ・ギョーシェ彫りとして統一。また、これまで内側に向けていた台座をフラットにして、着用時の外観がより薄く感じられるよう微妙にリニューアルしている。
![400_FRONT_1810874](http://p.potaufeu.asahi.com/b9f7-p/picture/15157339/081008b1275f77c58c8a94374cd1e5d6.jpg)
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
問/ジャガー・ルクルト 0120-79-1833
プロフィル
笠木恵司(かさき けいじ)
時計ジャーナリスト。1990年代半ばからスイスのジュネーブ、バーゼルで開催される国際時計展示会を取材してきた。時計工房や職人、ブランドCEOなどのインタビュー経験も豊富。共著として『腕時計雑学ノート』(ダイヤモンド社)。