スーツ

スーツの種類|生地やボタンからスーツを選ぶ(スーツの基本 第1回)

2019.05.29

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いよいよ6月。新生活にもようやく慣れてきたフレッシュマンも多いのでは。ついつい気も緩みがちになる季節だからこそ、改めてスーツの基本の「き」からおさらいして、もう一度身だしなみを見直しましょう。ベテラン選手には釈迦に説法かもしれませんが、ご傾聴を。「これまで人には聞けなかった」なんて、新たな発見があるかも。今回は、スーツの種類について解説します。

シングルとダブルの違いって?

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スーツと一口にいってもさまざまな種類がありますが、本企画では、基本としてジャケットの合わせの仕立てよる分類をお伝えします。俗に言う「シングル」スーツと「ダブル」スーツです。

<シングルスーツ/左>
正式には「single breasted suits」といい、ジャケットの打ち合わせのボタンが一列となるスタイル。3ボタンや2ボタンが主流で、ビジネスでの着用ではこちらが推奨されます。フォーマルでは1ボタン、カジュアルでは4ボタン以上のものもありますが、正統感を求められるビジネス服では不向き。最初の1着にはシングル3ボタンが無難でしょう。

<ダブルスーツ/右>
一方で、ダブルスーツ=「double breasted suits」は、ジャケットの打ち合わせのボタンが2列となったもの。軍用服や乗馬服にルーツを持ち、かつてはスポーティで機能的な仕様でしたが、時代の変遷によってクラシカルで重厚なイメージに。ただ服装が多様化する現代、個性演出を考慮に入れるなら選択肢に入るでしょう。4ボタンや6ボタンが主流。上級者向けといえます。

ツーピースとスリーピースの違いについて

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スーツとは揃い服を意味します。つまり、同じ生地を用い、1セットお揃いで仕立てた注文服時代の呼称の名残。揃い服の点数によって大きく分けてツーピース、スリーピースと、種類を分けることができるのです。与える印象も変わるため、意識して選ぶとよいでしょう。

<ツーピーススーツ/左>
ジャケットとパンツの2点からなるツーピーススーツは、現代の主流。共布のベストを持たないぶん、着こなしに自由が生まれます。一般にスリーピースに比べてVゾーンは広く映ります。スーツ生地に合わせたシャツ&タイを選ぶとお洒落効果もアップ。また、別布ないしはニットのベスト(オッドベスト)を挟むことで、あえてスリーピースライクに装ってみても楽しいでしょう。

<スリーピーススーツ/右>
本来スーツの正統は、ベストも加わったスリーピース。その古から続くスタイルは、クラシカルな雰囲気がその持ち味。揃いのアイテムが増えるぶん、ツーピースに比べて引き締まって映ります。結果、Vゾーン面積は小さくなるため、少々装飾感の強いシャツやタイでも、いいアクセント役に。いずれにしても、スーツでの装いを独自に楽しむことができる上級者向けであることに間違いなし。

印象が大きく変わるボタンの数の違いについて

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    シングル2ボタン
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    シングル3ボタン
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    ダブル4ボタン
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    ダブル6ボタン

ジャケットのフロントボタンは、単純に開閉という機能面だけでなく、見かけ上の印象にも大きく左右することを知っておきましょう。前述したとおり、シングルとダブルにもそれぞれボタン数によって与える印象の違いが生じます。

<シングル3ボタン/右上>
シングルスーツにおいて最もベーシックなものが3ボタン。3つのうち、上2つを留めるタイプは、アメリカンなデザインを志向するモデルに多く見られます。ラペル(下襟)の折り返し位置が第1ボタンの上部にあるものが該当。
なお第1ボタンの下からラペルが折り返されているものは「段返り」と呼ばれ、第1ボタンは留めません。合わせは、基本的に中ボタンから裾に向かって開く設計となっているため、下のボタンはいずれの場合も留めないことを覚えておきましょう。

<シングル2ボタン/左上>
モードブランドのスーツによく見られる2ボタンの仕様。一般的にVゾーンが深くなり、シャープな印象を醸し出します。ラペル幅の細い都会的なスタイルが多い傾向。こちらも下のボタンは留めません。

<ダブル6ボタン/右下>
2列3つずつボタンが配置されるダブルスーツのフロント。制服由来のディテールで、Vゾーンが狭く引き締まった印象に。上二つが左右に開き、機能を持たない飾りボタンとなる「スプレッドアウト」スタイルが多い。ボタンは中2つを留め、下一つは外すことも。

<ダブル4ボタン/左下>
一方、2列2つずつボタンが配置されるのがこちら。上二つの飾りボタンがないスタイル。基本は上二つを留めるが、まれに上二つが飾りボタンというデザインも存在。その場合は下二つを留める。6ボタンよりもソフトな印象に。

スーツの柄の種類は、どれだけ覚えればOK ?

