カジュアルウェア

ファッショントレンドスナップ55
シャツを変えるだけで、いつものスタイルが激変!?
スタンドカラーシャツがこの秋大ブレーク。

2019.09.25

 大西陽一 大西陽一

衿がついていない、首に沿って立ち上がった帯状のえり台と呼ばれるものだけのシャツのことをスタンドカラーシャツといいます。

実は、このシャツは古くから日本で着られていたアイテムで、明治や大正時代の学生や書生は着物の下に着ていました。その後このシャツに光があたったのが1980年代。ファッションブランドのイッセイミヤケが、モダンにアレンジして大ブームに。当時よく雑誌やTVに出てくる様なインテリアデザイナー、建築家、音楽家の方はこぞって着ていました。

そのスタンドカラーが、今年のピッティでブレークしていました。今までにもちらほら見られましたが、今年はそれがピークに達したという感じで、カジュアルからドレスまでその着こなしの幅広がっていました。

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まずは、カジュアルスタイルから。この御仁には、Tシャツや丸首長袖ニットを着ている様なリラックス感が出ていますね。それでいて、シャツ独特のきちんと感はギリギリ残っています。

そうです!! ここがいまスタンドカラーが注目されている理由なのです。えりがつくとキチンと感が出ますが、これがないスタンドカラーは程よいヌケ感が出てくるのです。

よくよく見るとベルトは、小さめのウェスタンベルト。それも先を垂らしていますね。これは、いまミラノやパリのモード系の人たちがよくやっているテクニックです。

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こちらは全身。パンツはタック入で、腰回りから太もも部分にかけてはボリュームがありながらヒザ下は細身という、今年のピッティでいち押しのシルエット。足元はスポーツ系スニーカー。

この組み合わせは、秋口になったらネイビーブレザーやニットのジレ(ベスト)をプラスすればそのままつかえるトレンド基本形です。

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そもそも、バンドカラーシャツは、Tシャツではあまりに普通過ぎて面白くないというモード系の方たちが着始め、それがピッティなどに来るようなクラシック系の人たちにも広まったというのが個人的な見方なのですが、ピッティ系の人たちは、シンプルなデザインのモード系とは違い、デザインや着こなしをひとひねりしているのが特徴。

この御仁のスタンドカラーシャツは、フォーマルシャツで良く見かけられる、胸に共生地でひだを折ったものがついたこだわりのデザインです。

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全身を見ると、なんと足元はホワイトスニーカー。ブラックパンツにすることで、全体をモノトーンにまとめモード系に仕上げています。時計はブラックのアップルウォッチというのもポイント。

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こちらの御仁は、クラシックスタイルにどうスタンドカラーを取り入れるかの模範解答。スーツにホワイトのスタンドカラーは、いわゆる最近のセットアップスーツにホワイトTシャツをあわせるのに近い感覚。ただし、TシャツだとこのWのジレとはバランスが取れません。

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上着を着るとかなりドレッシーですね。これならビジネスのシーンでも大丈夫ではと一瞬思わせますが、この御仁の足元はホワイトスニーカー。これを、真似できる職種は限られますね……。

個人的には、ブラウンのローファーにすれば日本のクールビズでも通用するのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?

次回は、初秋に使えるスナップをまとめてみたいと思います。

乞うご期待を。

トレンドスナップのまとめはこちら

プロフィル

大西陽一(おおにし・よういち)

数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに通い、日本人でもまねできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こなしを求めたトレンドウオッチを続ける。

Photograph & Text:Yoichi Onishi

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