調べ・見立て(見立て)
ビジネスパーソンのスニーカー人気の背景に、セットアップスーツあり。
編集長の「見立て」。#48
2021.10.15
スーツにスニーカーが増えた理由と選ぶべきスニーカー
その理由を考察してみると、スニーカーそのものではなく、スーツが変わってきたと推測できるでしょう。数年前にはクリエーター的な職業の人か自転車通勤の人だけのアイテムであったセットアップスーツが、より多くのビジネスパーソンに着用されるようになったのです。楽ちんスタイルのリモートワークに慣れてくると、久々の出勤時に着用するスーツにも楽さを求めてしまうもの。着心地が堅苦しくない芯地のない仕立て、ストレッチ性のある素材、ベルトを締めなくてもいいドローコードパンツ。こういった特徴を持つセットアップスーツが、いまではすっかり定着しました。そういったスーツにこれまでのスーツに合わせていた革靴を履いては、バランスの悪い着こなしになります。そうした理由で、スーツにスニーカーを合わせる人が増え、その結果、冒頭の「ほぼ毎日スニーカーを履くビジネスパーソンが43%」という驚きのデータとなったのです。
昨今では希少性の高いスニーカーを転売する通称「転バイヤー」も現れるほど、スニーカーのブームが再燃中。ただ、ビジネスウエアに合わせるスニーカーとなると、選び方は大きく異なってきます。ビジネスで履くスニーカーを選ぶときのポイントを問いかけたアンケートに対して、「ブランド」42%という回答に続いて、「色・デザイン」が34%となったのを見ると、ビジネスパーソン読者にもそのあたりの意識が芽生えてきているようです。
最後に、具体的なスニーカーの選び方をサジェストしておきましょう。まず、白いスニーカーにこだわりすぎず、ブラック、ネイビー、グレー、ブラウンといったセットアップスーツと同系色のスニーカーを選ぶのがポイントです。次に、デザインはデコラティブなものよりもシンプルなものがコーディネートしやすいでしょう。ただし、フォルムはある程度のボリューム感があると、セットアップスーツとのバランスが取れます。最近増えているニット素材のスニーカーは、レザー素材のスニーカーよりも、リラックスした履き心地。こういったポイントをひとつひとつチェックしながら、試し履きをして、自分自身の気持ちが上がるものを、ぜひ選んでください。