旅と暮らし

マンダリン オリエンタル ホテル グループのディレクターに聞く
ビジネスパーソンのためのラグジュアリーホテルとは

2019.04.02

マンダリン オリエンタル ホテル グループのディレクターに聞く<br>ビジネスパーソンのためのラグジュアリーホテルとは

現在、23の国と地域において、33軒のホテルと6軒のレジデンスを運営する「マンダリン オリエンタル ホテル グループ」。フラッグシップホテルの「マンダリン オリエンタル 香港」を筆頭に、歴史的に名高いバンコク、欧米のパリやニューヨーク、さらに2019年はドバイや北京にもオープンしたことで話題を呼んでいる。アジアにルーツを置くホテルグループが、世界中のセレブリティーとビジネスパーソンに愛される理由はどこにあるのか。アジア太平洋地区マーケティング・コミュニケーション・ディレクターを務める、シヴォーン・リーチ氏に話を伺った。

── 数あるラグジュアリーホテルがあるなかで、「マンダリン オリエンタル ホテル グループ」ならではの特徴や考え方を教えてください。

「世界中の『マンダリン オリエンタル』を構成する4つの柱があります。まずは美しい建築とデザイン。そして革新的なダイニング。さらに充実したスパ・ウェルネス。そしてそれらを支える卓越したサービスです。その柱をもとに、ひとつひとつのホテルを『センス・オブ・プレイス(立地する土地柄と文化に敬意を表するホテルづくり)』で表現するのが私たちの考え方です。いま、33軒のホテルを運営していますが、うち16軒で23個ものミシュランの星を獲得。さらに13のスパがアメリカのフォーブス・トラベルガイドの5つ星を取得しています。これはほかのホテルグループと比べても圧倒的な数字であり、私たちが評価されている証しだと考えています」

 500_MOTYO-LOBBY_East
マンダリン オリエンタル 東京

──「マンダリン オリエンタル 東京」は開業から14年が経ち、2020年には15周年を迎えようとしています。これまでの変化とこれからの進化について、どうお考えですか?

「ここ数年で人々の価値観は大きく変化しました。いまは日本橋の街を探索したり、その土地に根付く文化に触れたりなどの体験パッケージを好むゲストが増えています。ここ日本橋はビジネス街でありながら、裏道に入れば老舗の商店が佇むなど、近代的な側面と歴史的文化の両方を味わえるのが魅力。その多様性と街の活気を堪能していただけるよう、常に趣向を凝らしたサービスを提供しています。さらにこれからは、“喜び”を超えて“驚き”を提供していきたい。そこで私たちが大切にしているのが“パーソナライズ”です。接待が多い方ならそのコーディネートを、さらに同行する奥さまがファッションをお好きなら、現地でのショーのお席をお客さまに代わって手配をするなど、個人の嗜好を取り入れて、ご滞在の時間をよりユニークなものにブラッシュアップして提供したいと考えています」

── ビジネスパーソンに向けたサービスはどんなものがあるのでしょうか。

「海外出張が多いビジネスパーソンは、滞在がモノトーンで画一的なものに陥ってしまいがちです。そこで私たちが提供しているサービスを3つ紹介しましょう。まずひとつは『Fans of M.O.』。これはお客様の趣味や嗜好を登録いただくことで、ゲスト一人ひとりに合わせた最大限に快適な滞在をお届けすることができるプログラム。加入頂いたお客様には、高速Wi-Fi、お部屋のアップグレードを含む滞在中に2つの素敵な特典をお楽しみいただけます。ぜひご入会ください。ニつ目は先ほど申し上げた“パーソナライズ”です。予約が取れないレストランや現地での特別な体験をお客様の代わりに手配しますので、頼りにしてほしいですね。三つ目は、ミーティングプログラムの提供です。会議を行うビジネスパーソン向けに、昨年『マインドフル・ミーティング』というプログラムの案内を開始いたしました。これは業界で初めてウェルネスの要素を採り入れたもの。会議室にランニングマシーンやヨガマット、ストレッチポールを設置するほか、手足を震わせるシェイクセッション、デジタルデトックスとしてスマートフォンをしまっておくポーチを渡す、世界中で少しずつ認知されて予約が増えているオリジナルのプログラムです」

