スーツ

【2024年最新】おすすめのスーツブランド26選!
日本、イタリア、イギリス、アメリカの名ブランドを一挙紹介

2024.05.30

【2024年最新】おすすめのスーツブランド26選!<br>日本、イタリア、イギリス、アメリカの名ブランドを一挙紹介

スーツを新調しようと考えるとき、ブランドから選ぶのというのもひとつの方法です。ブランドの歴史を知り、デザイナーたちの思いに共鳴したスーツに袖を通せば、着こなしも様になります。今回は数あるなかから日本とイタリア、イギリス、アメリカの4カ国26種の有名スーツブランドを、国別に分けて紹介していきます。

日本のスーツブランド

まずは、日本のスーツブランドの歴史やデザイナー、デザインや技術の特徴、価格帯などについてブランドごとに解説します。

五大陸

1_1_五大陸

「日本発世界服」がキャッチコピーのスーツブランドが五大陸。コンセプトは「英国の伝統、フランスの華やぎ、イタリアの粋、アメリカの合理性…。それらを日本の繊細さによって仕立てたジャパニーズ・ジェントルマン・スタイルを提案します」ということ。

具体的な特徴を挙げると、まずは至高の素材選びです。日本の尾州、イタリアのビエラ、英国のハダースフィールドなど、世界中の優れた産地で自分たちが納得できる最高の素材作りを行っています。次にこだわりを見せるのは、卓越した仕立てです。首元に吸いつく襟や美しくロールするラペル、自然に曲線を描くシルエット。身体になじみ経年優化するスーツは、精緻(せいち)なパターンメイキングと熟練の仕立て技術が織り成す技。そして、日本の美学にもこだわっていて、過剰に装飾をすることなく日本ならではの引き算の美学によるスーツを作ります。「間」や「余白」を意識した、アンダーステイトメントなスタイルが五大陸のスーツの大きな特徴です。

これだけの細やかで丁寧なこだわりを持ちながらも、メンズスーツの価格帯は、6万円台~9万円台くらいが中心となっています。最高の素材を使っていることや、素晴らしい仕立てのことを考えれば、納得の価格でしょう。

TAKEO KIKUCHI(タケオキクチ)

TAKEO KIKUCHIはデザイナーの菊池武夫が1984年に立ち上げたブランドです。色気と遊び心のあるデザインで、トラディショナルでありながらいまの時代を意識。TOKYO発の代表的なブランドです。スーツに用いる生地は95%がオリジナル。生地の表情によってビジネスからドレススタイルなど、幅広いシーンに無理なく馴染みます。

また、メンズスーツとしては珍しく、98%が曲線のパターンで構成されているため、着心地や機能性も抜群です。モデルは、スタンダードモデルの「BRITISH」、丸みのある「LOUNGE」、タイトでスタイリッシュな「NARROW」、機能性とスタイリッシュさを両立した「COMFORT」の4つがラインナップ。

D'URBAN(ダーバン)

「紳士服を真の産業にするために一緒にやりませんか」「わかりました、手を組みましょう」。尾上 清レナウン社長と高橋益久ニシキ社長のこの出会いから、日本におけるメンズスーツの未来へのチャレンジは始まりました。1970年、レナウンニシキが創立され、ダーバンのブランドストーリーはここから築かれていったのです。1971年には、「日曜洋画劇場」(現テレビ朝日系)でスタートさせたCMに俳優のアラン・ドロンを起用。「日本一のかっこいい服を、世界で最もかっこいい男に着せたい」という熱意で、ダーバンがこのとき誕生したのです。

ダーバンの品質に対する「最高の品質の洋服を作る」という姿勢は、ブランドがデビューしてから現在に至るまで変わることがありません。1998年には品質管理の国際基準「ISO9001」を取得し、モノづくりに対する精神を明確化。その思いは、「ああ、ダーバンだ。という一言のために」という一文によく表されています。

BEAMS(ビームス)

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インポートおよび衣料品や雑貨を販売するセレクトショップの代表格のビームス。1976年に創業し、日本のセレクトショップの草分け的な存在です。アメリカ西海岸をベースとした、カジュアルなアイテムが特徴です。セレクトショップの枠にとどまらず、ビームスのオリジナルブランドも幅広く展開しています。

