特別インタビュー

高いニットを買うべきだというその理由。
[渋谷直角 男が憧れる、男の持ち物。]

2021.01.19

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カシミヤ100%のタートルネックセーターなら、一枚でエレガントな装いに仕上がるだろう。すっきりとしたフィット感でいて、ジャケットやコートをはおったときにのぞくネックのリブがやわらかな雰囲気を醸す。¥218,000/ロロ・ピアーナ(ロロ・ピアーナ ジャパン 03-5579-5182

多才でいてファッションフリーク、渋谷直角の愛用品からそのセンスを探ってみる──。

仲のいいスタイリストさんが昔言っていたのが、「ニットは無理をしてでも、高くていいものを買いなさい」。やはり高いもののほうが、素材も作りも着心地もぜんぜん違うし、流行にも左右されず、10年20年、毎年おしゃれに着ることができる。高くていいもののほうが、結局コストパフォーマンスがいいのだ、と。

それには自分も強い説得力を感じて、確かに毎年同じものを着ていて、違和感も飽きもこないのってニットくらいだし、自分のワードローブに残っているニットで、いまでも「着よう」と思うのはやはり少々高い値段のやつだけだな、と気づいて。お店でニットを見るときも、値段のタグを「買える値段かどうか」じゃなく、「高いなら(きっといいものだから)買おうかな」みたいな、真逆の見方をするようになりました。とはいえニットの世界も、本当に高級なものは値段も青天井なので、そのスタイリストさんが着ていたニットの値段までは、さすがに勇気が出なくて買えないままですけど(6桁。でも確かにカッコよかった)。

次に買うならタートルネックのニットだな、と思っています。初めてタートルネックのニットを着たとき「大人のファッションを、オレはしている!」なんて、めちゃめちゃ感動しませんでしたか? とにかく冬物に合う合う。タ
ートルネックってだけで、こんなにおしゃれ上級者に見えるのか、なんて。僕は高校生のときに親のお下がりをもらって、それはそんなに高いものではなかったから、ずいぶんと着ましたけど2〜3年でボロボロになってしまい、毛玉もたくさんついて着られなくなって。次のはちょっと値段もがんばって、長く着ることができるものを、と。

そうしたら今度は、「大人らしく、いいニットをオレは着ている!」なんて、高校生のころとはまた違う感動があるんだろうな、と思うとワクワクしてくる。ニット探しに街へ出るのが楽しみです。


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「アエラスタイルマガジンVOL.49 HOLIDAY 2020」より転載

Photograph: Tetsuya Niikura(SIGNO)
Styling: Masahiro Tochigi(QUILT)

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