1着目といえば、無難に無地を選びたくなるけれど、さすがに1着で日常の仕事を乗り切ることは不可能。となれば、2着目以降は柄も視野に入ることでしょう。ビジネスに向いた柄の種類もチェックして、スーツを見る目を養いましょう。

<ストライプ>

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最も基本的なスーツの柄。取り入れるだけで洒脱な雰囲気が加わります。ストライプ自体の幅、または、ストライプ同士の間隔が広くなるにつれ、重厚感が増加。写真はピンストライプ。ピンで打ったようなドットが縦に連なった控えめな柄の部類。

<チェック>

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ストライプに比べて装飾的で、遊び心を感じさせるのがチェック柄。英国伝統柄なので、選び次第ではクラシカルな印象にも。写真は、シンプルな縦横の格子柄からなるウインドーペーン。窓枠のような意匠からこの名称に。

<バーズアイ>

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鳥目柄。地色と異なる色味からなる無数のドットが鳥の目のように見えることから。遠目からは無地に見える奥ゆかしさが魅力。平板に見えがちな無地のスーツに立体感を与えてくれます。控えめな印象が美徳となるビジネスにおいては有用。

<ヘリンボーン>

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杉綾織りと呼ばれる柄で、英語が意味する「ニシンの骨」に似ているというのがその名の由来。遠目からはストライプに見える、いわゆる「シャドーストライプ」の一種。光の当たり具合でストライプが見え隠れする洒脱な雰囲気が醸せます。

スーツを知るほどこだわりたくなる生地の素材

柄とともに見た目に大きく影響を及ぼすのが、生地の素材です。一口にスーツといっても、通年着られるウールだけではありません。夏になれば、軽く通気性の高いものを、冬には起毛した保温力のあるものを、といった具合に、季節やTPOに合わせて素材を変えるのが、大人の嗜みといえるのです。そこで、主なスーツ素材を簡単に紹介します。

<ウーステッド>

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「梳毛」と呼ばれる毛織物で、主なウールのスーツ素材といえば、たいていがこのウーステッド。ニットなどでも見られる「紡毛」とは異なり、櫛で梳かしたようなクリアな表面感が特徴です。写真は、縮絨を施した梳毛素材で、若干毛羽立ちのある「ミルド・ウーステッド」。

<ウールモヘア>

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繊維長が羊毛よりも長いため、その光沢感が特徴となるのがモヘア。ウールとの混紡されることが多く、強度や通気性が保たれる。フォーマルシーンやパーティといった華やかなシーンでも活用したいドレッシーな素材の代表格です。ビジネスにおいては、レセプションなどの祝い事などに向くでしょう。

<フランネル>

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秋冬を代表する紡毛素材のひとつ。縮絨をかけることで生まれる毛羽立ちにより、見た目にも温もりが感じられます。とりわけグレーのフランネルは、重厚感と温かみから多くのエグゼクティブに愛用されています。冬用スーツとしてこの生地を選べたら、大きな一歩。

<コットン>

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冬を除くスリーシーズンで使えるのがコットン素材。普段服でおなじみのものですが、もちろんスーツにも応用可能。写真のコットン・ポプリンは、通気性や強度など、コットンの特徴を生かした平織り素材。独特の畝模様も装いに立体感を与える。主にベージュスーツでの需要が多い。

<リネン>

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夏素材の代表格がリネン。通気性や吸汗速乾性など、現代の機能素材に勝るとも劣らない天然素材ならではの高い機能性を持つ。一方で、着用すると必ず刻まれるシワがもたらす陰影が、季節ならではの趣を加え、風流にも見える上級者向けの素材。

まとめ

スーツのディテールにおける基本的な事項をまとめました。ビジネスで着用するには、不快感を与えないことが一番。その観点で、各ディテールの種類による特性を把握し、自分なりに少しずつスーツのお洒落を楽しんでみてはいかがでしょう。

①フロントデザインにも意味がある。最初の1着はシングル3ボタンから選んでみては。ベテランは、ダブルスーツやスリーピースで風格を。
②見た目の印象に大きく影響する柄使い。ビジネス着用を考慮すると、やはり華美なものは控えるべし。
③素材選びも重要。仕事においては一年中着用するものなので、季節に応じて適切な生地のスーツを複数用意しておきましょう。

Edit:Naoki Masuyama,Masashi Takamura
Text:Masashi Takamura

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