ビームスは、その創業から個性的。創業者の設楽悦三氏はもともと1953年創業の段ボール類を製造する新光株式会社を経営していました。1975年ごろに新宿の飲み屋で知り合った人物に紹介された、重松 理氏(後のユナイテッドアローズ創業者・会長)を店長として、1976年には原宿に6坪の洋品店「AMERICAN LIFE SHOP BEAMS」を開業させました。同店はアメリカ西海岸のカジュアル衣料を直輸入して大成功を収め、1977年には2号店を渋谷の通称「ファイヤー通り」に出店しています。

ビームスのオリジナルブランドの種類は、多岐にわたります。「BEAMS」「BEAMS PLUS」「Ray BEAMS」「BEAMS BOY」などのレーベルが代表的で、メンズのみならず、レディースからキッズものまで扱っています。数あるオリジナルブランドのなかでメンズスーツを数多く扱うのは、「BEAMS F」というレーベル。ドレスラインなのでスーツの価格帯は決して安くはないものの、カジュアルなアイテムや小物の中には、リーズナブルな価格で購入できるアイテムも取りそろえられています。

nano・universe(ナノ・ユニバース)

ナノ・ユニバースは1999年に渋谷にて1号店が誕生した、大人気のセレクトショップ。また、オリジナルのブランドも展開しています。ブランドコンセプトは、「nano(極小)」・「universe(宇宙)」の持つ、独特の世界観を表現するというものです。その魅力はトラッドな感覚をベースに、最先端をゆくモダンなトレンドの表現にあります。過剰なデザイン性を排したベーシックウエアは、洗練を極めた機能美を重視。ジェネレーションの変化をスマートに呼吸しながら進化しつづけるブランド、それがナノ・ユニバースなのです。

そんなナノ・ユニバースのオリジナルブランドは、うれしいことにかなりリーズナブルな価格帯となっています。都会的に洗練され、トレンドも採り入れたスーツのセットアップが、驚きの価格で取り扱われています。フォーマルなスーツやビジネススーツよりも、ナノ・ユニバースの妙味はやはりカジュアルなスーツ。ストレッチリネン素材などの、機能的でスマートなメンズスーツを手に入れることができる、とても人気のあるブランドに急成長しました。

UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)

1_5UNITED ARROWS

ユナイテッドアローズは東京都渋谷区に本社のある、日本を代表する非常に有名なセレクトショップです。1989年に株式会社ユナイテッドアローズが設立され、翌1990年には渋谷区神宮前に1号店がオープンしました。当時のユナイテッドアローズの代表は、重松 理氏。設楽悦三氏と共に、「BEAMS(ビームス)」を創業した人物である重松 理氏が、ビームスから離脱する形でユナイテッドアローズは誕生しました。

そんなユナイテッドアローズはセレクトショップの枠に収まることなく、オリジナルブランドも続々と展開していきます。現在も、「BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS(ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ)」や「UNITED ARROWS green label relaxing(ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング)」をはじめとし、実に20ものオリジナルブランド、レーベルを擁し、男性女性ともに年齢を問わず、熱い支持を集めています。

ビジネスシーンにも使えるトラディショナルなデザインのスーツや、カジュアルなスーツは、価格帯が幅広く、自分の年齢や懐事情、好みによって自由に選ぶことができる、選択肢の広いスーツブランドです。

SHIPS(シップス)

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株式会社SHIPS(シップス)は、セレクトショップのシップスを運営する企業。「BEAMS(ビームス)」「UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)」とともに、日本のセレクトショップ御三家と称されています。シップスの歴史は1975年、東京上野のアメ横の1坪半の区画に、「三浦商店(のちに店名はミウラに変更される)」として店を出したことから始まります。その後、渋谷区道玄坂に「ミウラ&サンズ」をオープンしました。1977年には東京都中央区銀座に、シップスの1号店を出店。シップスブランドを大きく展開していきました。

