カジュアルウェア
ビームスFディレクター 西口修平
[ビームス軍団、ピッティを往く。]
2020.05.14
アパレル業界の低迷が言われて久しい。だがそのなかでも快進撃を続けるセレクトショップがビームスだ。その名は広く海外にも知れ渡り、イタリアのフィレンツェで開催される世界最大級のメンズファッションのトレードフェア「ピッティ・イマージネ・ウォモ」でも大きなプレゼンスを見せつける。日本のファッションをけん引するその姿をピッティ会場で追った。
自分というフィルターを通して魅力を広めたい
いまやピッティおなじみの風景となったのがファッションスナップだ。多くのカメラマンが追うのがビームスFディレクターの西口修平氏。自身のインスタだけでなく、自らモデルを務めたスタイルブックを出版するほどの人気だ。会場でもバイイングの傍ら、気軽に撮影に応じ、各国の取材を受ける。インフルエンサーとして注目されることで、自分を表現する大切さが身についたと本人は語る。
「バイイングしたアイテムについても自分の言葉で語り、自身のスタイルに落とし込んで発信することで、一貫した魅力が伝わると考えています。それも国内だけでなく世界であり、さらに世代の異なる若い人たちなどアプローチする範囲も広がれば理想的だと思っています。僕にとってバイイングは天職ですし、その中でしっかり商品の企画ディレクションを行う。そして自身の発信も忘れず行っていきたいですね。まだまだ至らない点ばかりですが」
たとえビームスの社員であっても活動は縛られることはない。自分という媒体を通して、クラシックの現代的な魅力を表現していくことが、今後のクラシックの発展にもつながると信じているからだ。 そしてビームスらしさとは? という問いには「寛大さとこだわり」と。
「寛大さは、自分にここまでの仕事を任せてもらえることであり、その思いを受け止めてくれる人たちがビームスには大勢いるということです。だからこそ萎縮せず、モノづくりやバイイングにも取り組めるんです。こだわりとは妥協しないクオリティーの追求であり、ミリ単位での修正は日常茶飯事ですし、いくら雰囲気がよくても着心地が悪ければ修正し、商品化に3年かかったこともあります。そんなこだわりも中村から脈々と受け継いでいるんですけどね(笑)」
ドレイクスのブースでは、マフラーのストライプ幅についてマイケル・ドレイク社長と膝を突き合わせる。「一方的な指定ではなく、相手にも考えてもらい、最終の仕様を決めます」と西口氏。これに対し、ドレイク氏はこう言う。
「ビームスとほかとの違いは人が素晴らしいこと。明確に物事を理解し、目利きする。一緒にモノづくりしていくなかでもビジョンをもっているので、仕事をすることが楽しいです。それが難しい内容でもチャレンジであり、とても好ましいことです。互いに刺激し合うことで、よりレベルを高めていける。すごくエキサイティングだし、尊敬しています」
Photograph: Mitsuya T-Max Sada
Text: Mitsuru Shibata
Coordinate: Michiko Ohira