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『ヴォルテール高校へようこそ/MIXTE』
いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #21

2022.04.14

『ヴォルテール高校へようこそ/MIXTE』<br>いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #21

ああ! 1960年代って、なぜこんなにオシャレなのだろう!と思わずにはいられないフランス発の学園ドラマがある。

舞台は1963年、五月革命前。まだ男尊女卑思想を持っている人が多くいた時代。小さな町にあるヴォルテール高校では、初めて女子生徒を受け入れることとなった。初年度の受け入れ数はまだ少なく、慣れていない男子生徒は、女子生徒とすれ違うたびに熱い視線を送ってしまう毎日。校内の雰囲気は、まさに浮き足立っていた。

学校側は現代的に共学にしよう!と意気込んだものの、受け入れ態勢はまったく整っておらず、「女子トイレはどうする?」「更衣室がない!」と教師陣もてんやわんや。優秀な女子が解答しようと手を挙げていても、指さない。髪をおろしてくると「パーティーじゃないのだから!」と叱る。体育の授業では、女生徒に何をさせたらいいのかわからず「縄でも上っていろ」と、隅っこで縄登りをさせる始末……。

男尊女卑思想は家庭でも同様で、両親が肉屋を営むミシェルの両親がそのいい例。息子には教育熱心だが、娘ミシェルに教育は必要ないと考え、店の手伝いばかりさせている。加えて、アルジェリア人に対して“奴らは全員不良で下品だ”と偏見を持つ。アルジェリアは1962年に独立を果たしたが、生徒の親世代にはまだ差別がしぶとく根づいているのだ。同性愛に対しても扱いはひどく、「自然に反する行為」として罰金や懲役を科そうとする時代である。

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