接待と手土産

「ヤマロク醤油」の鶴醤(つるびしお)
すべて実食! 自慢の手土産 #76

2021.11.17

日本の発酵文化を守るために木桶づくりから学ぶ

倍の原料と倍の時間をかけて完成する醤油には、これまでに味わったことのない深いコクと香り、まろやかさがある。少しトロミを感じる濃黒色で、一見辛そうに見えるが全くそんなことはない。うま味が強く、どちらかというと塩分は控えめ。刺身やかまぼこ、冷奴など、シンプルな料理に使うと、醤油のうまさがより際立つ。風味がよくて、ゴクっと飲めそうなほど角の取れたまろやかさ。とにかくどんな料理もおいしくしてくれて、もはや主役級の存在なのだ。ギフトには、天然醸造醤油に多めのゆずとすだちの果汁をブレンドした「ぽん酢」、羅臼産の昆布と枕崎産の鰹節でだしをとり、種子島産の砂糖で甘口に仕上げただし醤油「菊つゆ」を加えた3本セットがおすすめだ。

実は、山本さんが後を継いだ2009年頃には、木桶を製造できる桶屋が全国で1社のみになっていた。木桶がなくなると、木桶で造る醤油、味噌、酒など、日本の発酵文化の基礎が崩れてしまう。危機感を感じた山本さんは、いてもたってもいられず、2012年に仲間3名と、最後に残った大阪・堺市の藤井製桶所に弟子入りし、木桶づくりを学んだ。その活動が多くの蔵元の心を動かし、今では年に1度、各地の蔵元が小豆島に集まり、一緒になって新桶を製作しているのだ。

山本さんは毎日汗だくになりながら、醤油づくりが楽しくてしかたがないと言う。伝統的な醤油づくりを人々に知ってもらうために、今は蔵の見学も受け付けている。木桶づくりの仲間を増やし、本仕込の醤油の魅力を後世に伝える取り組みも続けている。この熱い5代目が創り出す日本の宝物とでもいうべき醤油を贈ってはいかがだろう。

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ヤマロク醤油
香川県小豆郡小豆島町安田甲1607
価格/鶴醤500㎖ 1296円、ぽん酢500 1296円、菊つゆ500 1296円 ※いずれも税込み・送料別
問/0879-82-0666
https://yama-roku.net/

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Edit & Text:Yuka Kumano

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