旅と暮らし
容赦ない誘惑。
メルセデスAMG「A35」
2019.10.03
シートに背中が押し付けられるような強力な加速、シャープで狙いどおりのラインでクリアするコーナリング……。男という動物は、時にして荒々しいほどのスポーツモデルに魅了される。
そんな男心を刺激してやまないモデルのひとつが、メルセデスAMGのモデルだ。メルセデスAMGは、メルセデスの各モデルにラインアップ。コンパクトなAクラスをベースにしたAMGモデルは、先代「A45」でも刺激あふれる走りで注目を集めた。
今回、デビューしたのは「A35」。2018年10月に上陸を果たした新型Aクラスがベースで、まずは「A35」が日本上陸を果たした。従来どおり「A45」がその上位に鎮座し、「A35」はメルセデスAMGのエントリーモデルといったポジショニング。
結果、価格は特筆すべき628万円(消費税10%込み)。
メルセデスAMGのカタログモデルとしては、非常に買い求めやすいプライス。フルネームは「メルセデスAMG A35 4マティック」(以下、「A35」)。4マティックは、4WDを意味する。同時に、デビュー記念の特別仕様モデルとして「メルセデスAMG A35 4マティック エディション1」が登場している(以下、「エディション1」)。
搭載するエンジンは、どちらも2リッター直列4気筒ターボエンジン。最高出力306ps/5800rpm、最大トルク40.8kg-m/3000〜4000rpmを発揮する。低回転域での力強く、自然なレスポンスと、中高回転域での伸びやかな加速感を両立させるため、ツインスクロールターボチャージャーを用いた。
エクステリアも魅力にあふれる。「エディション1」は、大型のフロントスプリッターやフロントバンパーサイドに追加されたフリック、大型のリアウイングが、空力性能やダウンフォースを向上させるとともに、刺激的なホットハッチとしての特徴を強くアピールする。
掲載した写真は海外仕様で、日本に導入された「エディション1」では、ブルーのボディーカラーを採用する。イエローのボディー色は、カタログモデルの「A35」に設定。「A35」にはイエローのほかブラックなど計9タイプのカラーをラインアップしている。
インテリアの仕立ても半端ない。「エディション1」は、アクセントステッチとレザーを用いたAMGパフォーマンスシート、AMGパフォーマンスステアリングなど、インテリアも走るための機能に満ちている。その魅力あふれる個性は、実際の日本導入モデルと仕様が異なるものの、掲載した欧州モデルの写真と動画で楽しんでほしい。
そのほか、パフォーマンス志向のトルク可変配分四輪駆動であるAMG 4マティック、5つのドライブモードを用意したAMG DYNAMIC SELECT、先代A45と同様の強力なブレーキシステムなど、メカニズムとパフォーマンスにも抜かりはない。エントリーモデルといえども侮れない内容で、メルセデスファン垂涎のAMGモデルが、「A35」なら628万円なのだから、心が躍る。
「メルセデスAMGの新しいホットハッチ」を標榜する「A35」のラインアップ。執拗(しつよう)なほど、容赦なく、忘れかけた走りへの熱い思いを再び燃やしてくれる。
※実際の日本導入モデルと一部の仕様が異なります。
※日本仕様は、右ハンドル。
※価格はすべて消費税込みのものです。
<データ>
車名:メルセデスAMG A35 4マティック[A35 4マティック エディション1]
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4436×1797×1405mm
ホイールベース:2729mm
駆動方式:4WD
エンジン:2リッター直列4気筒DOHC16Vターボ
トランスミッション:7速AT
エンジン最高出力:306ps(225kW)/5800rpm
エンジン最大トルク:40.8kg-m(400N-m)/3000〜4000rpm
タイヤ:235/40R18[235/35R19]
車両本体価格(10%税込):¥6,280,000[¥7,430,000]
[ ]内はA35 4マティック エディション1の数値
※データは、欧州仕様の数値(参考値)
Photograph:Daimler AG
Text:Haruhiko Ito (office cars)