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帽子の種類をしれば選ぶのが楽しくなる!
コーディネートに合う帽子選びの極意とは?
2023.01.30

帽子はいつものコーディネートに変化をつけてくれるアイテムです。帽子の種類や選び方を知ることで、カジュアルシーンの装いがより楽しくなります。この記事では、帽子の種類と選び方、そしてコーディネートのポイントについて解説します。
帽子の種類と素材

シーンやコーディネートに合う帽子を選ぶためには、まず帽子の種類を知り、それぞれの特徴を押さえることが大切です。ここからは、代表的な帽子の種類とその特徴、使用される素材などについて解説します。
ワークキャップ
ワークキャップとは、トップが平たくなった円筒形のクラウンにツバが付いている帽子です。クラウンとは帽子の頭頂部のことで、頭にかぶる部分を指します。「ドゴールキャップ」「レールキャップ」「エンジニアキャップ」などとも呼ばれ、カジュアルな帽子として広く親しまれています。
もともとは20世紀初頭にアメリカの鉄道員が作業中にかぶっていた帽子で、後にほかの職種の従事者も作業帽として使うようになったことから「ワークキャップ」、つまり「働く人のための帽子」として定着しました。そのため、繰り返し洗っても耐えられる丈夫さや、頭部を保護する機能性が重視されて作られてきた歴史があります。
素材にはコットンやウールが使われることが多く、デニム地やキャンバス地のものもオーソドックスです。使われる素材やデザイン、カラーが多彩でコーディネートに合わせやすく、男性だけでなく女性からも人気があります。飲食店の制服やプライベートシーンなど、幅広い場面で着用されている帽子といえます。
マリンキャップ
マリンキャップとは、ふっくらと膨らんだクラウンに長めのツバが付いた帽子です。クラウンの下部には「腰」という段が付いており、ここにひもリボンやレザーベルトで装飾が施される場合もあります。
学生帽や警察官がかぶる帽子に似ていると考えれば、形はイメージしやすいでしょう。19世紀後半のギリシャで船乗りがかぶっていたことに起源を持ち、ノルマンディー地方の漁師に愛用されたことから「フィッシャーマンズキャップ」とも呼ばれています。ただし、現在ではツバのないタイプを指して「フィッシャーマンズキャップ」と呼ぶことが多いので気を付けましょう。
そのほか「バイカーズキャップ」や「マリンキャスケット」などと呼ばれる場合もあります。マリンキャップの素材にはウールやコットン、コーデュロイなどがよく使われます。男性がかぶれば力強さを、女性がかぶればマニッシュな雰囲気を演出できます。
ベースボールキャップ
ベースボールキャップとは、半球型のクラウンに長いツバが付いた帽子です。キャップと聞いたときにまず思い浮かべる、最もオーソドックスな形状といえます。野球の試合をする際に選手や監督がかぶっていたことからこの名前が付きました。
野球は19世紀にアメリカで始まりましたが、イギリスのクリケットなどがそのルーツにあるといわれています。クリケットでかぶる帽子は後述するキャスケットの発展形であるため、ベースボールキャップもキャスケットから進化した帽子だと考えられるでしょう。頭の形にぴったりとフィットするので脱げにくく、スポーツには最適な帽子です。
野球チームのロゴが入っているものだけでなく、無地のもの、高級な素材を使用したもの、かぶりが浅いものなど、さまざまなデザインが採用されています。子どものころからかぶっていることもあり、親しみやすい帽子と感じる人は多いでしょう。
ニットキャップ
ニットキャップとは、ニットで編まれた帽子の総称です。頭にフィットする、裾が折り返されたシンプルなタイプ以外に、ツバが付いたタイプやハット型のタイプもあります。
袋のようなシンプルなニットキャップは「ワッチキャップ」や「ビーニー」と呼ばれ、裾が折り返されたものを「ダブルワッチ」、折り返されていないものを「シングルワッチ」と呼びます。ニットキャップで使われる素材は、ウールやアクリル、コットンなどです。ニットキャップは冬にかぶるイメージがありますが、通気性に優れた素材で作られたものは夏にも活躍してくれます。
ニットキャップのほかの種類としては、「オスロキャップ」や「正ちゃん帽」など挙げられます。オスロキャップはツバが付いたニットキャップで、ツバの上に折り返し部分があるのが特徴です。寒い時期は折り返し部分を下げることで耳当ての代わりになります。正ちゃん帽はクラウンのてっぺんに毛糸のボンボンが付けられたニットキャップです。
中折れ帽
中折れ帽は最もポピュラーなハットで、クラウントップにへこみがある帽子です。ハットはキャップと違い、クラウンの周りを囲むようにツバが付けられています。
中折れ帽のへこみはクリースと呼ばれ、クリースの前部分にはフロントピンチと呼ばれる突起があります。なお、クリースやフロントピンチをつまんでかぶると形が崩れやすいため、中折れ帽はツバを持ってかぶるのがセオリーです。ツバの長さは6~7cmが標準的ですが、短めのものや長めのものもあります。
ツバの長さによって中折れ帽を分類する場合、短めが「トリルビー」、長めが「フェドラ」です。クリースの形状にもいくつかの種類があり、ひし形のような「ダイヤモンド」、前がとがって後ろが膨らんだ「ティアドロップ」、前から後ろに辛っすぐ伸びた「センタークリース」などが挙げられます。
中折れ帽の素材は、ラビットやウールなどの毛を使ったフェルトが主流です。ただし、後述するパナマ帽やストローハットでも中折れ帽の形状が一般的であるため、素材については一概にいえません。中折れ帽には「ソフトハット」や「マニッシュハット」といった別称もあります。
パナマ帽
「トキヤ草」または「パナマ草」と呼ばれる植物の葉を細く裂き、編み込んで作るのがパナマ帽です。エクアドルをはじめとした中南米が発祥で、もともとはバナナやコーヒーなどの農園で強い日差しを遮る帽子として使われていました。
セオドア・ルーズベルト大統領がパナマ運河を視察した際にこの帽子をかぶったことで、「パナマ帽」の名で世界中に知れ渡るようになりました。パナマ帽は編み目が細かいほど高級で、天然トキヤ草を使って丁寧に仕上げられたものは「本パナマ」と呼ばれています。2012年には伝統的なパナマ帽がユネスコの無形文化遺産に登録されており、品質の高さや歴史的な価値が公式に認められました。
パナマ帽の形は中折れ帽タイプが主流ですが、クラウントップが平らなポークパイタイプのものなどもあります。かぶり心地が軽快で丈夫なパナマ帽は、夏のコーディネートをおしゃれに彩るアイテムとして重宝されています。