週末の過ごし方
トマトとパセリのソースで味わうラムチョップのソテー
[長尾智子 料理の歳時記]
2019.09.12
食材は旬の時期に味わうのがいちばん。出盛りの食材をいかにおいしく料理するか。料理研究家の長尾智子さんに教えていただきます。
秋の食材「ラム」
日本ではまだまだなじみの薄い羊肉。ラムは生まれて1年未満の羊およびその肉のこと。やわらかくジューシーでクセがないのが魅力。家庭でもっと使ってほしい食材だ。牛肉や豚肉に比べ、高タンパクで低カロリー、しかもコレステロール含有量が低く、不飽和脂肪酸(コレステロール値を下げ、動脈硬化を抑える効能がある)、ミネラル分を多く含む。細胞内の脂肪を燃やす効果のあるカルニチンが豊富で、ダイエットへの効果も期待できる。ラムチョップとは、あばら骨ごとに切り分けた骨付きロース肉のこと。
「ラムの焼き加減はお好みでどうぞ。今回はあまりレアにならないように、中火で加減しながら焼きました。弱めの火加減でじっくり焼いてもいいので、何度か作って好きな焼き加減を見つけてください。ソースにはアーモンドを加えるのがポイント。香ばしさが加わり、食感にアクセントがつきます。ラムをさっぱりと食べられる爽やかなソースです」
<材料>2人分
ラムチョップ 4本
トマト(中)2個
にんにく 1/2片
イタリアンパセリ 3本
皮付きアーモンド 4〜5個
塩 少々
オリーブオイル 大さじ2
レモン果汁 1/6個分
植物油 少々
<作り方>
1 ラムチョップは背側の脂が厚ければ適宜切り落として常温におく。イタリアンパセリの葉を摘み、トマトはまず4等分してから、一切れをさらに4等分くらいに切り分け、それをまた4等分にと小さな角切りになるまで刻んでボウルに入れる。アーモンドは粗く刻む。
2 1のパセリとアーモンド、にんにくをまな板に置き、ざっと混ぜて端から細かく刻んでいく。パセリが粗みじんの状態になったら、トマトを入れたボウルに移し、塩少々とオリーブオイルをまわしかけ、レモン果汁を加えて混ぜ、ラップをかけて冷蔵庫で冷やす。
3 ラムに塩をまんべんなく振る。フライパンに植物油少量を入れて中火にかけて温める。油をキッチンペーパーで軽く拭き取ってラムを並べ入れる。中火(強すぎないように)でふたをして2〜3分焼く。ふたを取ってこんがりと焼けていたらラム肉を裏返し、脂が溶け出していたら軽く拭き取りながら2〜3分焼く。
4 器に3のラムを盛り、2のソースをたっぷり添える。
プロフィル
長尾智子(ながお・ともこ)
フードコーディネーター。レシピのみならず、調理道具、器、食文化全体を大きくとらえた独自の世界観が、性別を問わず支持を集める。「食べ方帖」(文化出版局)など著書多数。新刊は、お茶とお菓子、お酒と肴(さかな)を一冊にまとめた「ティーとアペロ」(柴田書店)。
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Photograph : Masanori Akao
Food Coordinate : Tomoko Nagao
Edit : Mika Kitamura