腕時計
バーゼルワールド2019 リポート
ブライトリング
2019.05.30
1月のジュネーブサロン(SIHH)に続いて、バーゼルワールド2019がスイスで3月21日~26日に開催された。時計はもちろん、宝飾系ブランドも新作を披露する大規模な国際展示会だが、今年はオメガなどが属するスウォッチグループが不参加。その影響もあって出展社数は減少したが、会場は例年同様の活気が感じられた。スウォッチグループはブランド独自に新作を発表しているので、それらも含めて注目モデルをピックアップする。
ローマ数字のインデックスに、
ライダータブを備えた日本限定モデル
ブライトリングは、パイロットウオッチのトップブランドであり、時計を「腕に着ける計器」と標榜する硬派で知られてきた。昨年はスタイリッシュな新コレクション「ナビタイマー 8」がデビュー。新たな展開も始まったが、毎年恒例の日本限定モデルは、ブランドのフラッグシップである「クロノマット」誕生35周年を記念して、これまでの魅力を凝縮した特別仕様となっている。
「クロノマット JSP ローマン インデックス リミテッド」は、ライダータブを備えた回転ベゼル(逆回転防止機構付き)を採用。さらに大型のローマ数字インデックスが際立った特徴だ。ライダータブは、回転ベゼルの4カ所に設置された大型のマーカーであり、パイロットがグローブを着けたままでも操作しやすいだけでなく、風防ガラスを衝撃から守る役割も持つ。イタリア空軍アクロバット飛行チームからさまざまなアドバイスを得て1984年に誕生した初代モデルから続くシンボルだ。2009年から滑らかなスタイルに変更されたが、ファンの根強い要望で2017年の日本限定モデルで復活。今回の新作でもそれが継承されたことになる。
ダイヤルのローマ数字も、バーインデックス主体の「クロノマット」では異色だが、1996 年の「クロスウィンド」に由来する。ムーブメントは自社開発の「キャリバー01」。針飛びの恐れがない垂直クラッチ式クロノグラフで約70時間のロングパワーを誇る。いわば35年間の特徴的な歩みを網羅したと言っても過言ではないだろう。
もうひとつの「クロノマット JSP」の新作は、ダイヤルに淡い虹色の光沢がエレガントなブラックsのMOP(真珠母貝)を採用。このMOPに昨年はローマ数字を組み合わせたが、今年はバーインデックスを採用してスポーティーに仕上がっている。
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
問/ブライトリング・ジャパン 03-3436-0011
プロフィル
笠木恵司(かさき けいじ)
時計ジャーナリスト。1990年代半ばからスイスのジュネーブ、バーゼルで開催される国際時計展示会を取材してきた。時計工房や職人、ブランドCEOなどのインタビュー経験も豊富。共著として『腕時計雑学ノート』(ダイヤモンド社)。