腕時計

知る人ぞ知る実力派ブランドを取り扱う名店
Shop①:アドヴィンテージ
【こだわりのビンテージ時計が買える注目の3ショップ】

2020.09.30

知る人ぞ知る実力派ブランドを取り扱う名店<br>Shop①:アドヴィンテージ<br>【こだわりのビンテージ時計が買える注目の3ショップ】

男のアクセサリーとして変わらぬ人気を得ている機械式時計。話題性と実用性に注目が集まる現行モデルとは別に、近年ビンテージ・ウォッチに目を向ける人がジワジワと増えている。いにしえの伝統的デザインを他にはない味わいととらえる人、ブランドの歴史やユニークな機構に興味を持つ人。加えてその希少性から資産形成の一環として探す人などなど、さまざまな動機から求められているという。確かであるのはビンテージ時計を身に着けることで、スタイルや着こなしに味わい深い個性がさり気なく加えられるという事実。そこで今回は、なかでも近年著しく注目されている個性的なビンテージショップを紹介する。

「ビンテージの魅力が詰まった低知名度の手頃な逸品は必見」

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開発著しい渋谷駅周辺のなかでも、昭和の雰囲気を遺す桜丘町の一角。アドヴィンテージは歴史を感じさせる雑居ビルの4階に店舗を構えている。2015年からこの場所でビンテージ時計専門店として営業を続ける同店は、品揃えにユニークな特徴がある。いわゆる人気ブランドであるロレックスやオメガ、タグ・ホイヤーなどではなく、知る人ぞ知る実力派ブランドのレアな良品に絞ってストックしているのだ。店主の佐伯さんはその思いをこう語る。

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「当店ではスミスをはじめ、1940年代を中心に、イギリス市場で人気のあった英国・スイスを含めた正統派ブランドの時計を扱っています。知名度が今ひとつということで正しく評価されていない様々な名品を、もっと多くの人に知ってもらいと考え、今のラインナップにたどり着きました。ほぼ無名に近いブランドのビンテージは、有名ブランドのソレに比べ、非常に手頃な価格であるところが大きな魅力です。しかも当店のラインナップはコンディションにも十分気を配っており、現代的な日常生活にも対応する実用機能を維持した程度の良い個体を吟味し販売しています」

ラインナップも確かにユニークだが、アドヴィンテージらしさの極め付きが火曜日だけ、しかも午後から夜間に掛けてオープンするという業態にある。

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「当店のお客様は昼間の時間に働いている、いわゆる30歳代を中心としたサラリーマンの方がメインです。彼等の休日の基本は土日になりますが、そういったウイークエンドにわざわざ時間を割いてビンテージ時計を探そうという方は稀。逆に週始めの仕事帰りなどに、フラッと立ち寄れるくらいの営業体制が丁度良いのです。当店はホームページとインスタグラムで随時商品を紹介しており、興味のある方は当店のウェブ上で一定のアイテムセレクトを済ませ、実際に購入するかどうかは店舗にて実物に触れつつ決めるという人がほとんど。つまり、フルタイムで営業することが必ずしもマストでないことが分かり、今のペースでオープンすることとなったのです」

また、「マンスリーテーマ」を月ごとに定め、世界観ある豊かな打ち出しを実施しているところもアドヴィンテージらしさのひとつ。直近では第一次世界大戦当時に活躍した「タンク(戦車)」に発想を得た、直線的なレクタンギュラーモデルにフォーカスし、ブローバやモバード、アルピナなどの程度の良い角形時計を打ち出すなど、固定客をも飽きさせない工夫を凝らしている。値段も6万円前後を始め10万円台を中心にするなど、比較的手を出しやすいところも魅力的なのだ。

スミス“デラックス”1957年製

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多くのブランドを扱うアドヴィンテージだが、なかでもスミスは豊富にストックされるブランド。英国らしいクラシシズム溢れるルックスは、ビンテージ好きの琴線に触れる凛とした美しさを放つ。このモデルは文字盤に輝く王冠をいただいた高級モデル。K9・無垢のデニソンケース内部には優れた実用性を備えた15石仕様の自社製ムーブメントを搭載する。¥187,000(税込み)

スミス“プレ・デラックス”1940年代製

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スミスブランドの初期に打ち出された貴重なモデルは、文字盤に“SMITHS”の銘のみが入るシンプルな仕様に特徴あり。影付きのアラビアインデックスにスマートなリーフ針の組み合わせから漂う、研ぎ澄まされたミニマリズムが美しい。英国の高品質ケースメーカー、デニソンのスチールケース内部には、上掲のデラックス・モデルと同じ自社製cal.1215を搭載。¥176,000(税込み)

J.W.ベンソン by スミス 1957年製

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「J.W.ベンソン」は懐中時計の時代に名声を得た英国王室御用達のジュエラー。第二次世界大戦後などはスイスメーカー等に発注したモデルを自社にて扱うようになる。なかでもスミスに別注を掛けたモデルはデザイン、クオリティともにハイレベルと評価も高い。ムーブメントは通常の15石ではなく二番車にも受け石を配した特別な16石仕様。50年代までしか製造されないストレートラグを持つK9・無垢のケースも見逃せない。¥220,000(税込み)

Photographer:Ryo Toyoda
Text:Tsuyoshi Hasegawa (04)

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