接待と手土産
「まるもち家」の水まる餅
すべて実食! 自慢の手土産 #66
2021.08.04
プルンと弾けるように目の前に現れる、無色透明の涼しげな水餅
取引先や目上の方へのギフトには老舗の名品や高級感のある品物をセレクトすることが多いが、同僚や若い人向けには、気軽でそれでいてちょっと話題になりそうな遊び心のあるものをセレクトする。京都伏見稲荷大社からすぐのところに本店を構える「まるもち家」の水まる餅は、SNSで26万いいね!を獲得したことでも話題になった透明な風船に入ったお菓子だ。その風貌は、どうやって食べるの?と一瞬で興味津々にさせる。
皿の上に載せて爪楊枝で突き刺すと、風船が割れてプルプルの水餅が飛び出してくる。思ったより弾力があり、割れるまでのちょっとしたドキドキ感が楽しいし、口に含んだ瞬間、溶けるようにしてなくなっていく食感にも驚かされる。よく冷やして食べると、ひんやりとしたのど越しは熱い夏にはもってこいだ。
わらび餅に似ているが、通常のわらび餅よりもはるかに柔らかい。砂糖をほんの少ししか使っていないため、カロリー控えめで、わずかに甘さを感じる程度だ。同梱されているきな粉と黒蜜をかけて食べるのだが、柔らかくてさっぱりとした水餅とは見事な相性だ。
きな粉と黒蜜以外にも、フルーツソースやカルピス、さらにはスパークリングの日本酒をかけてもおいしいとか。お好みの食べ方をいろいろと試してほしいと店主の田中洋一さんは言う。シンプルな味わいに仕上げた餅は、何にでも合って、自分なりの楽しみ方ができる。アレンジしてインスタ映えする水餅の写真を投稿したくなる気持ちもわかる気がした。
田中さんは、実は洋菓子出身。過去に爆発的に売れた大ヒット商品を生み出したことがあったが、それを人に譲り、今度は和菓子の世界で新たなヒットを放った。和菓子というと伝統や技を重んじる風潮があるが、もっと気軽に楽しんでほしいという。お菓子は、人を幸せにできるもの。若い人や外国人など幅広い人たちにその魅力を知ってほしい。そのために興味を持ってもらったり、自分なりに楽しんでもらえる工夫をしているそうだ。
涼しげなボックスの中に、透明で真ん丸の風船がコロンと入って送られてくる。おっかなびっくりで楊枝を差すと、みずみずしい水餅がプルンと現れる。この夏は、遊び心満載で楽しめて、無色透明で味わいもさっぱり、清涼感もいっぱいの水菓子を贈ってみてはいかがだろう。
まるもち家
京都府京都市伏見区深草一ノ坪町26-3
価格/水まる餅 6個入り(黒蜜・きな粉付き)3300円、3個入り(同)2100円(税込み・送料別)
問/075-286-9055(通販問い合わせ)
https://marumochiya.net/
Edit & Text:Yuka Kumano