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スタンドカラーシャツをコーディネートに採り入れるために
注意すべきポイントと、オススメのブランドを紹介!
2023.02.06(最終更新:2023.09.19)
スタンドカラーシャツとは、襟の折り返しがなく、首に沿って襟が立っているデザインのシャツです。スッキリとしたルックスに目を奪われますが、どのように着こなせばいいのか迷う人は少なくないでしょう。この記事では、スタンドカラーシャツの特徴や着こなしのポイント、おすすめのブランドを紹介します。
スタンドカラーシャツとは? デザインの特徴
スタンドカラーシャツは、襟の折り返しがなく、首に沿って襟が立っているデザインのシャツです。ネクタイと合わせて着用できる一般的なビジネス用のシャツとは一線を画すディテールが特徴です。
襟はシャツを構成する非常に重要なパーツであり、襟の形が少し変わるだけで首元の印象が大きく変わります。
また、「バンドカラーシャツ」と呼ばれるタイプもあります。こちらもスタンドカラーシャツと同じく襟の折り返しがないデザインですが、より襟の高さが低くなっているのが特徴です。
スタンドカラーシャツの着こなしとコーディネートのポイント
続いてスタンドカラーシャツのコーディネートのポイントについて見ていきましょう。ビジネスシャツよりもカジュアル感が強くなることから、着こなしにはいくつかの注意が必要です。
ビジネスシーンのスーツスタイルでは基本NG
先述のように、スタンドカラーシャツはカジュアル感が強く、ビジネスシーンでのスーツとのコーディネートにはあまり適していません。
クールビズのようなノーネクタイが推奨されている環境においても、やはりカジュアルな印象になってしまいますが、会社の社風によっては採り入れるのもいいでしょう。
シャツの性質を理解する
スタンドカラーシャツは、首まわりがスッキリして見えるため、カジュアルでありながらスマートな印象になります。「シルエットをスリムに見せたい」ときにスタンドカラーシャツは活躍するはず。
また、カッチリとしたビジネススタイルにはなじみませんが、細身で洗練された印象を与えることから、ドレッシーなスタイルにはよく合います。
スタンドカラーシャツを1着持っているだけで、コーディネートの幅がグッと広がります。「スタンドカラーシャツはカジュアルにもフォーマル寄りにも合わせることができる」と知っているだけで、日々のコーディネートに幅が出てきます。
体に合ったサイズを選ぶ
スタンドカラーシャツに限らずどんな服にも言えることですが、自分の体に合ったサイズを選ぶことが大切です。例えば自分の体よりもワンサイズ大きいシャツを選択してしまうと、ダボっとしたシルエットになり、だらしない印象を与えてしまいます。
逆に自分の体よりも小さいサイズのシャツを選択すると、ボディラインがあらわになり、やはりいい印象を与えることができません。スタンドカラーシャツを購入する際は必ず試着をし、自分の体に合っていることを確認するようにしましょう。
より自分に合ったシャツを着たい場合は、オーダーすることもおすすめです。もちろん既製品を買うよりも少々値が張りますが、自分の体に合った一着を手に入れることができます。
合わせるワードローブを考える
スタンドカラーシャツは、1着でも着こなすことができますが、どんなアイテムを合わせるかによって印象が大きく変わります。
スタンドカラーシャツと合わせるコーディネートの代表例としておすすめなのが「ジャケット」です。
ジャケットとスタンドカラーシャツを組み合わせることで、通常のYシャツとは違った、決めすぎないラフな雰囲気を演出できます。
また、結婚式の二次会やパーティーに参加するときは、スタンドカラーシャツと「ダークスーツ」を合わせることによって、フォーマルさを演出することができます。
ここでの注意点は「ドレスコードでノーネクタイがOKとなっている場合に限る」ということです。ノーネクタイがNGの場合、通常のYシャツを着用し、TPOをわきまえた服装で行きましょう。
小物と合わせて楽しむ
スタンドカラーシャツはスッキリとしたディテールゆえに、アクセサリーなどの小物との相性が非常にいいのが特徴です。
