腕時計
3日間以上のパワーリザーブ
[腕時計で幸せになる。]
2021.02.10
ゼンマイを動力とする機械式腕時計は、自動巻きでも腕から外せば2日間程度で針の動きが止まってしまう。ところが近年は長時間駆動のモデルが急増。パワーリザーブが3日間(72時間)前後であれば、週末に利用しなくても月曜朝まで動きつづけているため、慌ててゼンマイを巻いて時間調整する必要がない。高精度の維持にも関係するのだが、ロングパワーを実現するためには高度な時計技術が必要。それが素材やテクノロジーの革新によって一般化してきたと言える。7日間から10日間などのロングパワーリザーブもあるほか、2タイプの振動速度からロービートを選択すれば、2カ月以上動きつづける超絶的なモデルも発表されている。
A. LANGE & SÖHNE(A.ランゲ&ゾーネ)
1990年の東西ドイツ統合で劇的な復興を果たした名門高級ブランド。94年に第1作として発表された「ランゲ1」はオフセンターダイヤルに大型分割式日付表示など、後の時計づくりに大きな影響を与えたモデルであり、3日間のロングパワーの先駆けでもあった。動力ゼンマイを収納した2つの香箱を搭載することで実現したのだが、「ランゲ1・タイムゾーン」では技術革新によって香箱1つで同様のパワーリザーブとなっている。
BLANCPAIN(ブランパン)
「フィフティファゾムス」は1953年に発表されたモダンダイバーズウォッチの原点。これを一般用として展開したのが「バチスカーフ」だ。このモデルはダイバーズでは異色とも言えるサンドベージェをダイヤルとベルトに使用。1970年代のモデルにインスパイアされた5分おきのブロックにされた分目盛りも独特。日常生活で便利な5日間のロングパワーリザーブに加えて、シリコン製ヒゲゼンマイを搭載。精度と耐磁性にも優れている。
TISSOT(ティソ)
オーソドックスなスタイルの3針だが、それだけにビジネスからオフタイムまで、シーンを問わずに愛用できるコレクションの日本限定モデル。ダイヤルもストラップも品格を感じさせるグレーで統一。ケースから滑らかに流れるようにレザーストラップに続くラインが洗練された印象を与える。最長80時間のロングパワーなので、3日おきに時計を替えても止まることがない。シリコン製ヒゲゼンマイを採用しており、精度と耐磁性も抜群。
Text: Keiji Kasaki