週末の過ごし方
『ビバリーヒルズ高校白書/青春白書』
いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #16
2022.03.10
ビバリーヒルズ高校白書は米国で1990年から放送が始まり、10年にわたり続いた大ヒット作品。「ビバヒル」の愛称で知られ、日本では1992年にBS2にて初放送、1995年から教育テレビで放送された。
当時の視聴者たちは、海外のティーンとはこうゆうものなのかと、そのきらびやかな生活にカルチャーショックを受け、ファッションや独特な言葉づかい(日本語吹き替え版で放送されていた)をまねし、ある種の社会現象を巻き起こした。
アメリカのロサンゼルスにあるビバリーヒルズは、ハリウッドセレブや富裕層の豪邸が立ち並ぶ言わずと知れた高級住宅地。そこへ高校生である双子のブランドンとブレンダが、両親と共にミネソタから引っ越して来たところから物語は始まる。
素朴で平凡な暮らしをしてきた2人が、高級車を乗り回しているような同級生たちとのギャップに苦悩しながらも徐々に溶け込んでいき、友情を深め合い、大人へと成長してゆくストーリー。シーズン3までは高校生活を描き、シーズン4から『青春白書』と改題し、大学生や社会人になった彼らを描く。
ビバヒルの爆発的なヒットの背景には、まったく想像もつかないような富裕層ならではの生活やトラブルを知ることができる面白さと同時に、家族との衝突、恋愛での悩み、将来への不安など、ティーンの誰もが抱える問題から時代を映す社会問題までが幅広く、かつ丁寧に描かれていたことがあるだろう。この30年の間にいまなお続く問題もあれば、まったく価値観が変わったこともあり、時代の変化を感じることができる。
仲のいいグループ内で恋人を取り合ったりすることが多かったため、そのような状況を“ビバヒル状態”などと揶揄(やゆ)する言葉も生まれた。ビバヒルファッションを参考にしたスタイルを“ビバカジ”と呼び、90年代ファッションに多大な影響を与えた。
そしてそれがいま一周まわっておしゃれだと、数年前から言われていることをご存じだろうか?“懐かしい”と“新しい”が融合し、新たな流行として繰り返されてゆくのだ。