旅と暮らし
意外と近い! 天国に一番近い島でぜいたくバカンスを
前編 ヌメア、ウベア
2019.12.26
「天国に一番近い島といえばニューカレドニア」と聞いたことのある人は多いはず。世界遺産に認定された世界最大面積のラグーンを誇るフランス領ニューカレドニアは、美しい景観と冒険心をくすぐる自然に囲まれた大人の遊び場にもってこいの場所だ。今回、ニューカレドニアをアイランド・ホッピングしながら、大人の冒険ポイントを紹介していく。
ニューカレドニアについてのよくある疑問「どこにあるの?」に対して説明しておこう。ニューカレドニアは日本から直行便で8時間半、日本を南下し、ざっくり言うとオーストラリアの東側、ニュージランドの北側に位置する。亜熱帯気候に属し、四季があり、年間平気気温が24℃前後という爽やかな地域。南半球にあるため季節は日本とは逆で、正式国名はフランス領ニューカレドニア。そう、ニューカレドニアが「フレンチシックな南国リゾート」と称される理由がここにある。
なぜフレンチシックな南国リゾート?
ニューカレドニアの首都「ヌメア」は、後に紹介する島よりシティーな雰囲気だ。美しい自然環境に囲まれる一方で、ショッピングや、マルシェ(朝市)、カフェ、ワインを楽しめるレストランなどがある。
月曜日以外、毎朝開かれているマルシェでは、南国フルーツや、名産のタロイモやヤムイモをはじめ、新鮮な野菜に国産ハチミツ、すぐ近くの海でとれた日本ではお目にかかれないほど大きな魚介も売られている。また、マルシェだけでなく飲食店のチーズやベーカリー、スイーツが格別おいしい点でもフランスらしさを感じるだろう。
酒類の販売に厳しいニューカレドニアは、スーパーや売店で購入できる時間が月・火・木曜日は終日OKだが、水曜および金~日曜日は午前中のみ。その風習からかお酒の空き瓶が重宝されている。マルシェで売られていたハチミツの瓶もジョニー・ウォカーの空き瓶に入っており、それがかえって目新しく映った。
ハチミツといえば、ニューカレドニアは生ハチミツの名産地なので訪れた際はぜひ入手してほしい。オーガニックハチミツ協同組合に加入している地方が7つあり、そのひとつにヌメアが入っている。
その歴史は1850年、フランスからニューカレドニアにミツバチが輸入されたのが始まり。収穫したハチミツから不純物を取り除く工程のみを施し、生ハチミツを作るのだが、現在に至るまでその方法は変わらず、ニューカレドニア産のハチミツは“生ハチミツ”以外ない。国内のそれぞれの地域に独自の生物多様性、気候、文化があり、地域ごとに特徴のあるハチミツを作っている。
ぜいたくステイを堪能するホテル
ヌメアのビーチ沿いのステイでおすすめは「シャトーロワイヤル・ビーチリゾート&スパ」だ。ここは4つ星の複合施設で、ヌメアで最も美しいビーチ沿いに立地している。110室あるスイートルームは現代的なデザインで広々。レストランは2つあり、フル装備のキッチンもあるので、マルシェで購入した食材を使ってワイルドに料理をして、部屋でゆっくり楽しむのもいい。日中はビーチでのんびりしながら、夜は花火やダンスイベント、ガーデンパーティーもあるので飽きることなく過ごせる。
2019年の話題といえば「ラグビーW杯2019」が挙げられるが、オーストラリア代表のワラビーズは、このホテルで合宿をしていたそうだ。ここのプールはほかと一線を画す。アクアトニック®プールという、300平方メートルに及ぶ室内プールがあり、アクアバイクなど12のハイドロジェット・アクティビティーを備え、32~34℃に温度設定された水の中で健やかな体づくりを体験できる。ハードなスポーツ後のクールダウンにも最適だ。
「天国に一番近い島」の舞台、ウベア島
真っ白なパウダーサンドと海の青さが、奇跡のような美しさを作り出す、ニューカレドニアのロワイヨテ諸島に属するウベア島。旅行記「天国にいちばん近い島」 (角川文庫・森村 桂/著)が、84年に原田知世さん主演映画としてヒット。その映画の舞台になったのがここウベア島であり、ニューカレドニアが天国に一番近い島たるゆえんだ。
ウベア島を案内してくれた雅子さんに、特別に自宅を見学させてもらったのだが、食べ物は家の畑で作り自給自足、電気はソーラーパネル、水は貯水タンクに雨水をためて使う。ウベア島ではこのような家は珍しくなく、むしろそれを楽しんで生活している。
ウベア島を訪れたら、雅子さんが常駐するリゾートホテル「パラディ・ド・ウベア」へ。開放感のある高い天井のロビーを抜けるとビーチという最高のロケーション。部屋はガーデンビューのデラックス以外はビーチに面した1棟1室のコテージタイプ。ひとしきりビーチで遊んだら、サンセットを見ることもできる。ここにも天国があった!と思わされてしまうぜいたくに浸れるホテルだ。
ウベア島へは、ヌメアから国内線のエア・カレドニアで約35分。圧巻の美しさのビーチは、正直、文章でも写真でも説明しがたい。その青と白のコントラストは、はるか遠くからでもまるで蛍光色のようにひと際目立ち、神秘的な色彩に敬虔(けいけん)な思いを抱くほど。ニューカレドニアの大自然やライフスタイルは、間違いなく新たな刺激を与えてくれるだろう。
大人の冒険は、後編のイル・デ・パンに続く。
Text:AERA STYLE MAGAZINE
Cooperation:ニューカレドニア観光局、エアカラン