カジュアルウェア
ファッショントレンドスナップ123
ストラスブルゴ銀座店メンズの店長直伝。
銀座流のレザージャケット選びときれいめコーディネートに仕上げるポイントとは。
2021.10.28
レザージャケットがいま、ものすごい人気だとか。なかでも、シングルライダースと呼ばれるデザインで、イタリア製の上質なレザーを使ったあるブランドのモデルは、ファッション系ユーチューバーが取り上げた瞬間に完売したとのうわさも。
とはいえ、メンズの定番アイテムであったライダースジャケットが、ここに来てなぜブレークしているの?と疑問をお持ちの方が多いと思います。個人的には、今回の人気の秘密は、イタリア製ならではのエレガントなデザインでプライスが20万円を切るようなコスパの高いものが出回るようになったからではないかと考えています。
それまでのシングルライダースは、バイクに乗る人のために作られたというルーツを踏まえたゴッツイ作りで、何年も着込んで自分の体に合わせるというタイプのものが主流でした。一部いままでにも上品系のライダースはありましたが、有名デザイナーものがほとんどで、価格は「清水買い」するような高額なものがほとんど。
注目されているライダースジャケットは、日本では初めて聞くようなブランド名でイタリアでもそんなにメジャーなブランドではないところがほとんど。その多くは、大手ブランドのレザー製品の下請けをしていた工房が、自身のブランドを立ち上げたファクトリーブランドと呼ばれるもの。そのため、トレンディーなデザインで上質な革を使っていても、価格を抑えられたのです。
今回は、そうした新顔ライダースジャケットの選び方と、着こなしのポイントを銀座で人気のセレクトショップ、ストラスブルゴ銀座店メンズのスタッフにレクチャーしていただきました。
「銀座に限らず最近は、上質で軽いレザーを使ったシンプルなデザインのライダースジャケットが注目されています。私がピックアップしたのは、イタリアの革産業の中心地トスカーナ地方に工房を持つ『1945CA(イチキュウヨンゴ シーエー)』というブランドのもの。シンプルなデザインですが、細かな部分にこのブランドならではのこだわりが詰め込まれています。革のキメの細かさややわらかななめしなどは言うに及ばず、タイト気味なシルエットながら着ていてストレスのないパターンと縫製技術はここならでは」と店長の金村浩史さんの感服。
1945CAというブランドは私は初見でしたが、ライダースのディテールを最小限までそぎ落としつつも、モードな雰囲気を漂わせるデザイン力には脱帽。
単品で見るとそれまでのライダースとは違う部分が際立ちます。まずは、ポケットや袖口にファスナーがついていません。それに袖が細い。
ここまで、攻めたデザインのものは、ありそうでなかなか見つけられません。なおかつイタリア製で20万円以内で買えるというものスゴイ。このブランドを見つけたストラスブルゴのバイヤーさんは偉い!! きっとここにたどり着くには、すさまじいメーカーとの駆け引きがあったはず……。