週末の過ごし方

春の常備菜にもなる「菜の花みそ」
[長尾智子 料理の歳時記]

2019.03.28

春の常備菜にもなる「菜の花みそ」<br>[長尾智子 料理の歳時記]

食材は旬の時期に味わうのがいちばん。出盛りの食材をいかにおいしく料理するか。料理研究家の長尾智子さんに教えていただきます。

春の食材「菜の花」

アブラナ科の花野菜の代表格。食用の菜の花としては、さまざまなアブラナの品種があり、「菜花」「花菜」などと呼ばれる。同じ仲間に菜種油用の品種も。2月〜3月が旬。蕾の時期しか食べられない旬の短さからくるぜいたく感と、独特のほろ苦さで近年とても人気が高い。カリウム、鉄分などのミネラルが豊富で、ビタミンCはほうれん草の3倍以上、β−カロチンはピーマンの5倍と、栄養価に優れている。与謝蕪村の俳句、「菜の花や 月は東に日は西に」は、菜種油用の菜の花畑を詠んだものと思われる。

「ふきみそならぬ“菜の花みそ”。ふきのとうとは違う、ほのかな苦みがオツ。お酒にも合うし、ご飯のお供にも。塩分量の高いみそなら、塩を加えずに菜の花を炒めるといい。くるみの代わりに炒りごまを加えても。よく煮詰めているので、冷蔵庫で2週間程度なら保存できます。春の常備菜にぜひ」

<材料 作りやすい分量>
菜の花 1束
くるみ 4個分
赤みそ 大さじ山盛り2
みりん 大さじ2
しょうゆ 大さじ1
ごま油 小さじ2
塩 少々
赤唐辛子粉 小さじ1/4
大根 長さ2〜3cm

<作り方>
1.菜の花は洗ってから、ボウルに入れて葉がしっかり漬かるように水を注ぎ、4〜5分おく(葉の部分を折って束ねてあるものなら、葉を広げる)。菜の花がしゃきっとしたら水気を切り、半量をまな板にのせて端から細かく刻んでいく。縦横に角度を変えて細かく刻んでおく。

2.赤みそをボウルに入れてみりん、しょうゆ、赤唐辛子粉を加えて練り合わせる(固ければ、水少々を加えれば扱いやすくなる)。くるみはみじん切りにする。

3.鍋に菜の花を入れ、ごま油と塩を振ってざっと混ぜて中火にかける。木べらなどで混ぜながら炒め、しんなりしたら2の練ったみそを加える。くるみも加え、少し火を弱めて混ぜながら水気を飛ばして煮詰める。鍋肌が少し焦げはじめたらこそげ取るようにして混ぜて火を止める。

4.2の粗熱を取り、食べる分だけ取り分けて残りは保存瓶などに詰める。大根を皮をつけたままスライサーで薄切りし、菜の花みそと器に盛り合わせる。大根に少しのせて食べる。

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「料理の歳時記まとめ」はこちら

プロフィル
長尾智子(ながお・ともこ)
フードコーディネーター。レシピのみならず、調理道具、器、食文化全体を大きくとらえた独自の世界観が、性別を問わず支持を集める。「食べ方帖」(文化出版局)など著書多数。新刊は、お茶とお菓子、お酒と肴(さかな)を一冊にまとめた「ティーとアペロ」(柴田書店)。
vegemania.com

Photograph : Masanori Akao
Food Coorditate : Tomoko Nagao
Edit : Mika Kitamura

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