腕時計
ビンテージロレックスの専門店
Shop②:クラウンマニアックス東京
【こだわりのビンテージ時計が買える注目の3ショップ】
2020.10.07
男のアクセサリーとして変わらぬ人気を得ている機械式時計。話題性と実用性に注目が集まる現行モデルとは別に、近年ビンテージ・ウォッチに目を向ける人がジワジワと増えている。いにしえの伝統的デザインを他にはない味わいととらえる人、ブランドの歴史やユニークな機構に興味を持つ人。加えてその希少性から資産形成の一環として探す人などなど、さまざまな動機から求められているという。確かであるのはビンテージ時計を身に着けることで、スタイルや着こなしに味わい深い個性がさり気なく加えられるという事実。そこで今回は、なかでも近年著しく注目されている個性的なビンテージショップを紹介する。
「顧客と長く付き合っていける専門店を目指して」
ロレックスは新旧問わず人気のブランドであることはご存知のとおり。世界共通の普遍的価値を持つアイテムということもあり、資産のひとつとして所有する人も少なくないという。数多くのコレクターを擁するロレックスのシーンだが、なかでも昨今特に注目を浴びているのがビンテージロレックスというカテゴリーだ。クラウンマニアックス東京は、そんな注目度の高いビンテージロレックスを専門で扱う特別なショップ。そもそも、オーナーの日比さんは雑誌の編集・ライターとしての実績を持ちつつ、趣味であったビンテージロレックスの収集を本業としてしまった人物。それほどに惚れ込んでしまったのだと振り返る。
「趣味として始めたときはオメガなども買っていましたが、色々に手を広げるとそれだけ幅のある知識が必要となります。ですので、どうせ一人で始めるなら専門店として続けていく方が、濃いサービスを確立できると考え、若いころから憧れを抱いていたロレックスを軸に事業をスタートさせたのです。個人的に1950~60年代のビンテージロレックスが好きで、それらは職人が手作業で作っていた頃の温かみが残っているように感じます。また1950~60年代のロレックスは、デザイン的にもバリエーションが多く、レアなモデルに出会える楽しさも併せ持っているところが特徴的」
そしてロレックスにこだわるもうひとつのポイントが、時計としての優れた実用性だ。
「やはり時計は日常的に使える物が理想です。古い時計だとどうしても防水性や堅牢性などに問題ある個体が多いもの。しかしロレックスはそのへん実に優秀です。リペアパーツもある程度残されているので、満足できるクオリティにて店頭に揃えることができるのです。また今述べた理由により、末長く愛用できるところもロレックスならでは。当店の場合は買い替えの需要も強く、以前に購入した顧客が下取りに出され、新規に別のモデルを買っていくという場合も多いんです。そのように一定の顧客と長く付き合っていけるところも、ロレックスだからこそと思います、そう言う意味ではヒストリックカーの販売店などとどこか似ているかもしれませんね」
今回撮影用として選ばれたビンテージロレックスは、デイトジャストなどを含むドレス系の3本。それは編集部からの『30歳代サラリーマンに適したモデル』というリクエストを反映したラインナップだ。その他クラウンマニアックス東京では、いわゆるスポーツロレックス・モデルも多数取り扱っている。
「当店では常時30本ほどのビンテージロレックスをストックしています。実はその8割はスポーツロレックス。そちらは値段が少々張りますが、1950~60年代のミラーダイヤルやレアダイヤルなど、自信をもって奨められる貴重なモデルを揃えています。こちらもぜひ見に来ていただきたいと思います」
ロレックス オイスターパーペチュアルref.6286 1954年製
ファンの間で「セミバブルバック」と呼ばれる、厚みあるケースが特徴のビンテージ・モデル。人気のブラックダイヤルは、約80年前の製品とは思えないほどに光沢を残している。「ブレベット」リュウズが50年代モデルであることをさり気なく主張する逸品。¥698,000(税込み)
ロレックス エアキングref.5500 1960年代後半製
オイスターパーペチュアルの一モデルとして1940年代に登場したエアキング。このモデルは60年代の機械を積みつつ50年代風の「顔」を持つ変わり種。全アラビア数字の文字盤は非常にレア。しかもホワイトダイヤルというのが実にユニークだ。¥698,000(税込み)
ロレックス デイトジャスト ref.1603 1960年代製
3本筋パターンが特徴のいわゆる「スリーテッド」ベゼルは、1960、61年だけに製造されたレアピース。なかでもブラックダイヤルはかなり貴重とのこと。もちろんブレスレットも純正だ。通常、デイトジャストのベゼルはホワイトゴールドだが、スリーテッドのベゼルはステンレス製。¥1,398,000(税込み)
Photographer:Ryo Toyoda
Text:Tsuyoshi Hasegawa (04)