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週末の過ごし方

岸谷五朗が綴る、ショートストーリー。
「大人の男とMINI CLUBMAN」

2020.08.07

俳優・演出家の岸谷五朗が、MINI CLUBMANをモチーフに二つのショートストーリーを綴る本企画。まずは、MINI CLUBMANが彩る豊かな大人の男の休日について――。

第一話「ヒトリ時間」 作・岸谷五朗

五感が選択する気分――。その日のお気に入りスニーカーに足を通すところから「ヒトリ時間」は始まる。仕事に向かうスーツや革靴は嫌いではないが、それはある種の最高の戦闘服であり、もちろん今日ではない。デイ オフの服選びは「感じるまま」がテーマだ。頭で考えず五感が勝手にリコメンドしてくれる服を迷わず羽織っていく。出来上がったスタイルを部屋のガラスが映す時、「これが今日の俺の気分か……」と自分確認するのも自由から生まれた楽しみだ。

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デイ オフの車内はリアドアをオープンしたところから男の宝箱へと変化する。異次元に誘ってくれるお気に入りのアイテムを無造作に積み込める喜びが、そのフットワークの軽さを後押ししてくれる。最後に「ヒトリ時間」のパートナーが、男の心の高ぶりを超える喜びで乗り込んでくる。留守番が多い彼と今日はたっぷり「一緒時間」。罪滅ぼしでもある。「さあ! 行こう」。声に出して言ってみると愛犬モーリスがひと吠え応えて、それがスタートの合図となる。滑るようになめらかに。まるで男の心を見抜いているかのように、大好きなスニーカーで踏み込むアクセルとの絶妙な相性がMINIを潮風の世界へと軽快に誘う。

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男と愛犬と愛車。種類の違う三者の気持ちが、ブレること無く一緒になった瞬間がたまらない。そして、もう一人……。助手席に鎮座した写真立ての中からそれらを見守るかのような一枚が、助手席をリザーブして微笑んでいる。最高のデイ オフが始まった。

行きの車内では必ずFMだ。この瞬間のライブを感じたい。CDで聞くのと一味も二味も違うのは、流れてくる名曲たちが「偶然」という奇跡で交わること。絶景に飛び込んで行くMINIが絶妙なコーナーリングで風を切り、まるで天使が演出したようなタイミングで思い出に染まった曲たちがラジオから降り注いでくる。たまらない偶然と色々あった感慨深い人生に震え、今日を生きていることに感謝だ。そう、慌てることはない。このゆったりとした時間を瞬間瞬間楽しむだけだ。音楽と共に男の宝箱が大きくコーナーを攻める時、逆光となったMINIがスピリチュアルなシャドーとなり風を切る。目的地までの時間が「満足時間」になることは最高のラッキーだ。

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そして、浜辺が海と風と共に「男と犬と愛車」を包む。

二時間余りの波との戯れは、愛車とのドライブと似ている。無我でいさせてくれる「特別時間」が心地よく流れる。無にしてくれることは最大のリラクゼイションなのだ。波打ち際から戻れば、助手席の彼女が写真立ての中から最高の笑顔で「今日はどうだった?」と迎えてくれる。共に生きた素晴らしい回想録に涙で浸る時は過ぎ、今は一緒に前に進みながら生きている。そんな感じだ……。どんな時も、そして、これからも。写真の妻が「新しい彼女ができたら助手席は譲ってあげるわ」と微笑んでいる。「まだ、それには、もう少し時間が掛かりそうだ」と答えてみた。

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「ヒトリ時間」は決して一人ではなく、沢山の「思い出」と「今」を会話しながら心が温かさに満たされ「生きる」……。そんな感じだ。

夕陽に包まれ未来の道に向かってMINIのアクセルを、また踏んだ。MINIの後ろ姿が希望の轍(わだち)を創っていく……。スマホから、オーディオに大好きな曲を飛ばした。

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問/MINIカスタマー・インタラクション・センター 0120-3298-14
https://www.mini.jp/

ブルゾン¥46,000、パンツ¥35,000/ともにアスペジ、ニットポロ ¥37,000/フィリッポ デ ローレンティス(すべてトヨダトレーディング プレスルーム 03-5350-5567)、シューズ¥58,000/オフィチーナスローウエア(スローウエアジャパン 03-5467-5358)、眼鏡¥38,000、クリップオン¥23,000/ともにフォーナインズ(フォーナインズ 03-5797-2249)、バッグ¥400,000/コノリー(コノリー 銀座店 03-3574-3411)、時計¥2,080,000/ヴァシュロン・コンスタンタン(ヴァシュロン・コンスタンタン 0120-63-1755)

Starring:Goro Kishitani
Photographer:Yuji Kawata(Riverta Inc.)
Styling:Eiji Ishikawa(TABLE ROCK.STUDIO)
Hair & Make-up:Yurie Taniguchi
Edit & Text:Haruhiko Ito(Office Cars)
Producer:Shingo Fujioka(AERA STYLE MAGAZINE)

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