腕時計
個性と技術を競うクオーツ
[腕時計で幸せになる。]
2021.02.24
機械式腕時計はゼンマイで駆動するテンプの往復振動で秒を刻むが、クオーツは水晶に電圧をかけると発生する規則的な振動を利用。一般的な機械式が毎秒3〜4Hz(6〜8振動)に対して、クオーツは3万2768Hz(2の15乗)で振動するため、精度が高く、しかも量産できることから、たちまち世界に普及した。その後も光発電や標準時刻電波を受信して自動修正するモデルから、地球を周回するGPS衛星やスマホと連動するなど技術革新が進展。精度や実用性だけでなく、個性的な魅力を備えた多彩なモデルが発表されている。
CITIZEN(シチズン)
2018年に発表、19年に商品化されたシチズンの「キャリバー0100」は、年差±1秒という、外部からの時刻情報に頼らない自律型の光発電時計として世界最高の精度を誇る。このコレクションに初のステンレススチールモデルを追加。ケースやブレスレットにシチズン独自の表面処理「デュラテクトα」を施しており、キズに強く、光沢が長く持続する。1秒ごとに進む(ステップ運針)秒針を真鍮(しんちゅう)製にするなど細部にもこだわっている。
EDOX(エドックス)
多くの防水時計で採用されている「ダブルOリング」を開発し、1961年に特許を取得したエドックス。現在は“THE WATER CHAMPION”をスローガンに、海のF1と称されるパワーボートレースで活躍するパル・ヴィリク・ニルセン選手を支援。人気コレクション「クロノオフショア1」に、彼の勇姿をイメージした新作を追加。厚みのあるベゼルが特徴で、超本格派の500m防水。勝者を示すインデックスの「1」にダイヤモンドをセッティング。
TRUME(トゥルーム)
クオーツだが機械式自動巻きのようなローターを搭載。腕の動きによって、このローターが回転して発電。内蔵したリチウム電池に充電され、クオーツ回路とモーターを制御する「SWING GENERATOR(スイングジェネレータ)」機構を搭載。光の届かない深い森や洞窟、ジャケットで腕が覆われていても充電できる。電池式や光発電に代わるクオーツとして開発された。ベゼルには第2時間帯を24時間で表示。赤い針が指し示す(GMT)。
Text: Keiji Kasaki