週末の過ごし方
爽やかな味わいのズッキーニといかのサラダ
[長尾智子 料理の歳時記]
2019.08.22
食材は旬の時期に味わうのがいちばん。出盛りの食材をいかにおいしく料理するか。料理研究家の長尾智子さんに教えていただきます。
夏の食材「ズッキーニ」
日本でも夏が来ると店頭に並びはじめるズッキーニ。きゅうりのように見えて、実はペポかぼちゃ(小さいかぼちゃ)の一種。皮がやわらかいので皮ごと食べられる。クセのない味はさまざまな調理法に適している。新鮮なものだったら、薄切りにして塩もみにするだけでも。グラタン、ソテー、フライに、パスタやリゾットに。ズッキーニとなす、パプリカをトマトで煮込んだ「ラタトゥイユ」は日本でもなじみのある南仏料理だ。
「薄切りのズッキーニは繊細で美しいですね。いかを合わせて爽やかに仕上げました。刺身用のいかを使いますが、湯通しすれば、身がしっかりして存在感が増します。レモンを搾ったり、すし酢を振って甘みを加えたり。しょうがを増やせば、味のコントラストがつき、それもおいしい。いかの白がすがすがしい夏の一品です」
<材料>2〜3人分
ズッキーニ 中くらい1本
いか(刺身用) 大きめ1冊
しょうが(すりおろし) 小さじ1
ごま油 小さじ1
塩 少々
赤唐辛子粉、こしょう 各少々
<作り方>
1 ズッキーニは両端を切り落として、スライサーで薄くスライスする。
2 鍋にお湯をたっぷり沸かし、1を入れて20秒くらいでボウルなどに引き上げる。流水で熱を取り、ざるに上げる。
3 いかは食べやすい長さに細切りにする。1のお湯を煮立て、いかをさっと湯通しする。すぐに引き上げてズッキーニと同様に冷ます。
4 ズッキーニの水気を軽く絞ってボウルに入れ、いかを加え、塩、しょうが、ごま油を加えて大きめのスプーンや菜箸で手早く混ぜ合わせる。味を見て足りなければ塩を足して器に盛る。こしょうを挽きかけ、赤唐辛子粉を振る。
プロフィル
長尾智子(ながお・ともこ)
フードコーディネーター。レシピのみならず、調理道具、器、食文化全体を大きくとらえた独自の世界観が、性別を問わず支持を集める。「食べ方帖」(文化出版局)など著書多数。新刊は、お茶とお菓子、お酒と肴(さかな)を一冊にまとめた「ティーとアペロ」(柴田書店)。
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Photograph : Masanori Akao
Food Coorditate : Tomoko Nagao
Edit : Mika Kitamura