腕時計

SIHH2019 ジュネーブサロン・リポート
ジラール・ペルゴ

2019.02.26

SIHH2019 ジュネーブサロン・リポート<br>ジラール・ペルゴ

高級時計の新作がいち早く出そろう、毎年恒例の国際展示会・SIHH(ジュネーブサロン)がスイスで1月14日から17日まで開催された。ラグジュアリー感あふれる落ち着いた雰囲気の会場に、約2万3000人が来訪したという(主催者発表)。このSIHH2019から、主要ブランドの動向と、魅力的な新作をピックアップして紹介する。

ブルーのグラデーションが印象的な「ロレアート」の進化形

近年は高級スポーツコレクション「ロレアート」のバラエティを拡大してきたジラール・ペルゴだが、今年は「アース・トゥ・スカイ」をテーマとして、老舗マニュファクチュールの底力を見せつける意欲的な新作が発表された。地球から神秘的な宇宙空間を見つめる壮大なテーマであり、これを象徴的に表現したハイエンドモデルがトゥールビヨン搭載の「ブリッジ コスモス」(トップ画像)。2つの球体を備えており、右側では地球のミニチュアが回転。刻々と変わる世界の時間帯が分かる。左側は地球から見える夜空をモニター。星占いに登場する12星座の動きを表現する。久々に登場したダイナミックな超複雑時計だ。

ジラール・ペルゴを代表するアイコンとなった「ロレアート」でも、よりスポーティな進化形モデルが追加された。その名称も、絶対、究極などを意味する「ロレアート アブソルート」。ケースをブラックPVDのチタンにして軽量化したほか、防水性も300mにアップ。ケースと完全に一体化したラバーストラップの組み合わせが高い機能性を感じさせる。カラーリングも独特であり、ベゼルと風防の境目を明るいブルーにしているほか、ダイヤル中央はダークブルーでも外周になるとブラックに変化するグラデーション。都会的でスタイリッシュなフォルムに強靱な精悍さを加えたシリーズといえるだろう。

新素材でもカーボンとグラスファイバーを組み込んだ「カーボングラス」を独自開発。均質な構造なので密度も高く、完璧な防水性が確保できるという。スチールに比べて100倍の硬度を持つことも際立った特長。この新素材をケースにした「ロレアート アブソルート クロノグラフ」が特別プレビューとして発表された。

ちなみに、ブルーは「アース・トゥ・スカイ」のイメージカラーであり、エレガントな3針モデルの「1966」も、前述の「ブリッジ コスモス」にしても、新素材「カーボングラス」でさえ色あいは異なるが共通している。コンセプトの統一と、それに連動したカラーリングが、これからのジラール・ペルゴのスタイルになっていくかもしれない。

400-491-FH78
「ロレアート アブソルート」。ベーシックな3針モデル。赤い秒針が印象に残るアクセント。自動巻き(GP03300-1060)、パワーリザーブ約46時間。ケースはチタン、直径44㎜。300m防水。\1,090,000(税抜き予価)。8月発売予定。
400-491-FH6A
「ロレアート アブソルート WW.TC」。時差の異なる世界24都市の時間帯を表示するワールドタイマー。昼夜をホワイトとブラックで色分けしている。自動巻き(GP03300-1056)、パワーリザーブ約46時間。ケースはチタン、直径44㎜。300m防水。\1,470,000(税抜き予価)。8月発売予定。

Ladies' Watch Information for Gentlemen
●紳士も知っておきたい淑女の時計
個性的なオーバルシェイブの女性用自動巻き

ジラール・ペルゴの「キャッツアイ」は、自動巻きムーブメントを搭載したレディス専用モデルとして2005年に発表された。まさに「猫の眼」のように横長のオーバルシェイブが個性的だ。ダイヤルのスモールセコンドから針を取り去り、そのかわりに小さな花をアレンジした「キャッツアイ プラム ブロッサム」が今年発表された新シリーズ。9時位置に配された五弁の花柄のモチーフが、機械式特有の細かな動きで1分間に1回転する。可愛さだけでなく、現代女性の生き生きしたエネルギーも表現しているという。

400_WhiteMOP
「キャッツアイ プラム ブロッサム」。ホワイトMOP(マザー・オブ・パール)のダイヤルに、同色のストラップを合わせた清新なモデル。ケースの周囲には62個のブリリアントカットダイヤモンド(約0.85カラット)。自動巻き(GP03300-0149)、パワーリザーブ約46時間。ケースはステンレススチール、サイズ35.40×30.40㎜。\1,640,000(税抜き予価)。5月発売予定。

掲載した商品はすべて税抜き価格です。

問/ソーウインド ジャパン 03-5211-1791

プロフィル
笠木恵司(かさき けいじ)
時計ジャーナリスト。1990年代半ばからスイスのジュネーブ、バーゼルで開催される国際時計展示会を取材してきた。時計工房や職人、ブランドCEOなどのインタビュー経験も豊富。共著として『腕時計雑学ノート』(ダイヤモンド社)。

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