週末の過ごし方
レモンをひと搾り、ズッキーニとアンチョビのソテー
[長尾智子 料理の歳時記]
2019.08.08
食材は旬の時期に味わうのがいちばん。出盛りの食材をいかにおいしく料理するか。料理研究家の長尾智子さんに教えていただきます。
夏の食材「ズッキーニ」
日本でも夏が来ると店頭に並びはじめるズッキーニ。きゅうりのように見えて、実はペポかぼちゃ(小さいかぼちゃ)の一種。皮がやわらかいので皮ごと食べられる。クセのない味ゆえに調理法を選ばない。新鮮なものだったら、薄切りにして塩もみにするだけでも。グラタン、ソテー、フライに、パスタやリゾットに。ズッキーニとなす、パプリカをトマトで煮込んだ「ラタトゥイユ」は日本でもなじみのある南仏料理だ。
「ズッキーニは厚めに切ることで、存在感が出てきます。塩は使わず、アンチョビの塩けと醗酵した深みのある風味だけで味つけします。レモンを搾りかけることでキリッとしたメリハリがつきます。旬ならではの食べ方ですね。ズッキーニは太めのしっかりしたものを選んでください」
<材料> 約2人分
ズッキーニ 大きめ1本
アンチョビ フィレ 8枚
レモン 1/2個
にんにく 1/2片
塩 少々
オリーブ油 約大さじ1
<作り方>
1 ズッキーニは両端を切り落とし、1cm強厚さの半月切りにする。アンチョビは油を切って2等分にする。レモンは半分量を厚めに半月に切る。
2 フライパンにオリーブ油を入れ、皮付きのままのにんにくを加えて弱火で温める。香りが出てきたらズッキーニを並べ入れる。中火で焼き目をつけるようにして火を通し、軽く色が付いてきたらアンチョビを加え、時々混ぜながら炒め合わせる。
3 2がこんがりと焼けてきたら、残りのレモンを搾りかけ、火を止めてざっと混ぜる。
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プロフィル
長尾智子(ながお・ともこ)
フードコーディネーター。レシピのみならず、調理道具、器、食文化全体を大きくとらえた独自の世界観が、性別を問わず支持を集める。「食べ方帖」(文化出版局)など著書多数。新刊は、お茶とお菓子、お酒と肴(さかな)を一冊にまとめた「ティーとアペロ」(柴田書店)。
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Photograph : Masanori Akao
Food Coorditate : Tomoko Nagao
Edit : Mika Kitamura