お酒

絶景と美食。奥深い海の魅力に包まれる名ホテル
【岸谷五朗、物語の舞台となった地】

2019.12.04

2016年G7伊勢志摩サミットの舞台となった志摩観光ホテル。1951年の開業以来、名だたる賓客が訪れ、文学作品の舞台にもなった。その特色は数多いが、際立つのは「海の存在感」だろう。

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ジャケット¥98,000/タリアトーレ、ニット¥26,000/フェデッリ(ともにトレメッツォ 03-5464-1158)、パンツ¥34,000/ジェルマーノ(バインドピーアール 03-6416-0441)、その他はスタイリスト私物

ホテルの目の前に広がるのはリアス海岸の英虞湾(あごわん)。名建築家の村野藤吾による「ザ クラシック」、全室がスイートタイプの「ザ ベイスイート」、開業当時の面影を残す「ザ クラブ」の3棟が約28585坪という広大な敷地に溶け込むようにたたずみ、大小さまざまな島と入江が織り成す多島美が眼下に広がる。特に夕暮れや満月の夜の神秘的でドラマチックなパースペクティブはぜひ体験してみたい。

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ジャケット¥98,000、スカーフ¥12,000/ともにタリアトーレ(トレメッツォ 03-5464-1158)、ニット¥38,000/イレブンティ、パンツ¥29,000/サンタニエッロ(ともにバインドピーアール 03-6416-0441)、その他はスタイリスト私物

また食も圧巻。波が穏やかで深く、海の幸を育むのに最適なリアス式の利から、志摩は平安時代まで御食つ国(みけつくに)として朝廷に上質な海産物を納めていた。志摩観光ホテルでは、一流の料理人たちがその食材の宝庫としての魅力をさらに進化させている。「伊勢えびやアワビなど素材そのものが素晴らしいですから、おいしさを引き出すような味付けにしています」(和食総料理長 塚原巨司氏)。サミットで各国の代表が舌鼓を打った至高の料理は、和食の「浜木綿」、フランス料理の「ラ・メール」で堪能できる。

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海がもたらす眼福と口福。夏だけでなく一年を通じて楽しめる、まさに大人のためのシーサイドリゾートだ。

志摩観光ホテル 0599-43-1211
www.miyakohotels.ne.jp/shima/

国々のトップが認めた神と人のコラボレーション「半蔵」

「ブロードウェーのスタッフも日本酒が大好きですね。来日したときに飲むのはいつもサケです」

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コート¥13,000、パンツ¥30,000/ともにアクアスキュータム(レナウン プレスポート 03-4521-8190)、ジャケット¥63,000、カットソー¥15,000、スカーフ¥24,000/すべてチルコロ1901(トヨダトレーディング プレスルーム 03-5350-5567)

岸谷五朗自身が愛飲する日本酒。訪れる芝居仲間と共に杯を重ねて、楽しい宴を催すという。彼らだけでなく、諸外国でも富裕層を中心に日本酒が飛躍的に人気を高めている。その理由のひとつに、ワインのテロワールのような土地の恵みによる芳醇な味わいがある。米どころが同時に酒の名産地という事実もその証左だろう。

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今回訪れた三重県伊賀市は、古代には琵琶湖の底だった。400万年前の地殻変動により隆起し、肥沃な土壌が生まれた。さらに周囲を山に囲まれた盆地であることも大きい。昼と夜の寒暖差が大きい気候が酒米作りに向いているほか、四方の山から流れる清水が良質なミネラルを含んだ地下水となり、昔ながらの醸造を支える。

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明治25年創業の大田酒造は地産の米「神の穂」と蔵内の井戸水、三重県開発の酵母を用いた地酒「半蔵 神の穂」シリーズが知られている。また、ふくよかで舌を優しく包み込む味わいが認められ、「半蔵 純米大吟醸 磨き 40」 は、2016年のG7伊勢志摩サミットで乾杯酒に選ばれるという栄誉に浴している。

現在杜氏として活躍する大田有輝氏は七代目で、まだ25歳。創業以来の伝統を守りつつ、周囲の酒蔵で活躍する同年代の杜氏と情報交換をしながら、令和にふさわしい日本酒の在り方を追求している。

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悠久の自然がもたらす酒米、水、酵母、そして意欲あふれる杜氏。神と人による4つのアンサンブルが、岸谷の次回のおもてなしでニューヨークの演劇人の舌を魅了するに違いない。

大田酒造 0595-21-4709
www.hanzo-sake.com

<<岸谷五朗が紡ぐショートストーリー

Photograph: Satoru Tada(Rooster)
Styling: Eiji Ishikawa(TABLE ROCK.STUDIO)
Hair: AKINO@Llano Hair(3rd)
Make-up: Riku(Llano Hair)
Text: Mitsuhide Sako(KATANA)

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