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『OZARK/オザークへようこそ』
いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #22

2022.04.21

『OZARK/オザークへようこそ』<br>いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #22

エピソードの鍵となるイラストとは?

マーティの荷物を盗みひと悶着(もんちゃく)あったが、マーティの下で働くことになったルースにも注目。金髪の巻き毛と見た目はキュートだが、町で評判の不良一家の娘。まだ幼さの残る顔からは想像もつかないほど賢く、頭の回転が速い。だがやはりまだ10代。時に未熟な判断が、ことを大きくしてしまう……

オザークというディストピアでは、一般常識が通用しない。ただもうかるだけでは人は動かないのだ。そして田舎町コンプレックスが時に人の判断を狂わせ、マーティの計画をことごとく壊してしまい……、なんとも後味が悪い!

全体的にコントラストが弱めで、自然光を生かしたような独特な演出。作品を盛り上げる役割をもつ挿入歌などは、ジュークボックスや店内でしか流れない。ビートのない曖昧な音が空気中を漂うように流れている。キャストの演技力の高さ、ストーリー構成と人物描写が綿密でなければ、このような演出はできないだろう。

色みのない、音のない緊張感が、よりいっそう視聴者にスリルを味わわせてくれる。各話冒頭にオザークの頭文字“O”の中に、エピソードの鍵となる4つのイラストが描かれているのも面白い。重要ななにかを見落とさないためにも、しっかり見ておこう。

いつか麻薬カルテルと縁を切りたいと願うマーティ一家が、いったいどうやってこの物語を終えるというのか? 大人気シリーズの終幕に期待は高まるばかりだ。

あまりに地味すぎて、好き嫌いが分かれる作品かもしれないが、ドラマの完成度はエミー賞でお墨付き。この緊張感は味わって損はないはず!

Text:Jun Ayukawa
Illustration:Mai Endo

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