スーツ
クールビズに最適な服装とは?
オススメの着こなしを解説
2022.08.03
我慢して長袖シャツを着るより、半袖シャツで思い切る
半袖もクールビズのスタンダード。長袖の腕をまくって皴が目立つより、すっきりして使いやすいアイテムといえます。ただしすべてOKというわけではありません。基本的にドレスシャツの体裁に則ったデザインで、色も柄もベーシックなタイプをセレクト。袖は二の腕の中間ぐらいのレングスを目安にしてください。肘あたりまでの長さだとジャケットを着た時にもたつくうえ、カジュアルなニュアンスが強くなります。
ポロシャツはクールビズには向かない?
スポーツから生まれたアイテムだけに、ラフなイメージが強いポロシャツですが、通気性があり、速乾性のある鹿の子の素材感は捨てがたいもの。最近ではビジネスでも認められることが多くなっています。ただし、プリントや柄が入ったものは避け、できるだけシャツに準ずるベーシックなデザインを選んでください。袖や衿のラインなどのパターン、刺繍等やイラストなどはシンプル、またワンポイントでも避けましょう。目がつまった長綿素材は光沢があって上品ですが、通気性に劣るのが弱点です。
ジャケットだけでなく、シャツの素材もアップデートが顕著。COOLMAX®やアイスコットンといった名称で、吸水性や速乾性に富んだ素材が使われています。逆に昔から夏物に使われていた麻はさらっとした肌触りで着心地はいいものの、皴になりやすいことがデメリット。ビジネスの場にはふさわしくないので、選ぶならコットンなどとの混紡にとどめておくのが無難です。
アンダーシャツを着る、着ない、どっちが正しい?
もともと欧米ではシャツ自体が下着という考え方のため、アンダーシャツを着ることはあまりありません。でも、アジアのモンスーン気候では湿度が高くて汗が乾きにくいため、アンダーシャツを着ることはむしろ理に適っています。その際、肌の色に近いベージュを選ぶようにしましょう。シャツと同じ白を選ぶと、肌の色とのコントラストから逆に目立ってしまうので要注意。
衿は深めのVネックが断然マスト。丸首だとシャツから見えてしまい、途端に下着っぽさが出てしまいます。カジュアルであればOKでも、ビジネスシーンでは「アンダーシャツは見せるべきではない下着」とわきまえたいところ。
さらに最近は縫い目がないシームレス仕様、脇汗も目立たない汗止めつきなど、より下着の存在を感じさせないモデルが増えて来ました。こうした機能的なアンダーシャツをぜひ活用してください。
クールビズのボトム選びで気を付けること
クールビズではボトムの自由度も高いですが、とはいってもラフになりすぎるのは考えもの。薄手のウール、コットン、またはそれぞれに化繊等が混紡されたスラックスが適しています。下半身は動きが多く、汗をかきやすい部位だけに、吸湿速乾に優れた機能性素材を活用しましょう。クリース(中央の折り目)が消えるとだらしなく見えるので、ここをキープするように心がけてください。色は基本色のネイビー、グレーのほか、ジャケットやシャツが濃い色であれば、白やベージュといった淡い色でコントラストをつけると清涼感を演出できます。
もちろん、半ズボンがNGなのは言わずもがな。スニーカーソックスなどで踝(くるぶし)部分の肌を見せるのも無作法です。社内勤務であればまだしも、訪問時には控えてください。また靴は動きやすいレザースニーカーやローファーはOK、ベーシックなカラーであればキャンバス地のスニーカーもクールビズでは認められることが多いようです。ただし、ハイテク系の厚底スニーカーのタイプはストリートのイメージが強いため、避けるようにしましょう。
スーツやネクタイをクールビズでうまく使う方法には……
ジャケットスタイルの応用度は高いですが、スーツやタイドアップが必要なシチュエーションも充分考えられます。
クールビズに限らず、ビジネススタイルの要諦のひとつは、相手に不快感を与えないこと。暑苦しさもそのひとつ。スーツはウールが基本、グレーやネイビーが基本色ですが、モヘアのようなシャリ感のある素材が混紡されるだけで見た目の重みが軽減されます。
同様にネクタイも赤系は控え、ブルーのカラーヴァリエーションでまとめると爽やかな印象に。リネン混紡やニットタイなど、素材で清涼感やエアリーなニュアンスを演出するのも効果的です。
クールビズが始まって18回目の夏。公式な期間設定が廃止され、企業や部の方針で自由に決められるようになりました。でもそうした状況だからこそ、正しい着こなしのコツをおぼえておきたいものです。
Text:Mitsuhide Sako(KATANA)