旅と暮らし
メンズグルーミングを制する者は仕事を制す
プロが伝授、デキる男の身だしなみ
2019.12.06
ビジネスパーソンに必要なものとして、令和時代に急浮上しているのがメンズグルーミング。アエラスタイルマガジンのライフスタイル世論調査でも、「きれいな肌はビジネスで好印象を与えると思いますか?」という問いに「かなり思う」63%、「まあ思う」35%と、ほぼ100%がYESと答える結果に。そこで、デキる男たちが信頼を寄せるという「SHISEIDO THE STORE」にてチーフを務める尾花純子さんに、そのアプローチ方法を伝授してもらった。
男の身だしなみの第一歩
<ヘアスタイリング編>
最初に手をつけたいのがヘアスタイリングだ。寝癖などは絶対NG、前髪が目にかかっていないかなど、まずは“清潔感”を意識したい。
「男性の場合、前髪の分け目と上げ方によって印象はガラリと変わります。現在のビジネスシーンでは、前髪を上げるのがトレンド。額を見せてかっちり固めれば相手に信頼感を与えることができますし、自然な毛流れをつくれば余裕あるムードを演出できます。おでこを出すことに抵抗がある男性も多いのですが、額をすべて覆うと暗い印象に。部分的に透け感を意識すると表情が明るく仕上がります」
仕上げたいヘアによって、もちろんスタイリング剤は変わってくる。
「固めずに手ぐしで整えたいならワックス、カチッとハードにまとめたいならジェルやグリースが活躍します。立体感を出す、長持ちさせるなど部分使いに便利なのがスプレー。外から吹き付けると重みで潰れてしまうので、浮遊感が欲しい部分を持ち上げて中から当ててみてください。またスタイリングに苦手意識がある方は、扱いやすいムースを。軽い仕上がりが好きならソフトタイプ、ハリのある整髪を好むならハードタイプを選びましょう」
尾花さんいわく、まずビギナーが持つべきはムース。その次に立体感をキープするハードスプレーがおすすめとか。
「さらなるステップは質感でしょうか。ウエットに仕上がるつや出しグリースや、さらっと見せるドライスプレーなど、アイテムを使い分けられたら上級者ですね」
今日は商談なのか、社内会議なのか。強く見せたいのか、やわらかい印象を与えたいのか。へアスタイリングでセルフプロデュースができることを覚えておきたい。
ひと手間で一気にあか抜ける
<スキンケア編&メイクアップ編>
「人が疲れているかどうかを判断するポイントは、姿勢や動作よりもまずは顔。さらに肌の明るさが決め手になります。Tゾーンがベタついてくすんでいませんか? 逆に乾燥で粉が吹いてはいないでしょうか。小鼻のザラつきから目の下のクマまで、意外に見られているものなのです」
ではビジネスパーソンは、日々のスキンケアにおいて何に留意すればいいのだろう。
「まず自分の肌質を理解、把握しましょう。メンズスキンケアは多種多様。脂性肌ならベタつきを抑えるトーニングローションを、乾燥肌なら化粧水に保湿クリームを加えてください。その次は、男性特有の肌トラブルチェック。代表的なのが『ニキビ跡』『毛穴』『ひげの青み』『肌の赤み』『目の下のクマ』。気になる箇所があれば、ぜひ男性用BBクリームでカバーを。肌のトーンが一段階上がることで印象もワンランクアップ。男性も“肌で魅せる”時代なのです」
そして注目すべきは眉。ここが整っていると顔立ちに精悍(せいかん)さが増す。
「ビジネスシーンなら、曲線よりは『直線』で、地眉を生かした『自然な太さ』で、少しだけ『鋭角』にし、『骨格に合わせた長さ』に整えるのがおすすめ。そのためにシェーバー、ハサミ、毛抜きはぜひそろえておきましょう。薄い部分、足りない箇所はアイブロウペンシルで書き足すと、一気に顔立ちが引き締まります。その際、パウダーチップとスクリューブラシが一体になったタイプが便利。色は必ずグレー。ブラウンは色浮きするので避けたほうが無難です」
もはやメイクは女性だけのものではない。社会人のたしなみとして、生活に採り入れるべき麗しのルーティンなのだ。
デオドラントアイテムを徹底活用
<フレグランス編>
ジェンダーレスの流れから香りに敏感な男性が増えているが、ビジネスシーンで必要なのは「匂いを消す」というステップ。相手に不快な印象を与えないためにも、男性特有の匂いをしっかり予防することから始めよう。
「皮脂や汗に加えて、緊張したときのストレス臭など、現代社会の匂いは多岐にわたっています。スプレーやロールオンなどデオドラントアイテムが充実しているので、ぜひ習慣にしておきましょう。おすすめしたいのがお役立ちアイテムをオフィスにストックしておくという技。外回りで汗をかいたあとに体を拭くボディーシートや、会食や打ち上げなど靴を脱ぐ前に塗っておくフットクリームがあると安心できますよね。それが堂々としたたたずまいにつながると思うのです」
デオドラントのベースができたら、フレグランスへ。
「ビジネスシーンでは、好みの香りを優先させるのではなく、必ず第三者の視点を交えること。つける場所も、手首では香りが立ちすぎることも。腹部にシュッとひと吹きする、またチーフに香りをつけてポケットに忍ばせるのもスマートなやり方です」
「SHISEIDO THE STORE」だからこそ、できること
メンズグルーミングを習慣にするには、まずプロのテクニックを体感するのが近道。そこで就活生から経営者、会社役員まで幅広い男性から人気を博している「SHISEIDO THE STORE」のメンズ向けメニューを紹介したい。まずトライしやすいのが、「メンズアイブロウデザイニング」(\1,500/約10分)。ヘアメイクアップアーティストが顔全体のバランスを見ながら似合う眉をデザインしてくれるもので、施術を受けた多くのビジネスパーソンがリピーターになるという。
さらに大切なプレゼンやミーティングの前に頼りたいのが「メンズグルーミング」(\2,500<ショート>、\3,500<ミディアム〜ロング>/約30分>)。プロによるヘアスタイリングとメイクアップは風格となって表れ、仕事の結果にも結びつくことだろう。
ちなみに、ポートレート写真を残したいなら、スキンケア、メイク、ヘアセットまでがついた充実の「メンズフォトプラン」(\15,000/約90分)もある。丸の内、大手町、新橋、虎ノ門など、ビジネス街からのアクセスがいい銀座で受けられるメンズグルーミング。プロによって磨かれた自分を体感しに、ぜひ出かけてみたい。
SHISEIDO THE STORE
東京都中央区銀座7-8-10
03-3571-7735(代表)
営業時間/11:00〜20:00 不定休
http://thestore.shiseido.co.jp
Text:Maho Honjo