コーディネートのポイントは、派手すぎないアクセサリーを選ぶことです。主張の強いネックレスなどをつけてしまうと、胸元の印象が強くなってしまいます。きゃしゃなアクセサリーを選ぶことで、さりげなくも洗練された“大人の抜け感”を演出できます。
スタンドカラーシャツの人気ブランド
それでは最後に、スタンドカラーシャツの人気ブランドについて解説します。各ブランドそれぞれの特徴を知り、自分に合ったものを探してみてください。
J.PRESS(Jプレス)
J.PRESSは1902年にアメリカのニューヘイブンで創業されたブランドです。創業者はジャコビ・プレスで、そのこだわりは、創業から100年以上が経った今でも受け継がれています。
時代のトレンドを採り入れながらも、上品さを忘れない製品づくりが特徴。その顧客リストにはジョージ・ブッシュやフォード、クリントンなどの歴代大統領、著名人やセレブも名を連ねています。
日本国内では、伊勢丹本店をはじめ全国各地に店舗を展開。スタンドカラーシャツも、その品質の高さが人気を集めています。
Paul Stuart(ポール・スチュアート)
続いてご紹介するのは、こちらも人気ブランドのPaul Stuart(ポール・スチュアート)です。創業は1938年、ニューヨークのマンハッタンで誕生しました。
ポール・スチュアートは、当初アイビーリーガーを対象にした、高級紳士服の専門店としてスタートしました。現在では女性用の商品もラインアップし、日本国内でも人気の高いファッションブランドです。
このブランドも、スタンドカラーシャツやバンドカラーシャツのアイテムがそろっています。リネンやコットンなど、良質な素材を使った一着は装いの印象を底上げしてくれます。
TOMORROWLAND(トゥモローランド)
次に紹介するのは、東京都渋谷区に本社を置く国産のファッションブランド、TOMORROWLAND(トゥモローランド)です。同名でセレクトショップを運営しています。
1978年に設立し、当初はウィメンズブランドを次々に発表していました。そのなかで1987年にメンズブランド「TOMORROWLAND」を発表し、専門店やセレクトショップ、さまざまなコンセプトショップなどの設立を経て現在に至ります。
現在は企業名でもある「TOMORROWLAND」をはじめとして、20を超えるブランドを展開。
TOMORROWLANDにもスタンドカラーシャツやバンドカラーシャツの取り扱いがあり、無地やストライプなど、さまざまなデザインがラインアップされています。
CABaN(キャバン)
続いて紹介するのはキャバンです。ジャパンは先ほど開設したトゥモローランドが展開するブランドとして知られています。トゥモローランドは多くのブランドを展開していますが、キャバンをスタートしたのは2018年でした。
トゥモローランドの創業者は佐々木啓之氏です。この佐々木氏が指揮を執る形で、「トゥモローランド40周年」を記念して設立されたのがこのキャバンです。「親しみやすいレディース&メンズブランド」としての地位を確立しています。
キャバンの魅力は、なんと言っても遊び心があり、自然に個性を出せるようなデザインであること。基本的にはシンプルを志向しながら、ワンポイントで「違い」を生み出します。店舗は、新宿や丸の内、代官山、ミッドタウンなど、都心を中心に展開しています。
DRESSTERIOR(ドレステリア)
次に紹介するのはドレステリアです。
デザインの特徴としては「イタリアらしさ」や「フランスらしさ」「英国らしさ」にこだわっており、品のよさが際立つ仕上がりになっています。ドレッシーな装いから、カジュアルファッションまで、幅広く扱っているのが特徴的です。
ドレステリアにもスタンドカラーシャツやバンドカラーシャツの取り扱いがあります。
シャツの生地は、柔らかな手触りのものや、ラミーと呼ばれる麻のなかでも光沢が強いものなどさまざまです。
cantate(カンタータ)
こちらも国産のブランドであるカンタータ。2015年にスタートしたブランドで、メイド・イン・ジャパンのスタンダードなアイテムを作りつづけてきました。ブランドを立ち上げたのは松島 紳氏で、フレンチビンテージに影響を受けながら、多くのブランドでデザインや企画・生産を経験しました。