トラディショナルな要素を今日的な形で表現した「STYLISH STANDARD」をコンセプトに掲げ、時代を感じながらも、こだわりのスタイルを提案しています。そんなシップスのオリジナルブランドのスーツは、8万円台から。オリジナルながらも型紙を自社で製作し、人体構造に基づいた最高の着心地を実現したスーツが魅力です。

TOMORROWLAND(トゥモローランド)

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トゥモローランドは、日本全国にショップを展開するアパレル企業です。海外からの買い付けアイテムを販売するセレクトショップであり、オリジナルブランドの展開も行っている人気ショップです。洗練されたエレガントなスタイルが特徴で、ファッションに敏感な男性女性から幅広い支持を集めています。そんなトゥモローランドは、1978年にメンズのニットメーカーとして創業されました。1982年には「BALLSEY(ボールジィー)」と「MACPHEE(マカフィー)」というレディースのブランドをスタートさせ、翌1983年に自由が丘にトゥモローランド1号店を出店するのです。

エレガントでドレッシーなスタイルを提案するトゥモローランドは、もちろんメンズスーツ作りも得意としています。長く愛用できる素材とデザインのトゥモローランドオリジナルブランドスーツは、感度の高いファッションピープルに愛され続けています。

ESTNATION(エストネーション)

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コンセプトは、「エストネーションから世界へ、東京発信」。それは2001年、有楽町を皮切りにスタートしました。自分たちが納得いくまで作り込んだオリジナルアイテムを中心に、本当のクオリティを追い求めた品ぞろえにこだわっています。大人がオンやオフで本当に着たい洋服を、楽しみながらショッピングできる大人のためのショップです。

毎日をポジティブに暮らす人々に、今以上にオシャレを楽しんでもらい、さらに輝いてもらいたい。海外からのお客さまには、日本人の優しさやまごころ、洗練性を伝えたいというのがエストネーションの信条です。「エストネーション」というブランド名には「東の国」からという意味が込められ、その原点には「東京発信」という発想があります。その独自のエネルギーをファッションに表現し、東京だけが持つ、東京を生きる人々に個性豊かにまとってもらう。モードの絆で東京を起点に世界中をつないでいくのが、エストネーションの思いです。

オリジナルブランド以外にもさまざまなブランドが並ぶ、ファッションを心から楽しめるショップとなっています。

THE CLOAKROOM(ザ・クロークルーム)

オーストラリア、カナダ、そして日本にオーダーサロンをかまえるザ・クロークルームがまとっているのは「品格と色気」です。軽やかでエレガントなフォルムで、男性の身体をモダンに美しく惹き立てます。ザ・クロークルームは、古くから伝わる仕立て職人の技術や叡智を結集し、大人の男性がまとうべき美しいテーラードスーツを作ってくれます。

「BESPOKE」は、すべての工程をひとりの職人が仕立ててくれる、フルハンドメイドのビスポークラインです。ビスポークしかなし得ないシルエットや着心地は、職人の手仕事があればこそのもので、ほかにはない満足感を得られるスーツが手に入ります。「MADE TO MEASURE」は、くせ取りなどの手仕事をふんだんに用いて仕立てるメイドトゥオーダーライン。より本格的な仕立てと匂いたつような色気は、唯一無二の個性を演出してくれます。ザ・クロークルームで最も人気の高いラインです。カウンセリング、生地選び後にサイズ見本を試着して採寸してもらいます。レザーウェアを中心とした、カジュアルなアイテムをオーダーできる「CASUAL ORDER」ラインもあります。

イタリアのスーツブランド

次に、イタリアのスーツブランドの歴史やデザイナー、デザインや技術の特徴、価格帯などについてブランドごとに解説します。

Giorgio Armani(ジョルジオ アルマーニ)

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ファッションデザイナーのジョルジオ・アルマーニは、1934年7月11日にイタリアのピアチェンツァで生まれました。のちのモード界の帝王の誕生です。1957年から1964年までは、イタリアを代表する百貨店であるラ・リナシェンテで紳士服のバイヤーとして経験を積み、流通やデザインのスキルを磨きます。ジョルジオ・アルマーニは人々の求めるデザインや素材に精通していき、1965年にニノ・セルッティに才能を見いだされることとなります。1970年まで、ヒットマンのデザイナーとして勤めます。ジョルジオ・アルマーニはファッションデザイナーとしては未熟でしたが、このヒットマンでの経験が彼を育てたといえるでしょう。

