腕時計
バーゼルワールド2019 リポート
ブルガリ
2019.05.28
1月のジュネーブサロン(SIHH)に続いて、バーゼルワールド2019がスイスで3月21日~26日に開催された。時計はもちろん、宝飾系ブランドも新作を披露する大規模な国際展示会だが、今年はオメガなどが属するスウォッチグループが不参加。その影響もあって出展社数は減少したが、会場は例年同様の活気が感じられた。スウォッチグループはブランド独自に新作を発表しているので、それらも含めて注目モデルをピックアップする。
5度目の世界記録!
史上最薄の自動巻きクロノグラフ
イタリアを代表する世界的なラグジュアリーブランドであり、女性にはおなじみの存在だが、近年は機械式時計でハイレベルな技術を追求。八角形をモチーフとする個性的なモデル「オクト フィニッシモ」において史上最薄を連発する快進撃を続けてきたが、今年も機械式クロノグラフで5度目の世界記録を樹立した。
ちなみに、2014年のトゥールビヨンを皮切りとして、16年はミニッツリピーター、翌17年も自動巻きで究極の薄さを実現。昨年も自動巻きトゥールビヨンでムーブメント厚が1.95㎜(ケース厚3.95㎜)という世界最薄を達成している。それに続く今年のクロノグラフは、ムーブメントが3.3㎜の超極薄であるだけでなく(ケース厚は6.9㎜)、3時位置のサブダイヤルで第2時間帯を24時間表示するGMTになっている。日本時間にセットしておくと、時差のある海外で便利。現地時間は、9時位置のボタンでセンターの時針をセットできる。
クロノグラフは6時位置に30分積算計を配置した2レジスターで、9時位置はスモールセコンド。チタン製のケースとブレスレットによる軽量感もあって、皮膚の一部になったような心地よさを覚える。ケースに埋め込まれたリング状のペリフェラルローターの回転でゼンマイを巻き上げる自動巻きだ。
オクトのコレクションに新しく追加された「オリジナーレ」は、ラバー製ストラップとコンビネーションしたスポーツライン。DLC加工でステンレススチールの表面を炭素皮膜で硬化したブラックのハードボイルドな雰囲気に、18Kピンクゴールド製ケースが官能的なつやっぽさを感じさせる。12時間と30分積算計を備えた機能的なクロノグラフと、シンプル&ベーシックがスタイリッシュなセンター3針の2モデルがある。
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
問/ブルガリ ジャパン 03-6362-0100
プロフィル
笠木恵司(かさき けいじ)
時計ジャーナリスト。1990年代半ばからスイスのジュネーブ、バーゼルで開催される国際時計展示会を取材してきた。時計工房や職人、ブランドCEOなどのインタビュー経験も豊富。共著として『腕時計雑学ノート』(ダイヤモンド社)。