週末の過ごし方

焦がした香ばしさも味つけのひとつ「菜の花のソテー」
[長尾智子 料理の歳時記]

2019.03.19

焦がした香ばしさも味つけのひとつ「菜の花のソテー」<br>[長尾智子 料理の歳時記]

食材は旬の時期に味わうのがいちばん。出盛りの食材をいかにおいしく料理するか。料理研究家の長尾智子さんに教えていただきます。

春の食材「菜の花」

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アブラナ科の花野菜の代表格。食用の菜の花としては、さまざまなアブラナの品種があり、「菜花」「花菜」などと呼ばれる。同じ仲間に菜種油用の品種も。2月〜3月が旬。蕾の時期しか食べられない旬の短さからくるぜいたく感と、独特のほろ苦さで近年とても人気が高い。カリウム、鉄分などのミネラルが豊富で、ビタミンCはほうれん草の3倍以上、β−カロチンはピーマンの5倍と、栄養価に優れている。与謝蕪村の俳句、「菜の花や 月は東に日は西に」は、菜種油用の菜の花畑を詠んだものと思われる。

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      「菜の花は束ねてあれば、葉を元に戻して水に漬け、のびのびと解放してあげてしゃきっとさせること。仕上がりにかなりの差が出ます。にんにくは、皮をむかずに串で穴をあけることで、風味だけを取り込みます。やや強めの火加減を保って、水気を出さないようにこんがりと焼き上げましょう。焦げたような香ばしさも、味つけのひとつです。シンプルな料理だからこそ、ひとつひとつのプロセスを丁寧に行いましょう」

      <材料 約4人分>  
      菜の花 2束
      にんにく 1片
      塩 少々
      オリーブ油 約大さじ2
      カマンベールチーズ 1個

      <作り方>
      1.菜の花は洗ってから、ボウルに入れて葉がしっかり漬かるように水を注ぎ、4〜5分おく(葉の部分を折って束ねてあるものなら、葉を広げる)。キッチンペーパーに包んで、菜の花の水気をしっかり切る。根元の固い部分を切り落とし、茎と葉、花がついた部分に切り分ける。

      2.にんにくは皮付きのまま、竹串などで穴を4〜5か所あける。

      3.フライパンにオリーブ油とにんにくを入れ、軽く塩を振って中火にかける。油が温まってきたら菜の花の茎の部分を入れ、ざっと混ぜる。次に残りを上に全部のせ、ごく軽く塩を振ってふたをのせる。

      4.3の状態で2分ほど焼き、茎に火を通す。トングなどで上下を入れ替えながら混ぜる。焦げ目がつくくらいしっかり焼きつけ、火を止める。器に盛り、切り分けたカマンベールやパンを添える。

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      「料理の歳時記まとめ」はこちら

      プロフィル
      長尾智子(ながお・ともこ)
      フードコーディネーター。レシピのみならず、調理道具、器、食文化全体を大きくとらえた独自の世界観が、性別を問わず支持を集める。「食べ方帖」(文化出版局)など著書多数。新刊は、お茶とお菓子、お酒と肴(さかな)を一冊にまとめた「ティーとアペロ」(柴田書店)。
      vegemania.com

      Photograph : Masanori Akao
      Food Coorditate : Tomoko Nagao
      Edit : Mika Kitamura

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