旅と暮らし
バルセロナのフードトリップに最適なホテルを、
周辺グルメと併せて一挙公開!
2019.03.29

Mandarin Oriental,Barcelona
(マンダリン オリエンタル バルセロナ)
バルセロナ/スペイン
初めてバルセロナへ行く人におすすめのロケーション
いつ大好きなスペインに行けなくなる状況になるかわからない。そう思って年4回のペースでスペインに通うここ数年(あれ? 状況が何も変わらずけっこう行ける)。いっそ1年くらい住んでしまいたいと思う今日このごろです。なかでも常にひかれるのがバスク州とカタルーニャ州。そこで今回はカタルーニャ州の中枢、バルセロナのホテルについて紹介します。
世界有数の観光都市バルセロナには1500軒以上ものホテルがありますが、最近泊まって文句なしの条件だったが「マンダリン オリエンタル バルセロナ」。まずポイントが高いのがそのロケーションです。

街の中心を貫くグラシア通りに面し、空港からのバスが行き来するカタルーニャ広場からも徒歩3分。さらに、1ブロック先にはガウディの名作「カサ・バトリョ」が見え、同じくガウディ作の「カサ・ミラ」は4ブロック先。さらに、後述しますが、徒歩5〜15分のエリアにいいレストランが集中している! 美食の行き帰りにガウディを見るという最高の流れが実現します。
オープンが2009年と知ってびっくり。白を多用した内装や床もインテリアも、よほど丁寧な手入れがされているのか、もう少し新しい印象を受けるのです。元は銀行だった建物をホテルに改装。超一等地に、11カテゴリーもある28室のスイートを含む計120室を展開しています。
ホテルにいるだけで、おいしさに満たされる
さて、ホテル内にて「ここでの時間は欠かせない!」という場所がバー&ダイニングで5カ所あるので紹介。開業時に食に力を入れると決めたのか、全店舗レベルが高いです。
①二つ星レストラン「MOメント」

年の10月に30年の歴史に幕を降ろしたレストラン「サンパウ」の女性シェフ、カルメ・ルスカイェーダさんとその息子さんが腕を振るうファインダイニング。東京・日本橋に姉妹店のある「サンパウ」は長きにわたり三つ星に輝いていましたが、こちらでは二つ星を獲得。進化系カタルーニャ料理を楽しめます。

コース「Opera Moments」はひと皿めからいきなり名物が登場し、高揚のスイッチを入れられること間違いなし。それは「LICEU」という名の料理で、黄金に彩ったカタルーニャ流ビスケットに鱈(たら)のムースを挟み、トマトスープの上に橋のようにかけたもの。もしもバルセロナに着いて初めての食事となれば、美食都市の底力を早々に感じるでしょう。
②オールデイダイング「ブラン」

朝食の場所ともなる「ブラン」は、空間を囲む白い飾りがなんとも印象的。昼には七宝焼きにも似た文様が日の光に照らされて影を作り、飽きずに見入ってしまいます。また夜にはシャンデリアや照明が美しく、グラスにワインが入っているだけでテーブルが絵になる。こちらは「MOメント」よりはカジュアルですが、同じく新しいスタイルのカタルーニャ料理を提供。

朝食ではケーキや焼き菓子が充実しており、目移りした結果つい食べすぎてしまう危険な場所です。
③ルーフトップラウンジ「テラット」

最高のロケーションをより満喫できるのが、ルーフトップにあるプール。バルセロナの街を三百六十度見渡し、プールサイドでカクテルや食事を楽しめます。しかもその食事というのがペルーのスターシェフ、ガストン・アクリオがプロデュースしたメニューとあって、このホテルはどこまでも美食三昧!
④カクテルバー「バンカーズ バー」

元銀行だった建物にちなみ、バーの名前も「バンカーズ バー」。入り口と天井に銀行のセキュリティボックスがあしらわれ、シグネチャーカクテルは“バンカーズ マティーニ”。元銀行というテーマを感じられつつ、カクテルのセンスも抜群です。また、カクテルのほか、じつはサルモレホ(トマトの冷製スープ)もかなりおいしい。木〜土は夜中3時まで営業しているので、夜遊びの締めに行くももちろんよし。
さらに、4月から営業開始となるMimosa gardenは、バルセロナの夏を満喫するのに最高のスポットです。
歩けば美食にあたる。周辺のレストランも見逃せない!
ホテル内は美食にあふれていますが、周辺もいい店がいっぱい。特に徒歩圏内に私のお気に入りの店が並んでいました。以下、Googleマップのハートマーク&赤線がおすすめの5軒。さくっと紹介します。