カンタータの魅力は、日本屈指の機屋や工場と綿密なコミュニケーションを取りながら、最高品質の製品を生み出しつづけていることです。洋服の細部にデザイナーの美意識が宿っていて、非日常をしっかりとコーディネートすることができます。
特徴なのはストライプ柄やチェック柄など、柄物が多く販売されている点です。シャツ1枚では寂しい印象になりがちですが、柄が入っていることによって、1枚でもスマートにまとまります。
Nigel Cabourn(ナイジェル・ケーボン)
ナイジェル・ケーボンは、デザイナーのナイジェル・ケーボン氏が大学在学中に立ち上げたイギリスのブランドです。
当初はクリケットという名前でしたが、後に自らの名を冠したナイジェル・ケーボンに変更。イギリス北部に拠点を置いていたこともあり、当初はアウターウエアのスペシャリストとして知られていました。またナイジェル・ケーボン氏自体、コレクターでもあったので、ビンテージミリタリーのコレクションも有名でした。
nonnative(ノンネイティブ)
ノンネイティブは日本のブランドで、1999年にスタートしました。藤井隆行氏が2001年からデザイナーを務めています。ノンネイティブは英語に直すと「nonnative」であり、「属さない」という意味になります。つまり、「着ている服にとらわれない」というメッセージが込められています。
ノンネイティブの製品作りの特徴は、着心地や不具合などの本質を重視し、ロゴによるブランドの主張にこだわらないという点です。まさに「よりよい製品を作ることにオールインする」という姿勢であり、幅広い層から高い評価を受けています。
商品は、どちらかと言えば無地や控えめな柄であるものが多く、あまり派手さを追求していないところが特徴的です。「奇抜な格好をしたい」というよりは、「高い品質の服をシンプルに着こなしたい」という人に向いていると言えます。
ノンネイティブにもスタンドカラーシャツの取り扱いがあり、さらには半袖まで売られています。ショートスリーブのタイプは、短パンやサンダルとも合わせやすく、夏にぴったりの着こなしが実現できるでしょう。
moncao(モンサオ)
次に紹介するのは、モンサオというポルトガルのブランドです。元々PRADAのデザイナーとして活躍していた2人が、「季節風」を意味するモンサオを設立します。
モンサオの特徴は、そのモダンなデザインです。さらに着心地を重視しており、手触りはもちろんのこと、シャツを着た瞬間にふんわりとした感覚が身体を包みます。
AURALEE(オーラリー)
最後に紹介するのは、オーラリーという国内ブランドです。ファッションデザイナーである岩井良太氏によって立ち上げられました。2015年の春ごろから本格始動し、「毎日着るための服」を作りつづけています。
原料は世界中から厳選。衣類を手がける一方、ニューバランスやコンバースなど、シューズブランドとのコラボレーションも実現しています。
オーラリーのスタンドカラーシャツは、フィンクスコットン(エジプト超長綿)をしっかりと織り込んだ生地が使用されています。いわゆるウォッシュ加工が施されており、非常に柔らかい風合いが特徴的。
オーラリーのスタンドカラーシャツの特徴は、サイズがゆったりとしていて、どちらかと言えばカジュアルファッションに合わせやすいことです。無地のパンツと合わせてシンプルに決めてもいいですし、ネックレスなどの小物を合わせてみてもいいでしょう。
まとめ
スタンドカラーシャツは、襟の折り返しがなく、首に沿って襟が立っているシャツ全般を指します。バンドカラーシャツと呼ばれるものもあり、こちらはより襟が低いものの、ほとんど同じような意味で使われています。
スタンドカラーシャツを着こなすためには、まずサイズ選びが重要です。カジュアルな服装やドレッシーな装いにも合わせることができるので、さまざまなコーディネートに採り入れることができます。
スタンドカラーシャツやバンドカラーシャツは、いろんなブランドから発売されており、それぞれブランド独自のこだわりが反映されています。質感や風合いを確かめる意味でも、まずは気になる店舗を実際にのぞいてみるとよいでしょう。