週末の過ごし方
この夏、進化するラグジュアリーを、
ウェスティン都ホテル京都で体感する。
2021.07.30
夏の京都もいい。その暑さを厭う向きもあるかもしれないが、さすが千年の都と謳われる地。人々の知恵に裏付けられた涼を求めた工夫がいたるところに見受けられ、これぞ「ニッポンの夏」と呼びたくなる風情に清々しさを覚える。
そんな夏の京都をいま旅するなら、ぜひ宿泊していただきたいホテルがある。ウェスティン都ホテル京都だ。京都はおろか、日本が誇る名門中の名門。その素晴らしさは、アインシュタインやダイアナ妃、各国の皇室や大統領といった数々のVIP中のVIPの心身を癒してきた実績が雄弁であろう。
あまりに有名な宿ゆえに、「何をいまさら?」と思われるのも無理はない。しかし、いまなのだ。この春に創業130年を記念した大規模リニューアルが完了。その目玉である天然温泉を利用した美しいスパ施設SPA「華頂(かちょう)」(写真上)が、夏の京都散策を終えた汗と疲れを存分に洗い流し、深い緑の生い茂る庭園の眺めが、極上のリラクゼーションをもたらしてくれるのだから。
SPA「華頂」でのスパ体験のあとは、併設するエステティックサロン「Le Jardin Sothys(ル ジャルディン ソティス)」へ。豊富な知識と一流の技術を有するセラピストが、温泉浴、スパトリートメント、指圧、お灸、瞑想に至るまでの多彩なメニューから最適なプログラムを提案。現代の「湯治」ともいえる、癒しと健康を実感できるひとときへ導いてくれる。
オールデイダイニング「洛空(らくう)」でのディナーも楽しい。開放的な雰囲気のブッフェ形式のレストランのテーマは、「五感で楽しむカウンター」。和洋問わず旬の食材が踊るライブキッチンの臨場感を横目に、京都らしさが宿る料理に舌鼓。この時期なら、鱧を使ったメニューに注目したいところだ。
ゆったりとくつろげる、京都・東山の自然をイメージした客室の造りも秀逸。いまなら、特に東館がおすすめ。京の夏の風物詩「川床」をモチーフにデザインされたカーペットが、この時期の景色とシンクロし、さり気なく旅情をくすぐってくれるはずだからだ。
数寄屋風別館「佳水園」も素晴らしい。日本モダニズム建築の巨匠、故・村野藤吾による繊細な設計を、気鋭の建築家・中村拓志氏(NAP建築設計事務所)が継承しリニューアル(2020年7月)。ゆったりと「和」の文化に触れられる建物に、各客室で堪能できる天然温泉、佳水園宿泊者専用のライブラリーもさることながら、白眉は「庭」だろう。自然の岩盤を活かした「佳水園庭園」と、その岩盤から流れる滝の水を酒に見立て、緑で表現された瓢箪と杯を配した「白砂の中庭」の洒脱さは、時を忘れて眺めていたくなる。
滞在時の散策に、ホテル裏山の華頂山にある「探鳥路」を巡るのもいいだろう。森林からのマイナスイオンと野鳥のさえずり、そして夏らしい蝉時雨を浴びる時間……。心地よさが極まり、再びスパ施設SPA「華頂(かちょう)」に立ち寄って、施設内でのリラクゼーションのスパイラルに身をゆだねたくなるはずだ。
さてさて、ここまで書き綴りはたと気付いた。130年の伝統を受け継ぎながら、次の130年を見据えてモダンに進化した老舗には、夏に限らず四季折々の魅力がある。それらの変化を、ここを定宿にして末長く見守りつづける……。そんな特別な“京都推し”活動を、2021年夏からはじめたい。
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ウェスティン都ホテル京都
京都府京都市東山区粟田口華頂町1(三条けあげ)
075-771-7111
https://www.miyakohotels.ne.jp/westinkyoto/
Text:AERA STYLE MAGAZINE