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ファッショントレンドスナップ94
ニューノーマル時代に対応したルイ・ヴィトンの新作。
トートバッグとボディーバッグどちらを選ぶ!?

2021.02.12

大西陽一 大西陽一

ファッショントレンドスナップ94<br>ニューノーマル時代に対応したルイ・ヴィトンの新作。<br>トートバッグとボディーバッグどちらを選ぶ!?

時代が大きく変化をしていくタイミングでルイ・ヴィトンは、新しいライフスタイルにマッチしたバッグを発表しつづけています。

例えばルイ・ヴィトンの創業35年目の1889年には、パリ万国博覧会が開催されるのを記念してエッフェル塔が建ち、会場はエジソンが発明した白熱電球で照らし出されていたそうです。

その前年、ルイ・ヴィトンは当時としては画期的なデザインのダミエ・パターンを発表。1896年には創業者ルイ・ヴィトンのイニシャルのLとV、花と星をアレンジしたモノグラム・モチーフを考案し、それを使った名作トランクを発表しています。

まさにルイ・ヴィトンがブランドを確立した時代は、馬車から鉄道に移動手段が替わり、電話機などの電気器具の普及で生活や仕事のスタイルが激変した時期でした。

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新型コロナウイルス渦で世界中のビジネススタイルが変わりつつあるいま、ルイ・ヴィトンがまたしても時代感を採り入れたバッグを発表しました。

デザインしたのは時代の申し子と呼ばれているメンズ アーティスティック・ディレクターのヴァージル・アブロー。彼は、いまの時代感を老舗ブランドのメンズバッグに貪欲に採り入れています。

ここでズバリ、ルイ・ヴィトン今年の春の新作のなかでいまのビジネスワークで使えるものを2点厳選して解説。

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トートバッグ「カバ・ヴォワヤージュ NV」¥446,000/ルイ・ヴィトン(ルイ・ヴィトン クライアントサービス 0120-00-1854

このトートバッグは、レザーにモノグラム・モチーフを通常より巨大化したものをエンボス加工したもの。プリントではないので光の当たり方によっては、このモチーフが控えめに見えたり、逆に強烈に存在感をアピールしたりする画期的なパターン。

買い物や荷物運搬のカジュアルなバッグがルーツだったトートバッグは、昭和のころはITやファッション関係などのビジネスシーンで使われはじめましたが、いまはお堅い職種の方まで広がっています。

出し入れ口は、オープン式で中のものがひと目でわかり取り出しやすく、取っ手は長めで手持ちはもちろん肩がけも可能。サイズは幅45×高さ33×マチ15cmというビジネスにはベストなサイズ。

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トートバッグの中には上の写真のような取り外しのできるファスナー式ポケット(単独でクラッチバッグのように使える)があります。ここに財布や携帯、カギ類を入れておけば、ランチのときにこれだけ持って出られて便利です。

ネームタグ(保有者の名前や連絡先を入れる札)はD型リングに取り付けられていて、取り外すことも可能。ここにかわいいUSBキーやチャームを取り付けて、自分らしさをさりげなくアピールすることもできます。

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バッグ「ディスカバリー・バムバッグNM」¥211,000/ルイ・ヴィトン(ルイ・ヴィトン クライアントサービス 0120-00-1854

これで仕事に?と驚かれる方は多いかもしれませんが、大手銀行が本社の服装を自由化したり、テレワークの普及でカフェやリゾート地で仕事ができてしまう状況になると、こうしたバッグもビジネスシーンに登場する機会が多くなるはず。

ちなみにこうしたバッグは、日本ではボディーバッグと呼ばれることが一般化していますが、アメリカでは医療用の特殊なカバー(ご遺体用袋)としての意味で使われることがあるので、海外で使うのは避けたほうがいいと思います。英語では、バムバッグとかシングルストラップバックパックなどと呼ぶそうです。

話が横道にそれてしまいましたね。

今回のこのバッグは見てのとおり、「モノグラム」がチョークで書いたように濃淡があり、ところどころで重なっていたりする新バージョン。これはメンズ アーティスティック・ディレクターのヴァージル・アブローがルイ・ヴィトンのアイコニックなモチーフを大胆に再解釈したものだったのです。

サイズは、幅44×高さ15×マチ9cm

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全面に取り付けられているダブルジッパーは、その上にレザーのフラップで見えなくしていて、ストラップはマットなレザーにすることで、シャープでラグジュアリーなイメージが強くアピールされています。

最近はこうしたバッグはウェストに着けるのではなく、肩がけして胸の位置に持ってくるのがトレンド。間違いなく日本のビジネスシーンでバムバッグがニューノーマルになる日は近い!と確信しました。

掲載した商品はすべて税抜き価格です。

トレンドスナップのまとめはこちら

プロフィル
大西陽一(おおにし・よういち)
数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに通い、日本人でもまねできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こなしを求めたトレンドウオッチを続ける。

Photograph & Text:Yoichi Onishi

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