Lasarte(ホテルから徒歩約5分)

自身が手がける店のミシュランスターの合計が10というスターシェフ、マルティン・ベラサテギのバルセロナのお店。三つ星です。本人は基本バスクのお店にいますが、店を任されているパオロさんも一目置かれるシェフ。こういう店で食べるパラモスの海老は至福の一品だなと前回感じました。
Restaurant Xavier Pellicer(ホテルから徒歩約7分)

私、この店のシェフのハビエルさんのファンです。前のお店からいなくなったと思ったら、自身の名前のままのレストランを2018年の5月にオープンさせていました。おいしい野菜料理を食べるならここです。ハイテクなマシンでふわっと滑らかに仕上げたカリフラワーや、ビーツのガスパチョなどがおすすめ。
Gresca(ホテルから徒歩約12分)

右がコース料理を出すレストラン、左がカジュアルなワインバルとふたつの施設をもつ店ですが、最近は左のバルにばかり行ってしまいます。アンチョビやカジョス(スペイン版もつ煮込み)、自家製パンとブラータのピザなど、延々と食べていたい。ここでは人生初、食後によだれが出ました。ワインもナチュールでいい感じ。もし空いていたらカウンター席がベスト!
Mont Bar(ホテルから徒歩約10分)

20代の若手女性シェフが繰り広げる、ファインダイニングでも出そうな料理を気軽に味わえる店。内装も料理もおしゃれで、デートで行ったら間違いない場所です。柚子のフォームをかぶせたストラッチャテッラ(チーズ)、トマト、ピスタチオが入った料理が美しくて、かつ最高のバランス。
Topik Restaurant(ホテルから徒歩約10分)

気軽にカタルーニャ近郊のシーフードを食べるならこちらへ。むきたての牡蠣(かき)や塩で焼いただけの海老、トロをのせたウニなど、ワインのあてになる海の恵みがいっぱい。ウニのリゾットにはとんでもない量のウニが入っています。ちなみにオーナーシェフは日本で働いていたことがある親日家。日本酒の大好きな方です。
ちなみに20分歩けば、いまバルセロナで最も予約が取れない店「DISFRUTAR」へもたどり着きます。その30秒手前に「Mercat del Ninot」という地元民愛用のマーケットがあるので、行くのもいいでしょう。
エレガントで機能的な客室も申し分なし
こちらはグラシア通りに面する「デラックス ブルバード ルーム キング」のベッドルーム。 グラシア通りを見渡すバルコニーのついた「デラックス ブルバード ルーム キング」のリビング。
こうして存分に食べてホテルに戻ったら、ベッドのシーツがピシッと張られていて(ヨーロッパでは珍しいほどにきれい!)、クローゼットには浴衣まである。浸かりやすい深めのバスタブもありがたく、このホテルには日本人に優しいディテールがそろっています。

部屋によってはグラシア通りを一望し、ガウディのカサ・バトリョを窓から眺められる。スペインのおいしいものに囲まれて、街の活気とアイコン建築もすぐ隣。「マンダリン オリエンタル バルセロナ」を拠点にすれば、初めてのバルセロナでも、すぐにこの街が好きになる。そんな気持ちにさせてくれるホテルなのです。

https://www.mandarinoriental.co.jp/barcelona/passeig-de-gracia/luxury-hotel
問/マンダリン オリエンタル ホテル グループ 日本リザベーションオフィス 0120-663-230
プロフィル
大石智子(おおいし・ともこ)
出版社勤務後フリーランス・ライターとなる。男性誌を中心にホテル、飲食、インタビュー記事を執筆。ホテル&レストランリサーチのため、年に10回は海外に渡航。タイ、スペイン、南米に行く頻度が高い。最近のお気に入りホテルはバルセロナの「COTTON HOUSE HOTEL」。Instagramでも海外情報を発信中。