旅と暮らし

ステーキを堪能する
ヒルトン東京「TSUNOHAZU メトロポリタングリル」
[状況別、相手の心をつかむサクセスレストラン Vol.12]

2019.07.24

ステーキを堪能する<br>ヒルトン東京「TSUNOHAZU メトロポリタングリル」<br>[状況別、相手の心をつかむサクセスレストラン Vol.12]

ホテルで上質なステーキをがっつり、これまた、接待の鉄板であろう。1万円でステーキのコースを組んでもらえるとは、とても信じられないが、新宿副都心の世界最大規模の老舗ホテルグループ、ヒルトン東京の2階「TSUNOHAZU メトロポリタングリル」でそれは可能になる。

5年前の大改装で、ヒルトン東京の2階が、高級フードコートよろしく、和食・洋食・中華それぞれのニーズに応える欲張りなダイニングスペースに生まれ変わった。なかでも、一番人気が、世界中から集めた良質な食材を、赤々と燃える迫力満点の薪の炎で焼き上げる「メトロポリタングリル」だ。

まず最初に目を引くのが、美しいサシの入った肉のブロックがいくつもつるされた、ドライエイジングの熟成庫だ。肉好きには、これだけで絶好のアペタイザーとなる。なんと壁面は板状のヒマラヤ岩塩で造られているそうで、肉が熟成している間にほんのりと、少しずつ塩味がつくということだ。

さらにその横には、ガラス張りのライブクッキングエリアがあり、桜などの香り高い薪や備長炭で焼く、迫力満点の円形のグリラーが設置されている。燃え上がる薪の炎を見ながらのライブ感たっぷりの食事の盛り上がりといったらない。4人くらいのコンパクトなグループでの接待なら、グリラーのそばの席をリクエストするのもよいだろう。逆に大勢であれば、個室をキープすることをすすめる。落ち着いてゆっくり話に集中できる。しかも高級感のある部屋がディナーで室料1万円というのは、なんとも良心的だ。

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調理器具や科学の進歩に反比例するように、最も原始的な熱源である“薪”が、世界的に注目されているのは実に興味深い。食欲をそそる薫香がつくのはもちろん、湿度のある熱により、表面に十分な焦げ目がついても、パサつかず、しっとり焼き上がるのが何よりの利点だ。メトロポリタングリルはそんな世界的な流れや熟成肉のブームに先駆けてオープンしたわけだが、現在の料理長トーマス・ジャコビ氏が2018年に就任することで、薪焼きがさらに一段進化した。

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「40年の料理人人生のなかでも初めての試みですが、燃やしたウッドプラックに載せて焼き上げます。これにより、いっそうスモーキーな香りがつき、しっとりと仕上がります」とジャコビ氏。メトロポリタングリルの十八番(おはこ)となっている。

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今回紹介するのは9500円のサマーセットコースのメインを、テンダーロイン(フィレ肉)のステーキにアップグレードして、1万500円で供するコースだ。予約時にリクエストすることでアミューズ2品、前菜、ステーキ、デザートと充実の構成となる。まず、ひと口で食べられる目にもあでやかなフィンガーフードが2種。続いて、「トラウトマリネ キャロットペーストとハーブサラダ添え」。マリネした鱒(ます)の、とろりととろけるような舌触りは、思わず、うーんとうなる美味だ。

そしていよいよステーキ。今回は、オーストラリアビーフのテンダーロインを150g。総料理長おすすめのウッドプラックに載せて焼き上げるため、分量は150gだが、スモーキーな香りをまとうことでボリューム感も増し、満足度もいっそう上がる。かみ締めるほどに、赤身肉のうま味とマイルドな脂のうま味が口いっぱいにほとばしる。

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※現在はカプレーゼ、アヒとイベリコハムからのチョイス。前菜や付け合わせは季節によって異なる。
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メトロポリタングリルはワインの品ぞろえもワールドワイドだ。セレクトに自信がなければ、ソムリエに相談するのがベストだ。人数がそろえば、ボトルで頼むのがいいだろう。ソムリエの小澤祐季さんは、アミューズから前菜までは、希少なシャンパーニュ「メゾン マム RSRV キュベ ラルー2003」、ステーキには、オーストラリアのバロッサバレーのシラーズ「ペッパージャック」を選んでくれた。

オーストラリアビーフに合わせての、粋なはからいだ。エチケットには、牛肉の部位のイラストが描かれており、テーブルトークも盛り上がるに違いない。適度なタンニンとミネラル分が、口中に広がる肉汁と鮮やかなマッチングを見せてくれる。季節感をふんだんに採り入れたデザートで締めくくるころには大きな満足感が残るはずだ。

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Photograph : Makiko Doi

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