紳士の雑学
購入時に絶対役立つ! 知っておきたい時計の種類②
【機能・フォルム編】
2019.07.25
時計の種類②防水機能編
腕時計を選ぶうえでチェックしておくに越したことがないのが防水機能です。防水機能は、海に潜ったりする場合だけでなく、雨に降られたり、水仕事をしたりといった日常のシーンでも重要になってきます。防水機能にもいろいろな種類があるので、ここで覚えておきましょう。
【時計の防水機能とは】
腕時計の防水機能は大きく、日常生活用防水と潜水用防水に分かれます。防水性能の度合いは、どのくらいの水圧まで水の浸入を防げるかで測られます。日本工業規格(JIS)や国際標準化機構(ISO)で定められた基準にもとづいて、「WATER RESIST」や「W.R.」などと文字盤や裏蓋に表示されているため、防水機能がついているかどうかは容易に確認できるでしょう。また、防水のレベルは、日常生活用防水では1気圧防水のように気圧表記(1気圧=水深10メートル)、潜水用防水では200メートル防水のようにメートル表記がなされています。
【時計の防水機能の種類】
また、防水機能をさらに細かく分けると以下のようになります。「非防水」、「日常生活用防水」、「日常生活用強化防水」、「スキューバ潜水用防水」、「飽和潜水用防水」。「非防水」は当然ながらまったく防水機能がありません。
「日常生活用防水」は2〜3気圧防水で汗や多少の雨に耐えられる程度です。「日常生活用強化防水」は5〜20気圧防水となり水上スポーツなどをする際にも使えます。「スキューバ潜水用防水」は100〜200m防水でスキューバダイビングなどで潜水する時に使えます。「飽和潜水用防水」は最も強力な防水機能を備えており、200〜1000m防水。深海の過酷な環境で潜水する時に用いることができます。
普段使う分には日常生活防水で事足りますが、マリンスポーツを楽しむ人やオーバースペックに魅力を感じる人は、より高い防水機能を備えた時計を選ぶのもいいでしょう。ただ、本格的な潜水時計はケースを堅牢にするために厚みを持たせており、どうしてもボリューム感のあるデザインになってしまいます。そのため、フォーマルなシーンにはあまり向きません。
時計の種類③機能編
腕時計には、時間を知るという本来の機能以外に、様々な機能で付加価値をつけたモデルが多く存在します。その代表的な機能をここでご紹介していきましょう。
【時計の機能①カレンダー】
よく知られているのがカレンダー機能でしょう。デイト表示機能と呼ばれることもあります。日付を表示するタイプのものが多いですが、曜日も表示するデイデイト、月も表示するトリプルカレンダーといった機能もあります。しかし、これらの機能は基本的に2月のように日数が短い月や30日までの月を区別しないため、月によっては手動で日付や曜日を修正する必要が出てきます。
しかし、アニュアル(年次)カレンダー機能が付いて入れば、機械が月を判別して自動で日付を修正してくれます。さらに、4年に一度のうるう年を考慮した調整まで自動でおこなうことができるパーペチュアル(永久)カレンダーまで存在します。これらの機能は基本的に機械式時計で開発されたもので、パーペチュアルカレンダーに至っては世界三大複雑機構のひとつとされており、搭載した時計は超高額になります。
【時計の機能②クロノグラフ】
クロノグラフと呼ばれる時計はみなさんご覧になったことがあるでしょう。複数のプッシュボタンとインダイヤルを備えたメカニカルなデザインは男心をくすぐります。クロノグラフとはストップウォッチ機能により時間を計測できる時計のこと。その特性からカーレースの世界で発展し、航空機のパイロット用に特殊な機能を搭載したモデルも登場しました。そのような背景があるため、スポーティーで男らしいデザインのものが多く、ストップウォッチ機能とは関係なく人気の高い時計になっています。
【時計の機能③GMT,デュアルタイム】
海外出張や海外旅行が多い人から人気があるのが、GMT機能がついた腕時計です。GMTの名は、Greenwich Mean Time(グリニッジ標準時)に由来しています。GMT機能を搭載した時計は、時針、分針、秒針に加えて、もう1本、GMT針と呼ばれる針を備えています。この針は24時間で1周するため、外のベゼルの数字と組み合わせることで、第2時間帯として渡航先の現地時間を把握することができます。モデルによっては第3時間帯まで同時に確認できます。また、インダイヤルに現地時間を表示するデュアルタイム機能を備えた時計も見た目にわかりやすく人気があります。