 1050_0U5A5641

──最後に、国内国外を含めた、今後の展望についてお聞かせください。

「当ホテルグループのCEOが開発に大変注力しており、日本が彼の好きなデスティネーションです。日本国内でもプロジェクトが進行しており、正式にお伝えできるまで楽しみにしていてください。世界を見渡すと、2019年は2月に『マンダリン オリエンタル ジュメイラ ドバイ』、3月に『マンダリン オリエンタル 王府井 北京』『マンダリン オリエンタル ドーハ』、続いて春には『マンダリン オリエンタル レイク コモ』が開業します。さらに2022年に向けて、多くのホテルとレジデンスがオープンする予定です。私たちはアジアにルーツを置くホテルグループとして、世界中できめ細かで温かなサービスを提供していきます。日本のビジネスパーソンにこそご満足いただけるものと自負していますので、ご滞在いただくことを心待ちにしています」

  •  1050-Jumeira,-Dubai---Lobby-(L)
    マンダリン オリエンタル ジュメイラ ドバイ
  •  1050__Mandarin-Oriental-Wangfujing,-Beijing
    マンダリン オリエンタル 王府井 北京
  • 1050_Lake-Como
    マンダリン オリエンタル レイク コモ
  •  1050_Mindful-Meeting-Yoga_2

<今後の開業予定ホテルの一例>
「マンダリン オリエンタル サイゴン」(2020年・ベトナム)
「マンダリン オリエンタル マスカット」(2021年・オマーン)
「マンダリン オリエンタル グランドケイマン」(2021年・イギリス領ケイマン諸島)
「マンダリン オリエンタル プーケット」(2022年・タイ)

<プロフィール>
シヴォーン・リーチ
2017年より、マンダリン オリエンタル ホテル グループのアジア太平洋地域におけるブランド認知度向上に向けた広報活動を監督する、アジア太平洋地区マーケティング・コミュニケーション・ディレクターに従事。同ホテルグループのキャリアを「マンダリン オリエンタル ロンドン」にてスタートさせ、その後「マンダリン オリエンタル 香港」の改装期間中のコミュニケーション部門の全体指揮を執る。さらにイギリス系プライベートコンシェルジュ会社「クインテッセンシャリー・グループ」のコミュニケーション部門マネージングディレクターを務め、いくつもの起業家のコンサルティング経験を有する。イギリス教育を受け、ホテルマネージメントにおける理学の優等学位を取得。香港永住者。

マンダリン オリエンタル ホテル グループ

問/マンダリン オリエンタル ホテル グループ 日本リザベーションオフィス 0120-663-230

Photograph:Makiko Doi
Text:Maho Honjyo

あなたへのおすすめ

トレンド記事

  1. 折りたたみ自転車が新たな境地に!<br> 「Brompton G Line」という革命。

    折りたたみ自転車が新たな境地に!
    「Brompton G Line」という革命。

    週末の過ごし方

    2025.12.01

  2. 西新橋「栄雅」の熱々餃子でエネルギーチャージ<br> 年末も走りつづけるマッチから目が離せない!<br> マッチと町中華。【第29回】

    西新橋「栄雅」の熱々餃子でエネルギーチャージ
    年末も走りつづけるマッチから目が離せない!
    マッチと町中華。【第29回】

    週末の過ごし方

    2025.11.28

  3. “クラフトビール沼”へようこそ!【第6回】<br>通もにやける、いま飲むべき1本を紹介。<br>「NOMCRAFT Brewing/NOMCRAFT IPA」

    “クラフトビール沼”へようこそ!【第6回】
    通もにやける、いま飲むべき1本を紹介。
    「NOMCRAFT Brewing/NOMCRAFT IPA」

    お酒

    2025.11.27

  4. AOKI銀座本店で体験する、<br>イタリア生地の至宝「REDA」

    AOKI銀座本店で体験する、
    イタリア生地の至宝「REDA」

    スーツ

    2025.12.02

  5. 上白石萌歌、加賀の「時間旅行」へ。<br>界 加賀で、北大路魯山人の〝粋〟に触れる[前編]

    上白石萌歌、加賀の「時間旅行」へ。
    界 加賀で、北大路魯山人の〝粋〟に触れる[前編]

    特別インタビュー

    2025.11.26

紳士の雑学