特別インタビュー
伊勢丹新宿店 メンズ館 地下1階
紳士靴スタイリスト 齋藤里沙さん
この人から買いたい、この一品
2021.01.18
靴選びの楽しさを知っていただけたらうれしいです
昨年春からメンズ館の紳士靴売り場を担当しており、以前は本館の婦人靴売り場におりました。入社時から靴志望でした。私自身、靴選びにとても苦労してきたので、自分の足に合う靴を見つけるお手伝いがしたいと思ったのです。
私の足は、サイズは普通なのですが、甲が低くウィズ(足囲)が細くて、かかとも小さいんです。なのでパンプスは諦めていたのですが、「YourFIT365」を体験してみたら、簡単に私の足に合うパンプスが見つかりました。
「YourFIT365」とは3D足型計測器で足をスキャンすることで、自分の足にぴったりの靴が見つかるサービスです。伊勢丹新宿店では紳士より婦人で先に導入されています。婦人靴から異動してきたとき、ちょうど紳士靴にも導入されたころだったのですが、どんな靴が自分の足に合うか悩まれている男性の方には、これは本当にオススメしたいです。
三越伊勢丹のアプリと連携していただくと、計測したデータをスマートフォンで持ち歩くことができます。そのままオンラインショップでご購入いただくことも可能です。いままで思っていた自分の足型が思っていたのと違っていたり、いつも同じところに靴ずれができる理由がわかったり、新しい発見もあるので一度体験してみる価値はあると思います。
紳士靴は女性の靴に比べてデザインが少ないので、初めのうちは革靴が全部同じに見えたのですが、ブランドや製法の違いを知るようになってからは奥が深いなと思うようになりました。同じプレーントウでもさまざまな木型があるので、人によって合う・合わないがあるのは当然ですよね。
トウの微妙な形状はスタイリングに大きく影響するので、ファッションに敏感な方なら、とてもこだわりたいところだということもよくわかります。そんな靴選びのお手伝いができることがうれしく思います。自分に合う靴を見つけたときの喜びと、その靴を履いて出かけるときのワクワクする気持ちをたくさんの方に知っていただきたいと思いながら接客しています。
齋藤里沙さんおすすめの一品
シェットランドフォックスのストレートチップ
シェットランドフォックスはリーガルのアッパーラインです。日本国内ではリーガルのブランド名がとても有名なので、その陰に隠れていますが、1982年に誕生した由緒あるリーガルのファミリーブランドです。当初は海外向けのブランドネームだったようですが、10年ほど前から日本人のための日本製の靴としてリニューアルされました。
歴史ある伝統的なシューズブランドの名品木型は、定番として愛されているものの、いまから50年以上も前に作られた木型では若い世代の足に合わないことがあります。そこで伊勢丹新宿店では、20代から30代のミレニアル世代の足に向けた「ミレニアルラスト」のシューズを各社に依頼し生産していただいているのですが、このシェットランドフォックスもそのひとつです。
つま先をやや小ぶりに、足囲を細身に、ヒールカップは小さくリモデルすることで、若い方の足にも合うようにアレンジしています。使われている革のクオリティーから見てもこの価格はリーズナブルな設定ですので、まだ本格的な高級靴を履かれたことがないけれど良質な靴を体験したいという方にもオススメできる一足です。
問/伊勢丹新宿店 03−3352−1111
Photograph:Hiroyuki Matsuzaki (INTO THE LIGHT)
Text:Yasuyuki Ikeda