彼が41歳の1975年、自身の名を冠した「ジョルジオ アルマーニS.p.A」社を設立します。それからわずか4年後の1979年、ファッション界のオスカーと評される「ニーマン・マーカス賞」を受賞します。その後も、数々の賞や勲章などを受けつづけていきました。ファッションデザイナーとしては遅咲きながら、「マエストロ・ディ・マエストロ(巨匠中の巨匠)」と呼ばれるジョルジオ・アルマーニ。間違いなく、20世紀に最も成功したデザイナーのひとりです。ベーシックなデザインが多いジョルジオ・アルマーニ。彼こそがベーシックを創造していったのです。

Kiton(キートン)

7代に渡り、服地卸を営む家系に生まれたCiro Paone。仕立て職人(サルト)たちとの交流を深めると同時に、職人の高齢化やナポリを取り巻く環境の変化から、その素晴らしい仕立て服の文化を受け継ぎ、守り続けなければいけないことを見抜いていました。そこで、脈々と受け継がれてきたナポリ仕立てによる、新しい時代の最高のスーツ作りを掲げて、1969年、キートンのブランドを設立しました。モデリストにチェザーレ・アットリーニ、製造にエンリコ・イザイア、さらにはルチアーノ・バルベラまでもが創生期のキートンに参集しました。それは実に純度の高い、歴史的な幕開けでした。

世界で最も美しい服を掲げるキートン。この上ない生地と優れた職人を礎にし、Ciroの理想とするエレガントを求め続けていきます。着心地や着やすさのためには、一切の妥協を許しません。キートンの服特有の柔らかさとドレープの美しさは、職人たちの手によって作り出されているのです。

軽い着心地、エクスクルーシブの素材、一貫して流れるような柔らかな曲線を持った流れるようなシルエット。ナポリ仕立ての伝統を守りつつ、現代的でフレッシュな感覚を併せ持ったブランドは、人々を惹きつける魅力にあふれています。

LARDINI(ラルディーニ)

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ラルディーニは、イタリア中央東部のアドリア海岸に面するアンコーナで1978年に設立された、メンズを中心としたクロージングブランドです。伝統的な仕立の技術そのものであるラルディーニ・ブランドは、数十年にわたる仕立の経験、地域ならではの知識、上質なイタリアでの製造、品質への専心に深く支えられています。こうした特徴のひとつひとつが、ラルディーニをイタリアだけでなく国際的な市場における、重要な衣料ブランドのひとつにしています。

ラルディーニの所在するMarche州(マルケ州)には、伝統的に靴のファクトリーが多い。ラルディーニは自社ブランドとともに、世界中の有名メンズブランドのOEMファクトリーとして、先進の生産技術を磨いてきました。常に新しい要求をクリアして、顧客のニーズに応える、そのことによって自分たちのブランドのエッセンスを作り出しました。ラルディーニの作り出す先進的なフィッティングは、この技術によって生まれたのです。2019年に増設された新棟を含めると8000坪の広大な敷地に最新鋭のコンピューターシステムにより、さらに高い生産性を確立しました。

ラルディーニのスーツの価格帯は、10万円台から30万円台くらいが中心。その価格に見合う、価値のあるスーツを提供してくれるブランドです。

Canali(カナーリ)

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カナーリは80年以上にわたり、テーラーメイドのイタリアンラグジュアリーとメンズエレガンスを守っているブランド。1934年にミラノで創立して以来、職人技が光るメイド・イン・イタリーの卓越したモノづくりを発展させ、文化と歴史、スタイルを融合させた完璧なバランスで優れた着心地の傑作を生み出してきました。カナーリのテーラリングは、革新的でありながら洗練された審美眼のもと、高級素材と細部にもこだわったスタイルを継続しています。現在、3世代目となる家族経営の会社であるカナーリは、世界中に1500人の従業員を擁する企業へと成長。180のブティック、世界100カ国以上の1000を超える店舗で展開しています。

