週末の過ごし方
旬をおいしく。ラム肉とひよこ豆でつくるカレー
[長尾智子 料理の歳時記]
2019.10.24
食材は旬の時期に味わうのがいちばん。出盛りの食材をいかにおいしく料理するか。料理研究家の長尾智子さんに教えていただきます。
秋の食材「ラム」
日本ではまだまだなじみのない羊肉。ラムは生まれて1年未満の羊およびその肉のこと。やわらかくジューシーでクセがないのが魅力。家庭でもっと使ってほしい食材だ。牛肉や豚肉に比べ、高タンパクで低カロリー、しかもコレステロール含有量が低く、不飽和脂肪酸(コレステロール値を下げ、動脈硬化を抑える効能がある)、ミネラル分も多く含む。細胞内の脂肪を燃やす効果のあるカルニチンが豊富で、ダイエットへの効果を期待できる。ラムチョップとは、あばら骨ごとに切り分けた骨付きロース肉のこと。
「ラム肉は、焼肉用の切り落としをおすすめします。粗めに刻めば、細かいひき肉とは違ってラムの食感が新鮮です。脂が出るまでよく炒めたら、味付けは好みでどうぞ。赤唐辛子粉を足して辛くしたり、カレー粉自体に含まれていますが、シナモンやクローブを多めに加えて、よりスパイシーにしたり。米は白米を水分少なめに炊くと、弾力が出すぎないでカレーに合います。もちろんインディカ米もいいでしょう」
<材料> 4人分
ラム肉 肩ロース薄切り 約600g
ひよこ豆(水煮) 約200g
玉ねぎ 大1/2個
しょうが 約20g
にんにく 1片
トマトピュレ 約200g
カレー粉(あれば粗挽き)大さじ2
ガラムマサラ 小さじ1
塩、こしょう 各少々
植物油 約大さじ1
卵 4個
米 2カップ
<作り方>
1 米を研ぎ、同量の水分量で炊く。卵は沸騰した湯に入れて7分半ゆで、冷水に取る。
2 ラム肉を粗く切り分けてから包丁で端からたたき、粗みじんのような状態にする。玉ねぎは端から縦に薄切りにし、方向を変えて繊維を断ち切るように細かく刻む。しょうがとにんにくはすりおろす。ひよこ豆は水気を切る。
3 鍋か深めのフライパンに油とにんにく、しょうが、玉ねぎを入れ、弱めの中火で炒め合わせる。材料が油になじんで香りが出てきたらラム肉を加え、軽く塩を振ってさらに炒める。ラムに火が通って脂がしみ出てくるまで炒め、ひよこ豆、カレー粉、トマトピュレの半量を加える。
4 3がしっかりなじむまで、時々混ぜながら炒める。鍋底に少し焦げつきはじめたくらいで水を1カップ(材料外)加え、残りのトマトピュレとガラムマサラ、塩少々を入れて弱火で煮込み、水分が少なめになってきたら火を止める。
5 4の味を見て、足りなければ塩を加える。ご飯を器に盛り、カレーを載せ、殻をむいて半分に切った卵を載せる。粗挽きこしょうを挽きかける。
プロフィル
長尾智子(ながお・ともこ)
フードコーディネーター。レシピのみならず、調理道具、器、食文化全体を大きくとらえた独自の世界観が、性別を問わず支持を集める。「食べ方帖」(文化出版局)など著書多数。新刊は、お茶とお菓子、お酒と肴(さかな)を一冊にまとめた「ティーとアペロ」(柴田書店)。
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Photograph : Masanori Akao
Food Coorditate : Tomoko Nagao
Edit : Mika Kitamura