腕時計
バーゼルワールド2019ポート
ロンジン
2019.07.03
1月のジュネーブサロン(SIHH)に続いて、バーゼルワールド2019がスイスで3月21日~26日に開催された。時計はもちろん、宝飾系ブランドも新作を披露する大規模な国際展示会だが、今年はオメガなどが属するスウォッチグループが不参加。その影響もあって出展社数は減少したが、会場は例年同様の活気が感じられた。スウォッチグループはブランド独自に新作を発表しているので、それらも含めて注目モデルをピックアップする。
自動巻きダイバーズウォッチに
ブランド初のフルセラミックを追加
ロンジンは昨年にダイバーズウォッチ「ハイドロコンクエスト」でカラーセラミックのベゼルを採用した新作を発表。これを発展させ、今年はケース全体をブラックセラミックにしたモデルが新登場した。
ダイヤルには、セラミックの原料である酸化ジルコニウムの化学式「ZrO2」が6時位置に記されている。フルセラミックというだけでなく、ダイヤルはつやなしのマット、ケースは鏡面磨きのポリッシュ、ベゼルはヘアラインと、それぞれ仕上げを変えていることが際立った特徴。ケースバックはマットとヘアラインを組み合わせるなど、仕上げに凝ることで、高級感と洗練された印象を与えるモデルになっている。
この「ハイドロコンクエスト」は、ネジ込み式リュウズなどで300m防水を確保。潜水時間を管理できる単方向回転ベゼル(逆回転防止付き)も装備しており、ケースを軽量で耐傷性に優れたフルセラミックにすることで、よりスポーティーに生まれ変わったといえるだろう。ストラップもブラックラバーで、細かい調整が可能なバックル付き。ムーブメントのパワーリザーブも約64時間なので、日付表示と合わせて、日常使いでの実用性も高い。
ロンジンは、スポーツモデルだけでなく、「エレガンス、伝統、パフォーマンス」をコアバリューとしており、昨年はこれを体現する「ロンジン マスターコレクション」でアニュアルカレンダーを発表。年に1回調整するだけで(3月1日)、ほかの月末を自動送りしてくれる複雑機構だが、価格は何と20万円台。
今年も「ロンジン 1832」として、日付表示を持つムーンフェイズをラインアップ。多面カットのバーインデックスとドーフィン針が光を受けて反射する視認性と、いつまでも飽きないクラシカルが魅力だ。
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
問/ロンジン 03-6254-7351
プロフィル
笠木恵司(かさき けいじ)
時計ジャーナリスト。1990年代半ばからスイスのジュネーブ、バーゼルで開催される国際時計展示会を取材してきた。時計工房や職人、ブランドCEOなどのインタビュー経験も豊富。共著として『腕時計雑学ノート』(ダイヤモンド社)。