カナーリの特徴は、エレガントで男性らしいテーラードスーツ。かつては日本市場から撤退したことがあったものの、2018年には再上陸を果たしています。韓国出身のファッションデザイナー、リー・ヒョンウク(Hyun-Wook Lee)が、この年にエグゼクティブ・インハウス・デザイナーに就任しています。

Belvest(ベルベスト)

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1964年、アルド・ニコレットによって北イタリアのパドヴァ近郊で創業したベルベスト。パドヴァは文教都市として知られ、世界的な名所に囲まれた芸術豊かな古都で創業されたベルベストは、当初から多くの一流メゾンのプレタポルテを請け負ってきた名門ブランドです。数あるイタリアのファクトリーの中でも、最高峰に位置するブランドのひとつといっても過言ではありません。

精緻(せいち)な縫製と柔らかな着心地が両立する見事な仕立て。特に襟付けや袖付けなど、スーツの要となる箇所は手作業で行い、ナチュラルで軽い着心地を追求しています。ソフトなコンストラクションを保ちながらも、エレガントさを表現する技は、ベルベストの真骨頂です。また、素材の使い方でシーズン性を明確に打ち出すことも、注目すべき特徴となっています。

着る人を引き立て、どんなシーンにも通用し、流行や時代を超越したたたずまいをも備えた美しいスーツは、現代に生きるさまざまなステータスの男性に欠かせないアイテムです。「ベルベスト」とは、イタリア語で「美しい服」という意味。その名のとおり、クラシックで美しさをたたえた端正なスーツは、マシンメイドの最高峰と称されています。

Brioni(ブリオーニ)

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ブリオーニは1945年、ローマのパルベリーニ通り79番地に最初のブティックを開き、またたく間に国家元首や映画スター、そして財界人たちからライフスタイルの一部として選ばれるまでに成長したブランドです。1952年、ブリオーニはあらゆるブランドのなかでも史上初となる、メンズのファッションショーを開催しました。

そして1959年には、イタリアンテーラリングの伝統的な中心地であるアブルッツォ州のペンネに、ブリオーニのアトリエをオープン。「ブリオーニ・ローマン・スタイル(BRIONI ROMAN STYLE)」と呼ばれる、最先端技術を用いた工場は、ブランドの国際的地位を決定付けたプレタポルテ・クチュールの概念を導入しました。1985年には、より若い世代にブリオーニの天才的な縫製方法を伝える目的で、ペンネに縫製学校「スクォーラ・ディ・アルタ・サルトリア」を設立しました。

ブリオーニの歴史的アイコンといえば、なんといってもスーツです。2020年春夏シーズンの「テーラリング伝説」の広告キャンペーンには、ブランドアンバサダーの俳優、ブラッド・ピットを起用しました。上品なラグジュアリー感のあるブリオーニのスーツが、ブラッド・ピットのダンディズムをより引き立てる印象的な広告となりました。

ISAIA(イザイア)

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クラシコイタリア協会に属する、伝統のあるファクトリーブランドのなかで、現代的なエッセンスをたくみに取り入れたモーダな服作りに定評があるブランドが、イザイアです。中世より王侯貴族向けの仕立て服産業で栄えたイタリアのナポリにエンリコ・イザイアが服地店を構えたのは、1920年代初頭のこと。上質な品ぞろえで魅せは評判となり、数年後エンリコは店の隣に紳士服の仕立て工房を併設します。それは、イザイアの始まりでした。

その後、息子たちのエンリコ、コラッド、ロサリオのイザイア兄弟に引き継がれたビジネスは順調に進み、1957年には仕立て職人の街として名高いナポリ近郊のカサルヌオーヴォに仕立て工房を移転し、」拡大しました。そしてイタリア中の高級紳士服店へ高品質なテーラードウエアを納めるまでに成長します。

1980年代には工業化と国際化を進めつつ、自社ブランドの生産を開始します。イザイアはその後、イタリア随一のテーラーとして今日の地位を築き上げます。仕立ての柔らかさが魅力的で、「芸術」と称されるカッティング技術が秀逸なファクトリーブランドとなっています。

