腕時計
ZENITH
せめぎ合う瞬間を刻む
【男と男】
2022.04.05
若者は常に上の世代に反発する。例えばアヴァンギャルド。絵画、音楽、絵画、建築など、分野を横断する前衛運動が生まれたのは20世紀半ばだった。立役者となったのは当時の20代。そこには確かに旧世代へのレジスタンスの気概が息づいていた。この趨勢せ(すうせい)は時計も同様。数字と針のみという節制から自由となり、斬新なデザインがこの頃に数多く生まれている。
とはいえ、それはただの衝突とは異なる。相手を受け止めながらの切磋琢磨(せっさたくま)は、ポジティブに刺激を交換し合い、確実にジャンル自体を次のフェイズに押し上げてきた。
新しいものは常に生まれるが、ただ奇を衒(てら)うものは消えていく。長く生き残るスタンダードが揺るぎない完成形だとしたら、いつまでも刺激的な前衛は永遠の革新だ。挑みつづける若さは、人も腕時計も変わらない。
右:スーツ¥132,000、シャツ¥22,000、ネクタイ¥16,500 /すべてポール・スチュアート(ポール・スチュアート 青山本店 03-6384-5763)左:スーツ¥148,500/タリアトーレ(トレメッツォ 03-5464-1158)、シャツ¥31,900/ラルディーニ(トヨダトレーディング プレスルーム 03-5350-5567)
掲載した商品は税込み価格です。
Photograph: Masanori Akao
Styling: Yukihiro Yoshida
Hair & Make-up : Keita Iijima(mod’s hair)
Text: Keiji Kasaki(TEAM SPIRAL)
Edit & Text: Mitsuhide Sako(KATANA)