接待と手土産
優美さあふれる非日常の舞台で
シェフズテーブルの極上の美味を。[部長の名店]
表参道うかい亭
2020.10.09
「大型案件を成功させたときに、上司に連れて来てもらったのが、この店とのお付き合いの始まりです」と部長が言う名店・表参道うかい亭。鉄板の上で繰り広げられる美食と世界観あふれる空間が「特別な接待」を予感させる。
エントランスは紅漆喰(べにしっくい)の壁に古材を用いた重厚な造り。表参道のケヤキ並木を見下ろすメインダイニングとデザートラウンジをつなぐ回廊には、アールヌーボーの傑作が並んで、まるで美術館のようだ。夜になればすべてがよりなまめかしさを帯び、時間と空間を超越した非日常の世界が現れる。
個室では、磨き抜かれた鉄板の前にシェフが立ち、さながらシェフズテーブルだ。
脂のはぜる音、香ばしい匂いを間近にプリミティブな喜びが湧き上がる。いつの間にか、ゲストとホストの境も緩やかに溶けていきそうだ。招かれた側からするとまさに「(自分が)大切にされている」と実感できる舞台だ。
そうした演出を極めることも、名店の証しだろう。
Photograph: Reiko Masutani
Text: Sachiko Ikeno, Akane Matsumoto