Cesare Attolini(チェザレ アットリーニ)

イタリアはナポリの名テーラー、「ロンドンハウス」にてサルト(仕立て職人)として活躍し、伝説のカッターとして語り継がれているヴィンツェンツォを父に持つのが、チェザレ・アットリーニです。1930年にナポリの地でチェザレ・アットリーニブランドを創業して以来、「針と糸と指ぬきとはさみさえあれば良い」をポリシーに、いつの時代も変わることのない普遍的なカッティングを現在も守り続けています。美しいドレープから作り出される、構築的で男性的なシルエットが特徴のスーツ。そのグラマラスなフォルムと超絶技巧のハンドワークからなる最高の着心地は、世界中の男性から憧れを集めています。袖付けの位置は高く、マニカカミーチャやバルカポケットなど、ナポリスーツの基本ともいえるディテールを継承しているブランドです。

チェザレ・アットリーニのスーツは決してお安いものとはいえません。しかし卓越したカッティングとグラマラスなフォルム、至高の着心地の、男性の憧れの的のスーツを手に入れるための投資と考えて、一着試してみるのはいかがでしょうか。

イギリスのスーツブランド

紳士の国、イギリスのスーツブランドの歴史やデザイナー、デザインや技術の特徴、価格帯などについてブランドごとに解説します。

dunhill (ダンヒル)

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1887年、当時15歳のアルフレッド・ダンヒルは、イギリスの首都ロンドンで父親の馬具専門製造卸売業で働くようになります。父の商売のやり方は時代遅れであると感じ、自分で新しいやり方で商売をやりたいという野心を持つようになりました。1893年、21歳で父から家業を受け継いだアルフレッド・ダンヒルは、馬具商のかたわら「Moter Mart(モーター・マート)」という自動車屋を始めます。先見の明で自動車が広く普及するということを見越し、自動車関連アクセサリーを売りはじめ、これが「Dunhill Motorities(ダンヒル・モートリティーズ)」の誕生でした。

商売の才能があったアルフレッド・ダンヒルは1907年、デューク・ストリート31番地にタバコスペシャリストを開業します。革新的な発想で、おしゃれな喫煙具屋としてロンドンのウエストエンドにて一躍有名となります。1923年にはロンドンに「Alfred Dunhill Ltd.」を創立、ニューヨークにもアルフレッド・ダンヒル店をオープンさせました。

1925年、ココ・シャネルと出会い英国紳士スタイルに目覚めたアルフレッド・ダンヒル。かの有名な、シャネルスーツのデザインをしたといわれています。現在ではスーツを中心とした紳士服やレザーアイテム、ライター、アクセサリーなどのメンズアイテムを販売する、イギリスを代表する高級ファッションブランドとして広く知られています。

Paul Smith(ポール・スミス)

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ポール・スミスはノッティンガム出身のファッションデザイナーおよび彼の展開するブランドです。1970年にノッティンガムに初めての店を開く。当初はマーガレット・ハウエルやケンゾーなどのアイテムを取り扱っていました。そして徐々に、自身の名を冠した商品の取り扱いを始めます。1976年には初のファッションショーをパリで開催。以降、毎シーズンパリにてメンズコレクションの発表をするようになりました。

1984年、ポール・スミスは本格的に日本にも進出し、青山の骨董通りに路面店を構えます。1987年にはニューヨーク5番街にも路面店を構え、若いエリート層の間で一躍ステイタスシンボルとなります。1998年、ロンドンの高級住宅街ノッティングヒルニ、ビスポーク(注文服)のアトリエを併設した旗艦店「ウエストボーンハウス」を開店します。

「ひねりのあるクラシック」をコンセプトとしたポール・スミスの服は伝統的な技術、仕立てと遊び心が共存する個性的なもの。ブランドのシンボルともなっている色鮮やかな花柄やストライプ柄、写真をプリントしたものなどをメンズファッションにいち早く採り入れ、大成功を収めています。

MACKINTOSH LONDON(マッキントッシュ ロンドン)

