カジュアルウェア
ファッショントレンドスナップ78
ポロシャツでドレスアップ?
ゆるくならない大人コーディネートを厳選。
2020.08.27
カジュアルな夏場所の東西横綱と言えば、Tシャツとポロシャツ。どちらも、ほぼほぼコーディネートを考えなくていいので、この季節は出番が多くなります。しかし、単調で無難なコーディネートに陥ってしまったり、カジュアルすぎて学生のような雰囲気になったりと、いいとこずくめというわけではありません。
そこで、今回はこのヘビーローテーションになりがちなポロシャツにフォーカスして、普段とは違うコーディネートを提案します。Tシャツを取り上げないのは、ポロシャツのほうがビジネスからデート用までドレスアップが可能だから。
また、前置きが長くなってしまいましたね……。
こちらのジェントルマンは、ポロシャツをモードな雰囲気で着こなしています。ポイントは、首にネッカチーフ(小ぶりのスカーフ)を巻いているところ。シャツにアスコットタイやスカーフを巻くことはありますが、ポロシャツに巻き物というスタイルはかなり珍しいですね。
ただ最近、東京のセレクトショップのスタッフの方々の間ではかなりはやっているみたいで、インスタなどでもよく目にするようになりました。ネッカチーフをしたときは、ポロシャツのボタンは全開けがお約束。ちなみに、このジェントルマンのものは、ボタンが付いていないスキッパーと呼ばれるポロシャツの珍しいタイプ。
全身は、こんな感じで超モード系。パンツは、パープルで足もとに花柄のプリントがあります。サンダルは、甲にキルトと呼ばれるフサフサが付くトレンディーなデザインとスキがまったくありません。
リネン×シルク素材のポロシャツ¥31,000、首元に巻いたネッカチーフ¥16,000/ブルブレ(ヴァンドリ青山本店 03-6418-7832)、サングラス¥37,000/カトラー&グロス(オプティカルテーラークレイドル青山店 03-6418-0577)、パンツ¥28,000/アマルフィ、キルト付きスニーカー¥77,000/ヘンダーソン(ともにアルソーレ 045-901-1808)
今回のスタイルを私なりにアレンジしたのがこちら。日本でジェントルマンと同じようなパンツを探すのが大変なのと、それをはいて行く店や場所も限られてしまうのでチェンジ。
パンツは、プリントものからストライプに。定番の無地にしないで、あえてストライプにすることでメリハリを出しました。パンツとネッカチーフの色はポロシャツと同系の色でまとめるとモード感が出ます。
スキッパーポロ¥24,000/ブルブレ(ヴァンドリ青山本店 03-6418-7832)
ちなみにスキッパーポロのおすすめはこちら。コットン100%でミラノリブというとても細かくコシがある編地で、日本の熟練の職人の技で編み上げられています。
こちらのジェントルマンはポロシャツをビジネススーツに合わせています。なんとポロシャツのボタンは全部留め。ポロシャツのボタンは開けて着るというスタイルが日本では一般的なので、こうした着方を見ると「???」と思う人がいるかもしれませんが、ヨーロッパではクラシックなポロシャツの着方のひとつとして知られています。
全身を見るとスーツはなんとWブレストでした。ベージュのスーツはこの時期に見ても涼しく見えませんか? 夏にもスーツを着て出勤したいというスーツマニアの方は、ぜひトライしてみてください。
ソフトコットン ニットポロ¥24,000/グランサッソ(フローエンス トーキョー https://floens.jp/)
グランサッソは、1952年にイタリアで創業しハイクオリティーなニットを追求しつづけている専業メーカーの自社ブランド。デザインのポイントは袖と裾がリブのないストレートになっているところ。 最後に大切なことを書き忘れていました。スナップのジェントルマンのように、スーツやジャケットの下に着るポロシャツのデザインで大切なポイントを。
ポロシャツ¥26,000/ジョン スメドレー(リーミルズ エージェンシー 03-5784-1238)
襟は、上の写真のように先が少し垂れとがっていて、編み地が普通のポロシャツよりも少し薄く細かなものを選ぶことです。上の写真の黒のポロシャツは、1784年にイギリスで創業したという老舗ジョンスメドレーのもの。このデザインの襟は一般的にイングリッシュカラーと呼ばれていて、鹿の子編みの一般的なポロシャツや代襟付きの襟に比べてクラシックな印象です。
個人的には、スーツやジャケットの下に着るときはこちらの襟のほうがエレガントで品よく着こなせるので、スポーツ系ではなくこちらをオススメしています。
ポロシャツを購入の際は、ブランドや色、素材のほかに必ず、襟のデザインをチェックするのをお忘れなく。着こなしがガラッと変わりますよ!
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
トレンドスナップのまとめはこちら
プロフィル
大西陽一(おおにし・よういち)
数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに通い、日本人でもまねできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こなしを求めたトレンドウオッチを続ける。
Photograph & Text:Yoichi Onishi