【時計の機能④ワールドタイム】
GMT機能とは異なる方法で世界各地の時間を知ることができるのがワールドタイムと呼ばれる機能です。文字盤やベゼルに世界の主要都市の名前が記されており、細かい設定をしなくても、ひと目で各地のローカルタイムを知ることができます。こちらも海外を飛び回る人から人気の高い機能です。
【時計の機能⑤ムーンフェイズ】
ムーンフェイズとは月の満ち欠けをインダイヤルで表示する機能のことで、高級機械式時計に古くから取り入れられています。あまり実用的に使うことはありませんが、機械式時計の高い技術を象徴する機能であることや、知的でロマンチックな雰囲気がデザインとして優れていることから、今も多くのモデルで採用されています。
時計の種類④外装編
【時計の外装素材】
内部のムーブメントを保護するため、時計のケースは基本的に頑丈な金属で作られています。古くはゴールドやプラチナ、シルバーといった貴金属が使われ、貴族たちのステータスシンボルとなっていました。今でも高級腕時計ではそれらの素材が使われていますが、強度を高めたり、加工しやすくするために他の金属を混ぜて合金にすることもあります。
現代の高級腕時計で最もよく使われている素材はステンレススチールです。ステンレススチールは、鉄を加工した金属のことで、腐食に強いという長所があります。また、ステンレススチールにも種類があり、強度が高い、加工がしやすい、熱に強い、金属アレルギーを引き起こしにくいなど、様々な特徴を持っています。メーカーによってそれらを使い分けていますが、特殊な処理をほどこした素材や加工が難しい素材を使った時計は価格が高くなる傾向にあります。
チタンもケース素材として一般的になってきています。チタンをケースに使うメリットはたくさんなります。まず、錆びないため時計が長持ちします。また、とても軽量であるため、長く身につけていても疲れにくいです。そのうえ、金属アレルギーを引き起こさないというメリットまであるのですから非常に優れた素材と言えるでしょう。さらに近年では、レアアースを使った新たなファインセラミックス素材を加工したケースも登場しています。強度も申し分なく、耐腐食性や耐熱性にも優れているうえ、これまでにない素材感が出せるため、各社がこぞって採用しています。
【時計のケースフォルム】
腕時計といえば丸型という印象が強いですが、実際には他にも様々なフォルムのケースがあります。フォルムによって印象が大きく変わりますし、似合うウェアや使えるシーンも異なるので、選ぶ際には気をつけましょう。以下、腕時計の代表的なフォルムを紹介していきます。
・トノー型
長方形の両サイドを丸く膨らませたような樽型の形状が特徴。優雅でクラシックな印象を与えます。
・スクエア(カレ)型
正方形のケースです。同じ径の場合、丸型よりもボリュームが出るので存在感があります。
・レクタンギュラー型
長方形のフォルムが特徴的なケースです。シャツの袖口になじむのでスーツスタイルにも似合います。
・オーバル型
楕円形のケースです。どちらかというとレディースの時計に多く見られるフォルムです。
・オクタゴン型
八角形の個性的なフォルムですが、その歴史は古く、アール・デコの時代に登場したと言われています。
・クッション型
その名の通り、クッションのように丸みを帯びた正方形のケース。存在感がありつつも、柔和な雰囲気が漂います。
どのフォルムのケースもそれぞれの魅力があり、好みに合わせて選ぶべきですが、職場の環境や使うシーンによっては相手に違和感を与えてしまうものもあります。心配ならば、ラウンド型を選んでおくのが無難でしょう。
まとめ
機械式かクォーツ式か、防水性を備えているか否か、必要な機能を満たしているか、見た目が好みに合っているか。これまで2回にわたって解説してきた基礎知識だけでも、欲しい時計が絞られてくるはず。もっと時計のことを知れば、きっと理想の1本に出会えることでしょう。
①メリット・デメリットを知ったうえで、機械式かクォーツ式かを選択する。
②自分に必要なプラスαの機能を見定める。
③見た目も大事。素材や形にもこだわるべき。
写真商品お問い合わせ先 /LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー 03-5635-7054
Photograph:TAG Heuer
Text:Tetsu Takasuka
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