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イギリスの伝統的なアウターウエア、MACKINTOSHの起源はマッキントッシュクロスの発明にさかのぼります。1823年、チャールズ・マッキントッシュは、2枚の生地の間に溶かした天然ゴムを塗り、圧着し熱を加えた防水布を発明。この革新的な生地で製作したゴム引きコートは、人々が雨風をしのぐのに苦労していた時代に乗馬用コートやレインコートとして瞬く間にイギリス国内に広まりました。その機能性から2度の大戦に使用された英国陸軍のコートや、英国国鉄の外套(がいとう)を製作。今でもイギリスでは、レインコートの総称をマッキントッシュと呼び、発明者チャールズ・マッキントッシュの名は歴史に刻まれています。

2011年に世界初の旗艦店がロンドンの高級住宅街、メイフェア・マウントストリートにオープンします。翌2012年には世界2店舗目となる旗艦店が東京の南青山に登場しました。2015年秋冬シーズンから、新ライセンスブランドの、マッキントッシュ・ロンドンがスタート。トータルコーディネートコレクションとして、従来のコート以外に、スーツやバッグ、シューズ、シャツなどのオールアイテムが生まれました。

アメリカのスーツブランド

最後に、アメリカのスーツブランドの歴史やデザイナー、デザインや技術の特徴、価格帯などについてブランドごとに解説します。

Ralph Lauren(ラルフ・ローレン)

1967年、ラルフ・ローレンの歴史は一本のネクタイから始まります。ラルフ・ローレンが「Polo」というブランド名を用い、ネックウェアラインを発売。古き良き時代のハリウッドのグラマラスな魅力にインスピレーションを得た、当時のトレンドに逆行するワイドなネクタイのコレクションでした。最高品質のファブリックを使い、ひとつひとつハンドメイドされたものです。

1968年には、ブランド初のメンズフルコレクションを発表します。注目のアイテムはホワイトフランネルのスーツと、意外性のあるカジュアルシャツファブリックを使用した、ドレスシャツ。そして1970年、ブルーミングデールズ内に「Polo by Ralph Lauren」のショップをオープンします。それはこの有名百貨店史上初となる、ひとりのデザイナーのためだけのブティックでした。翌1971年には、初の路面店もオープンします。

1981年には海外進出も果たします。ロンドンのニューボンドストリートにあるPoloショップは、ヨーロッパ発となるアメリカ人デザイナーの路面店。その後もインテリアのコレクションを発表したり、がん治療や研究をサポートするグローバルな慈善活動をしていることでも知られています。

Brooks Brothers(ブルックス・ブラザーズ)

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ブルックス・ブラザーズは、アメリカで最も歴史のある衣料ブランドとして、1818年に創業されました。「最高品質の商品だけを作り、取り扱うこと。適正な利益のみを含んだ価格で販売し、その価値を理解できる顧客とのみ取引すること」。この言葉は、創業者のヘンリー・サンズ・ブルックスが掲げた基本理念です。

サックススーツ、ポロカラー(ボタンダウン)シャツ、ポロコートなどブルックス・ブラザーズが生み出した商品は、世界中の人々に愛用されています。そしてリンカーン、ケネディなどの歴代アメリカ大統領からフレッド・アステア、アンディ・ウォーホルなど、多くの著名人が顧客リストに名を連ねます。

ブルックス・ブラザーズは伝統を大切にしながらも、新たな境地への挑戦を続けます。ケアが簡単なノンアイロンシャツ、通気性や撥水性に優れた「BROOKSCOOL(ブルックスクール)」を用いた機能的なスーツなど、革新的な商品の開発を続け、気鋭のデザイナーとの交流を重ねてきました。そんなブルックス・ブラザーズのスーツの価格帯は、9万円台くらいから。デザインはアメリカらしい、機能的でベーシックなものが中心です。

Paul Stuart(ポール・スチュアート)

