紳士の雑学

ダブルスーツを着こなすために覚えておきたいポイント(スーツの基本 第8回)

2019.07.16(最終更新:2024.05.16)

前回に引き続きダブルブレストのスーツを取り上げますが、今回は着こなしについてフォローしていきます。ビジネスシーンにおいて多少トゥーマッチな印象のダブルスーツとはいえ、最適なこなし方を知れば親近感がわいてくるはず。着用する時と場所を選ぶことで、あなたのスーツスタイルの相棒としてシングルにはない奥行きをもたらすでしょう。

<<スーツ基本のき 第1回はこちら

ダブルスーツを着る際の3大ポイント!

ダブルスーツは時代遅れ、おじさん的。誤解ともいえるそんなイメージがあることは第7回でもお伝えしましたが、それらを回避するためにはシングル以上に品良く着こなすことが大切です。まずは以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

だたし、ダブルスーツは総じて上級者向け。フレッシュマンやまだ経験の浅いビジネスパーソンがオンシーンで着用するのはなるべく控える方が無難かもしれません。

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<ポイント①シルエットはタイトがポイント>

前回も説明しましたが、一般的にダブルスーツはゆったりとした身幅になるほど時代錯誤の印象が強くなります。スマートに見せるためには、ジャストよりやや細身のシルエットを選ぶことから始めましょう。フロントボタンの左右幅やVゾーンが狭いスーツであれば、よりシャープな印象に。またウエストラインが与える印象も大きいため、腰回りにシェイプが入ったタイプもオススメです。

<ポイント②シャツ&タイは嫌味なく王道>

ダブルのジャケット自体にデザイン的な遊びが見られるぶん、他のアイテムはシンプルな王道で固めるのが吉。特にVゾーンを個性的に飾りすぎると持ち前の重厚感が薄れ、ダブルスーツのクラシックなイメージが損なわれてしまいます。例えば、ネイビーのスーツに同トーンのシャツ&タイでまとめるなど、嫌味なく色合いを統一することはシンプルな着こなしの近道となります。

<ポイント③ラペル幅で印象はガラリと変わる>

これはシングルスーツにも当てはまることですが、シルエットや他のアイテムとの合わせだけでなく、ラペルの幅によっても印象が異なります。ダブルスーツの場合は特に人から注視されがちですので、前もってイメージを掴んでおきましょう。簡単に言うと、ラペル幅が細ければモードかつスタイリッシュな趣きとなり、逆に太くなるとクラシカルなテイストが色濃くなります。ちなみにダブルスーツの場合は、下襟の先が上向きに尖ったピークドラペルが主流。写真はピークドの細いラペルで、モダンな表情に仕上がっています。

お手本にしたコーディネイト。

では、具体的にどう着こなすのがよいのか。実際のコーディネイトサンプルを見ながら。

<①ストライプ&ブルートーンで清潔感を>

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ダブルスーツのなかでは主流の6つボタン二つ掛け、そしてカラーも定番のネイビーをチョイス。ピンストライプが縦のラインを強調し、シルエットを引き締めています。そこに同系色のブルーシャツを取り入れ、清涼感をアピール。クラシックに傾倒しがちなダブルスーツですが、フレッシュなカラーリングでバランスをとることでビギナーにも真似しやすいコーディネイトになりました。スーツと同じく寒色のタイとチーフを選び、主張しすぎない遊び心も添えています。

<②グレーのダブルスーツで品を良く>

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こちらはよりクラシカルなグレーのダブルスーツを、シンプルにこなしています。スーツのチェック柄を構成する赤をタイ&チーフで拾い、落ち着きある風格を保ちながらエネルギッシュな面持ちに。色数を抑えることで嫌味にならず、全体の統一感もアップしています。さらに、左右の襟に紐がついたタブカラーのシャツを選び、タイを浮かせてVゾーンを立体的に見せているのもポイント。こちらもクラシカルな意匠ですが、ダブルスーツの特徴を踏まえた粋な見せ方と言えるでしょう。

<③ダブルはジャケパンで個性を発揮>

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ここまでは堅いシーンでのコーディネイトを探ってきましたが、ジャケパンが許されるような職場や場所であれば、ダブルスーツの持つ個性をさらに享受できます。例えば金ボタンのネイビージャケットにチルデンニットを合わせ、アイビー的なテイストに。タイも遊びのある柄ものを選び、カジュアルな雰囲気をより強く打ち出しています。

まとめ

①恰幅良く見えるダブルスーツは、シングル以上に細めを選ぶべし。

②Vゾーンは極力シンプルにまとめて、色数も抑えたい。

③ただし、くだけた場所では個性を活かして遊んでもOK。

<<スーツ基本のき 第7回はこちら

Edit:Naoki Masuyama,Masashi Takamura
Text:Naoki Masuyama

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