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1938年に創業した、ポール・スチュアート。サルトリアの誇りを、男性たち、そしてそのパートナーである女性たちにも提供し、今日的なクラシック・アメリカン・スタイルの神髄を示し続けています。ポール・スチュアートが70年余の長きにわたり、モダンでありながらも表層的なトレンドに堕することがなかった理由、それは「スタイルがあるということは流行を採り入れるということとは別物である」、というシンプルな信念を持ちつづけたことにある。また、正しいファッションの知識とTPOをわきまえたエレガンス、そして洗練された趣味によって、ポール・スチュアートのお客さまは個性を正しく表現してくださる、という信頼に拠るものにほかなりません。

ポール・スチュアートのスタイルとは、イギリスのサヴィル・ロウをルーツとするメンズウエアアメリカ式の解釈をプラスしたものです。メンズウエアは長きにわたり、進歩、革新を繰り返してきました。そのなかでポール・スチュアートは、裕福なアメリカの男性たちの求めに応じて提案し、さらに洗練を加えるべく方向を示し、定義をしつづけました。ロンドンのサヴィル・ロウがイギリスの仕立服の代名詞であるとよく表現されますが、ポール・スチュアートは「アメリカのサヴィル・ロウ」と呼ばれています。

BARNEYS NEW YORK(バーニーズ ニューヨーク)

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バーニーズ ニューヨークは、1923年マンハッタンの7番街17丁目にバーニー・プレスマンによって創業されました。創業にあたりバーニー・プレスマンは、店の家賃と40着のスーツの仕入代金として必要な500ドルを得るために、妻のすすめで彼女の結婚指輪を質入れしたという有名な逸話が残っています。

バーニー・プレスマンのリーダーシップのもとで、店は小さな門構えの店から規模・品ぞろえの面で発展していきました。ディテールだけでなく、サービスにも特別なこだわりをもつことで店を発展させ、その定評ある姿勢は現在も保ちつづけています。また、ホリデーシーズンには何百人もの貧しい子供たちにコートをプレゼントするなど、バーニー・プレスマンにまつわるさまざまなエピソードが語り継がれています。

そんなバーニーズ ニューヨークブランドのオリジナルスーツの価格帯は、9万円台くらいから。構築的な作りや仕立てのよさにより極上の着用感を実現し、機能性やデザイン、品質を追求した「HIGH-LINE COLLECTION(ハイラインコレクション)」のスーツは20万円くらいとなっています。

Thom Browne(トム ブラウン)

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デザイナーで創業者のトム・ブラウンは、1965年にアメリカのペンシルヴェニア州に生まれました。大学はインディアナ州ノートルダム大学で、経営学を専攻しました。大学卒業後には、ロサンゼルスで俳優業を経験しますが軌道に乗らず、俳優への夢は断たれます。ニューヨークに戻ったトム・ブラウンは、その後アルマーニの販売員や、さまざまなファッションブランドで勤務したのち、1995年頃からラルフ・ローレンのクラブモナコでデザイナーとしての勉強を始めます。

2001年、念願の自身のブランド「THOM BROWNE.」を立ち上げます。始めはカスタムメイドのみの紳士服店としてオープンしました。その後、2004年秋冬シーズンからはプレタポルテでニューヨークコレクションデビューし、2005年「Fashon Group Inernationl」のライジングスターアワード、メンズ部門賞、2006年CFDAメンズデザイナーオブザイヤーなど数々の賞を受賞し、一躍世界にその名を轟かせました。2010年春夏シーズンからは発表の場をフランスはパリに移しました。トム・ブラウン本人は次のように語ります。「ランウェイショーにおける“ファッション”は、新しくて挑発的な表現を見せるためのもので、“スタイル”自体は時代に流されることのないクラシックなものでなければいけない。でも僕のコレクションの中には、毎シーズン微妙に違うけれど、いつも“グレー”のスーツという、時代に決して流されることのない存在が核として存在しているんだ。」

まとめ

数あるブランドのなかから日本とイタリア、イギリス、アメリカの4カ国26の有名スーツブランドを、国別に分け紹介していきました。

そのブランドの歴史やバックグラウンドを知ると、一着のスーツもまた違ったものが見えてきます。ポリシーやコンセプトに共感できるデザイナーのブランドのスーツを選ぶというのも、面白いものです。

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    2024.11.01

紳士の雑学